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なぜ外資金融の新卒は1000万円もらえるのか?

理系学生のための企業研究(5)

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NIKKEI STYLE

「企業研究」といえば、会社の財務情報で売上高や利益、ナントカ率のようななじみのない経営数値を見て、会社の良否を見通す神通力のようなものを想像するかも知れません。しかしそれはマンガやフィクションの世界です。

財務情報の最低の基本

本稿では財務情報の読み解き方より、仕事の仕組み理解を優先して説明してきましたが、もちろん財務情報として表記される経営数値はそれぞれ意味があります。数学センスの高い理系学生は、実は財務情報との相性が良いので、しっかり勉強すれば今後会社で活躍する際にも非常に有効で、なおかつおもしろいと感じるものだと思います。

今回は最低の基本である、売上、原価、利益、株価だけ一言で説明します。これまた本稿は全編を通じ、経済・経営学的知識付与をするためのものではなく、就活で最低限認識すべきエッセンスとしての解説であることを再度お断りします。学問的定義はご自身で必ず確認ください。

売上:その企業が販売する商品(有形財)やサービス(無形財)の対価として受け取る金額

原価:販売する商品・サービスの製造や調達(仕入)に必要なコスト

利益:売上から原価を引いた残り

株価:株式を上場(じょうじょう)している公開企業の価値の時価。株式市場が開いている間、常に取引状況で変動する。株式公開企業以外の株は一般の人は買うことができない。

売上=原価+利益

以上、理系学生にはきわめて簡易な足し算引き算です。もちろんこの何倍ものさまざまな経営数値がありますが、もっとも基本となるのが売上と原価と、それで算出できる利益です。

給与と厳しいプレッシャーはセット

就活開始時の会社選びだけでなく、内定が出た後、特に複数の内定を得た場合、どの企業に入社するかを決めるという、うれしい悩みもあります。そんな時に気にする人が多いものに初任給があります。

初任給の金額はほとんどの企業が公開し、また就職情報サイトなどでも開示していることが多いのですぐわかります。だいたいの相場があり、特に業界によって高めだったり安めだったり、また企業規模によっても違いがあります。

誰でももらえる給与は少ないより多い方が良いのは当然ですが、ここでもまた企業のビジネスモデルを思い出してください。もらえる給与は会社の商売が成り立つことで得られます。高給の象徴でもある外資金融・投資ファンドでは、なぜ新卒社員ですら1000万円に達する破格の年収を得る人がいるのでしょう。それは単純で、新卒でも1000万円を払える利益を出しているからです。会社には家賃や電気代など運営コストがかかりますから、単純に売上が1000万円出ただけでは利益ではありません。利益として1000万円以上(通常はその何倍も)稼ぎ出した人には理論上1000万円の給与を払えることになります。

総合商社や超大手マスコミや超大手広告代理店などの給与が高いのも同じ理由です。売れっ子芸能人は何億円もの収入を得られる一方、睡眠時間4時間で無休で働き続けた結果の収入です。その代りに売れなくなれば無収入になる芸能人、穴をあければ何十億もの損失を出しかねないトレーダーというように、給与とその見返りの厳しいプレッシャーはセットなのです。

初任給、残業、福利厚生、平均年齢、退職金など、人事関連情報

人事制度や経営手法は常に進化しています。筆者は人事担当者からの相談回答者を10年以上勤め、さまざまな人事制度や問題に接していますが、終身雇用や年功序列といった、長年「日本的経営」として世界に知られた人事システムは大きく変わっています。

かつての右肩上がりで年齢とともに給与が自動的に上がっている年功賃金は崩壊しつつあります。今まだそういった旧来の仕組みがある企業でも、20年先、30年先のことは誰もわかりません。退職金制度も廃止する企業は後を絶ちません。

つまり「初任給が高いから」というような単純な理由で企業選びをするのはきわめて危険で、それよりもご自分の専門性やその企業のビジネスモデルとの相性、そこにおける「会社」貢献の可能性などの判断の方が結局頼りになるのです。最悪ある日突然年功賃金制度は終わるかも知れませんが、その業務における能力や実績が蓄積できていれば、会社が倒産しても転職できるのです。

会社が永遠ではないことはもはやグローバル化した現在の経営では当然すぎることで、長年の歴史のある財閥系大企業が不祥事で消え去ったり、外資や他社に買収されたり、これまでの経営環境では考えられなかったことがいくらでも起きるのが今のビジネスなのです。

会社員としての本丸・給与ですらそんな状況ですから、残業、福利厚生、平均年齢、退職金などの派生的情報はいくら調べたところで、今後どんどん変わっていくことでしょう。「平均残業時間」なども気になるでしょうが、その職務も、対応する人間も、締切も、立場も、顧客も違う環境下で出た平均値を比較すること自体、ほぼ意味がありません。

これは平均残業時間に意味がないのではなく、仮にホワイト企業とか残業時間が少ないという「答」を得たところで、配属される職場や上司によって変わり得るものだということです。安易なレッテル貼りの「答」をそのまま鵜呑みにするのは愚かなことで、どんな会社にも必ずブラックな面やブラックは事象があるのです。自分が健康を損なったりしないように生き抜く力となるのは、本稿が繰り返し訴える、自分の判断力です。人が用意した「答」ではありません。

逆に「ブラックは絶対お断り」という考えは、理系的にいえばゼロリスク幻想です。「リスクがない」「ハザードが発生しない」会社自体があり得ないものであり、許容できないリスクかどうかの判断は自分で下すしかありません。もちろん違法行為が許されるものではなく、遅ればせながら国も対策は講じていますが、基本、自分の身は自分で守るのが原則です。

増沢隆太(ますざわ・りゅうた)
 理系専用就活ガイドブック「理系のためのキャリアデザイン 戦略的就活術」(丸善出版)や、「戦略思考で鍛える「コミュ力(りょく)」」(祥伝社新書) など、著書多数。理系中心に東北大生のキャリア支援を担当。東工大では約10年キャリアとコミュニケーションの講義を担当した他、現在は東京理科大、日大生物資源科学部、秋田美大はじめ全国の大学などで講義やセミナーを行っている。コミュニケーション専門家として、テレビや新聞等でコメンテーターを務める。ロンドン大学大学院現代史学修士課程留学時代は、戦争と戦略の研究を行った。Webサイト「理系のための戦略的就活術」

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