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[ career-働き方 ]

大学生が見たカイシャ(3)大日本印刷
~車やスマホにも印刷技術

authored by 国学院大学学生キャリアサポーター
大学生が見たカイシャ(3) 大日本印刷~車やスマホにも印刷技術

 "紙"への印刷から始まった印刷業界。現在は、培ってきた技術を発展させ多種多様な事業を行い、作り上げられた製品は私たちの生活に浸透しています。今回はその印刷業界のリーディングカンパニー、大日本印刷株式会社(DNP)人材開発部の野田万利子さん、同じく人材開発部の前田亮さんにお話を伺いました。

――大日本印刷(DNP)とはどういう会社でしょうか。

 私たちDNPを一言で表わすと、国内外の約3万社の顧客企業や生活者に対して、幅広い分野で多様な製品やサービスを提供する世界最大規模の総合印刷会社です。明治9年(1876年)の創業ですので、2016年に140周年を迎えました。

紙から自動車、スマホまで印刷

――事業内容について教えてください。

 皆さんがイメージするような雑誌やパンフレットなどの"紙"への印刷はもちろんですが、印刷技術の可能性を追求し、多種多様な領域に事業を広げています。お菓子や日用品などのパッケージ、キャッシュカードや学生証などのICカード、住宅やショッピングセンター、電車や自動車の内外装材、スマートフォンにも使われているエレクトロニクス製品など、皆さんもきっと、DNPの製品・サービスにいつも接していると思います。

DNP市谷加賀町ビル(東京・新宿区)

 また、環境に配慮してエネルギーの負荷を減らす製品や、再生医療などのライフサイエンス分野などに事業を広げていく挑戦も続けています。

 DNPは創業以来の歴史の中で、常に最先端の印刷技術を培ってきました。その技術や経験を活かして、企業や生活者、社会の課題解決にとって欠かすことのできない「未来のあたりまえ」をつくっています。

――DNPの強みと考えるのはどのようなところですか。

 やはり事業の幅広さが強みですね。そして、この事業展開を可能にしているのが、これまで培ってきた「Printing(印刷)」と「Information(情報)」の強みです。創業以来のモノづくりだけでなく、ITにも1970年代から取り組んでおり、その両方を併せ持っていることはDNPならではの大きな強みだと思います。

――関連する企業はどのようなところですか。

 顧客企業は幅広い業種の約3万社で、提携先やパートナーを含めるともっと多くなるでしょう。学生の皆さんが就職活動などで接するようなほとんどの企業と関係があると思います。

――今後の事業ビジョンについて教えてください。

 まず今後を見通す上でのキーワードとして「変化」が挙げられます。今、戦後の混乱期にも匹敵するような大きな変化が国内外で起きていますが、その中でDNPがさらに発展していくためには、自らが能動的に変革に取り組んでいく必要があります。このチャレンジがDNPの価値を高めていくためには重要であり、それによって社会に貢献していきたいと考えています。

 こうした決意を込めて2015年に始動させた「DNPグループビジョン2015」では、「人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する」ことを企業理念とし、「4つの成長領域を軸に事業を拡げていく」ことを事業ビジョンとして掲げました。

(左から)DNP・前田亮さん、野田万利子さん、聞き手の吉原良祐

――「4つの成長領域」についてもう少し教えてください。

 まずは、高度情報化社会において価値ある情報を安心・安全に最適なかたちで伝えることで暮らしを支え、文化を育む「知とコミュニケーション」という領域。例えば、ハイブリット型総合書店「honto」では、紙の書籍と電子書籍の両方に対応し、リアルな書店とネット書店を連動させたサービスを展開しています。

 「食とヘルスケア」という領域では、高齢化社会の中で、安全で質の高い生活や生涯にわたる健康維持を目指しています。例えば、印刷技術を使って光を反射しやすくして収穫量の増加にもつなげていく「DNP反射フィルム リフレモ」などを開発、販売しています。「住まいとモビリティ」では、生活者の価値観が多様化してパーソナル空間への要望が高まるなど、さまざまな生活空間へのニーズに対して、より高い快適性の実現を目指します。そして「環境とエネルギー」の領域では、経済的な成長と環境保全の両立を実現するために、持続可能な社会に求められる環境配慮製品・サービスなどを提供していきます。

 DNPは社会の発展に貢献していくため、社員一人ひとりが、この4つの成長領域で何ができるのかを考え、自ら変革に取り組んでいます。

変化を楽しめる学生に来てほしい

――採用ではどのような学生を期待しますか。

(左から)DNP・前田さん、野田さん、吉原良祐

 今、私たちは変化の激しい時代に生きています。DNPも変革に取り組んでおり、このような変化を楽しめる、好奇心旺盛な方にDNPを盛り上げてほしいですね。DNPの事業も世界中に広がっているので、自らが国内・海外で新しいつながりを作っていってもらいたいです。かつては「夢」だったけれど、今では「あたりまえ」になっているモノやコト。いつも身近に欠かせないそんな「あたりまえ」をDNPは数多く生み出してきました。

 便利で愛されて、長くいっしょにいたいと思うような「あたりまえ」をつくるには、多くの人との対話が欠かせません。生活者の視点を持つプロデューサーのような役割で、時間や予算、企画から製造・販売・運用、反応のフィードバックまで、全てに目を配っていくことも大切です。

 「どんな未来にしたいか」というビジョンを自らが描き、幅広い視野を持って本気で挑戦できる人、日本初や世界初を目指して、前例がなくても諦めずに挑戦できる人といっしょに「未来のあたりまえ」を実現したいと思っています。
(取材:星名彩由里、吉原良祐)

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