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会社見学へ行こう(14)テレビ東京
「ニュース放送の現場って
どうなってるの?」

authored by 日経カレッジカフェ 
会社見学へ行こう(14) テレビ東京<br />「ニュース放送の現場って<br />どうなってるの?」
テレビ東京報道局 ニュース番組「Mプラス11」の本番直前のスタジオ。キャスター席でプロンプターを使ってニュースを読む体験もできた

 日経カレッジカフェは11月18日、テレビ東京の協力を得て会社見学会を開催しました。テレビ東京はこの秋、六本木グランドタワーに本社を移転、その新ビルの1階受付前に33人の大学生が集まりました。就活が気になる3年生ばかりか、2年生の参加者も多く、1年生や大学院生の参加もありました。

引っ越したばかりの新本社

 「まだ引越ししたばかりで、私たちでもうっかりすると迷ってしまうんです」。ロビーで入館証を渡されてひとまず集合した11階のプレゼンルームで、案内役の総務部副参事、内藤裕一さんはこういって座を和ませてくれました。なにしろこの六本木三丁目の新本社スタジオから放送を始めたのは11月7日。見学日はそれから10日あまりしかたっていません。

 今回の見学会の眼目はテレビ局を知ってもらうことですが、力点はニュースづくりに置かれています。前半の局内見学の山場は昼のニュース番組の生放送を文字通り生で見学すること。後半はカメラマン、アナウンサー、ニュース番組のプロデューサーというニュースに携わる3つの職種の方々から話を聞くという見学プログラムです。

第2スタジオでは「7スタライブ」が放送中。だが、待ち時間だったため、本番のスタジオで紺野あさ美アナウンサー(左)、新人の原田修右アナウンサー(右)から話を聞くことができた

 第1スタジオ、第2スタジオを見学したあと、10階でエレベーターを降りたところで思わぬハプニング。「モヤモヤさまぁ~ず2」で人気の同局の看板アナ、狩野恵里さんが前を通りがかったのです。学生の間からは「おお」というどよめきが起こりました。「これ、なんですか?」と話しかけてきた狩野さん。学生の会社見学と聞くと「がんばってくださいね」と励ましの言葉をかけてくれ、スタッフに促されて自らキャスターを務める夕方のニュース番組「ゆうがたサテライト」をよろしくと、番組の宣伝をして笑顔で立ち去っていきました。そのまま報道局に入っていく狩野アナを追いかけるように学生たちも報道局の中へ。

生放送、整然とした中に緊張感

 真新しい机が並ぶ報道局内はニュースの放送開始直前というのにあわただしい雰囲気はなく整然とした印象です。整然とした印象はオフィスの奥にある、パソコン室のように見える編集室も同じ。その奥のニュースサブ(副調整室)でも変わりません。ニューススタジオになると、森閑としていると感じるくらい静かでした。本番前でしたが、キャスター席に座ったり、ニュースを読む真似事をしたり、本番のセッティングでニュース放送の雰囲気をたっぷり味わわせてもらいます。そうこうしているうちにオンエア時間が迫り、キャスターの塩田真弓アナウンサー、その横に座って陰からスタジオの進行をコントロールする番組プロデューサーの唐戸智雄さんがスタジオ入りし、入れ替わるように見学メンバーの半数がサブに移動、それぞれスタジオ内とサブで生放送を見学しました。本番が始まるとスタジオの空気はピンと張り詰めます。サブの方ではムダのない指示がスタッフ間で交わされています。途中のCM時間にスタジオ組とサブ組が交代して生放送の緊張感を両方で目の当たりにできる貴重な体験となりました。

昼のニュース番組「Mプラス11」の生放送をスタジオ内で間近から見学した。キャスター席には塩田真弓アナウンサーが座る

お昼は社員食堂でカレーをごちそうになった

 「職種を掘り下げる」をテーマとした午後の部はまずはカメラマンから。カメラマンは話というより実戦です。ニュースカメラ室の高木聖次カメラマン、カメラマンとペアを組んで音声収録などを担当するビデオエンジニア(VE)の藤中亜紀子さんの指導のもと、ニュースなどでよく行われる現場からの記者リポートを、カメラマン役、音声役、照明役、フロアディレクター役、記者役の5人1組で体験することになりました。

記者リポートを5人1組で体験

トランプ氏の等身大パネルを前に記者リポート中継を模擬体験。映像は同時に大型スクリーンに映し出された

 米大統領選でトランプ氏の当選確実を伝えるシチュエーションで短い原稿が用意され、フロアディレクター役の指示のもと、カメラ、音声、照明、記者が本番さながらに動いてその映像が正面の大スクリーンに映し出されます。「カメラマンがどう撮るかは自分次第。やり直しはきかず自分の腕が試される」と高木さん。7組思い思いの映像が次々と映し出されていきますが、カメラが揺れて画面が大きく揺れてしまったり、リポートする記者役の人がうまくしゃべり出せなかったり、わずか30秒ほどのリポートでも簡単に当たり前に撮ることはできません。それでも本物のカメラやマイクを触り、実際に動かしてみることに皆さん興奮を隠せないようでした。

 続いて先ほどの「Mプラス11」でキャスターを務めた塩田アナウンサーが登場し、みんなで発声練習。1999年の入局で、18年目のベテランアナですが、今もこうした練習は欠かさないとのこと。原稿のニュアンスを正確に伝える下読みの仕方なども紹介しつつ、「今のうちに海外で様々な体験を積んでほしい。アナウンサーという仕事を目指すなら、幅広くいろいろな体験をすることが大切」とアドバイスを送っていました。

 最後はプロデューサーの唐戸さんが登場して、看板番組「ワールドビジネスサテライト」の名物コーナー「トレンドたまご」の取材プロセスをまとめたVTRを見た後、報道記者の仕事とはどんなことをするのかを語ってくれました。

アナウンサーが読んでいる原稿には赤で様々な書き込みが。「下読みのときにこうした書き込みをして本番に備える」と塩田真弓アナウンサーは話してくれた

唐戸智雄プロデューサーはたった1本のニュースにも膨大な手間がかかっている様子を話してくれた

 その後は高木さん、藤中さん、塩田さん、唐戸さんを交えて学生たちと懇談する時間が設けられました。内藤さんや、一緒に案内してくれた総務の方々も入って、そこここに話の輪ができました。

 「毎日の発声練習や下読みなど、技術面でも不断の努力をしているのがわかった」「記者リポートとか簡単に思っていたけど、やってみたらうまくいかなかった」――-学生たちの感想からは改めてテレビ局の仕事のやりがいと厳しさが伝わった様子でした。テレビ東京の皆さん、学生の皆さん、長時間にわたりご参加ありがとうございました。

最後は同局のキャラクター「ナナナ」がサプライズで登場、一緒に記念撮影した

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