ナチュラル志向の女子が憧れる 最新美容家電とは
私たちのリアル(18)
お年玉の使い道
2017年も若い女子たちの新感覚・新情報をご紹介したいと思います。本年もどうぞよろしくお願いいたします! 年明けは親戚が集まったり、初詣をしたりとイベントが盛りだくさん。久しぶりに親戚に会えたり、普段は会わない友人と連絡をとったりする良い機会です。
そんな中でも学生が毎年気になるものといえばお年玉。普段会えないおじいちゃんおばあちゃんにお小遣いをもらえると嬉しくなって、ついつい欲しいものを奮発して買ってしまうそう。特に最近、大学生の間で流行っているのが「美容家電」。スチーマーや洗顔ブラシ、美顔ローラーなど、エステいらずのお肌にしてくれる美容グッズです。学生が普段は手が出ないお値段だからこそ、お年玉をもらったときや、プレゼントでもらうなどすると嬉しさも大きくなります。
女子力の高い大学生の間で最近話題になっている美容家電に「アクアソフト」というシャワー用軟水器があります。大学生にインタビューをしてみると、軟水の良さを使ってみてはじめて理解したといいます。「"軟水は肌や髪の毛に良く、使うだけでツヤツヤになる"と聞いたことがあったので以前から気になってはいたけれど、正直水だけで本当にそんなに変わるのか半信半疑だった。でも、たまたま家電屋さんでアクアソフトを体験して、びっくり! 普段どおり手を洗うだけで、手がしっとりスベスベに。お肌だけでなく髪の毛もツヤツヤになるし、シャワーに設置するだけですぐに使えるので、ママと一緒に買ってみようかなと話しています!」。軟水の効果がフェイスブックやインスタを中心に美意識の高い女性たちに広まりはじめ、「家族みんなの美容に」と親におねだりする子もいるようです。
なぜ美容家電が流行るのか?
最近、美容家電が流行っている背景として、「ナチュラル志向」があります。表面上のお化粧はもちろん頑張るけれど、それ以上に内側から美しさを追求しています。軟水器でお肌をツヤツヤにしたり、スチーマーで保湿したりと、肌自体を内側からきれいにすることに皆が力を入れています。お化粧がほとんどいらないような、自然な美しさに憧れを抱く人が増えました。
この「ナチュラル志向」は女子にも波及しています。好きな芸能人をとっても、今の女子は自然で飾らない子が好きで、一番人気は小松菜奈ちゃん。透き通るようなきれいなお肌と、まっすぐでつやのある黒髪に憧れるのだそうです。また最近「逃げ恥」で大ヒットした新垣結衣ちゃんも人気。飾らないしメイクも自然だけど、目を奪われる可愛さがあるといい、自然な美しさを身につけるための美容家電は魅力があるのでしょう。
気づかれない程度に盛りたい
この流れはプリクラ事情も同じです。以前のプリクラは、とにかくデカ目や美白がいいとして、盛れることが一番大切でした。しかし今は、ナチュラルに可愛く、ちょっとだけ盛れる"ちょっと盛り"が重視されます。デカ目など明らかに加工はダサいと思われるのです。お肌がきれいになったり、唇とほっぺたが少し赤くなったりと、気づかれない程度に可愛くなれるのが定番です。
プリクラに限らず、自撮りも絶妙な盛れ具合が重視されます。2016年大流行した自撮りアプリ「snow」は、目が大きくなりすぎるため女子は最近はあまり使いません。一度snowの写真をあげてしまうと、それが盛れすぎていて普通の写真をアップできなくなってしまうと話しています。男子が「女子って自分が可愛く写っているsnowしかSNSにアップしないよね」と言っているのも大きな要因とか。「盛れているsnowの写真をアップする=自分を可愛いと思っている」と、男子に解釈されるのが嫌だし恥ずかしいのでしょう。盛れすぎるsnowより、ナチュラルに盛れる「B612」などのアプリの方が安定して使われています。
とはいえ、高校生はやっぱりメイクに興味のあるお年頃。イベント時にプレゼント交換をするときもコスメ系が多く、リップやマスカラなどのコスメをもらえると嬉しいといいます。今年の誕生日に「addiction」のリップをもらって喜んでいた女子は、普段学校ではお化粧が禁止されているので、休日に愛用しています。思いっきりやってみたいメイクに挑戦し、おしゃれをして友人と遊びに出かけます。女子が普段自分で買うのは、1000円程度のプチプラコスメですが、人気が高いのは「canmake」。自然な涙袋ができるコスメが特に人気で、多くの女子が愛用しているそう。普段はおこづかいを気にしつつお化粧を楽しむからこそ、たまにプレゼントで自分では買えないコスメをもらうと嬉しさも倍になるのでしょう。
女子が楽しむ冬のイベント
そして、冬にお化粧をした後に向かう先は、冬のイベントとして欠かせないイルミネーションです。友達とワイワイするならよみうりランド、彼氏とおしゃれにデートをするなら丸の内など、シチュエーションによってイルミネーションの場所も選びます。なかでも大学生に人気なのが千葉県にある東京ドイツ村のイルミネーション。カラフルな光や音楽と連動するイルミネーションなど、何時間いても飽きません。ドライブの最後に立ち寄るにもちょうどいい場所として大人気です。訪れたイルミネーションは必ずインスタにあげて皆と共有します。友達がアップした写真を見て次のイルミネーションの場所を決めることも多く、写真映えするものはSNSから流行ることもあるそうです。
普段は余分なものは求めず素の美しさを追求するけど、特別なイベントでは少し背伸びする。そしてどちらも自分が好きなものは必ず周囲に共有する、といういまどきの学生のライフスタイルがみえました。2017年もどのように進化していくのか楽しみです!
ブームプランニング社長。山口県出身。1986年に企画集団「スキャットクラブ・オブ・ジャパン」を発足、女子高生ビジネスを立ち上げる。88年、株式会社ブームプランニングを設立し、女子高生を中心としたマーケティングやセールスプロモーションを展開。現在、未就学児から小・中・高生、大学生、OL、主婦、シニア層まで全国1万人以上ネットワークを広げ、様々な業種で企業の商品開発にかかわる。活動に関係した女子高生は10万人。著書に『「ウチら」と「オソロ」の世代 東京・女子高生の素顔と行動』など。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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