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[ career-働き方 ]

SNSの心得 今から
過去の投稿「身辺整理」を

SNSの心得 今から<br />過去の投稿「身辺整理」を
撮影協力:大東文化大学

 社会人デビューまであとわずか。準備すべきことは多々あるが、意外と盲点なのが交流サイト(SNS)の整理だ。ツイッターやフェイスブックなどを利用する人は多いが、問題になるような投稿はしていないだろうか。学生なら問題視されない内容も、会社の肩書を背負ったら即アウトということもあり得る。社会人として守るべきSNS利用の心得を今のうちから身に付けよう。

内定先のルールを確認

 アンダーソン・毛利・友常法律事務所の中崎尚弁護士によると「ソーシャルメディア上の炎上の多くは企業が関連する」。内定先企業の信用失墜を招かないためにもSNS利用のリスクを頭に入れておくことが大切だ。

 まずは勤務先となる会社のSNS利用に関するルールを確認しておきたい。大手企業などは就業中のSNS利用の禁止や仕事上で得た機密情報を公開しないことなどを盛り込んだガイドラインを設けている。たとえ完全に仕事を離れて一個人として投稿をする場合も、会社の社会的評価に悪影響を及ぼすような場合は規制の対象になると考えた方がいい。

 入社前でも私生活について投稿する際は注意が必要だ。法律違反と判断されるような書き込みは避けよう。例えば、「捨て猫を拾ってきた」という投稿は一見ほほ笑ましいように思えるが、猫を盗んだと受け止められるリスクもある。酔って路上で寝ることは犯罪ではないが、そうした写真を投稿すれば物議を醸す可能性がある。

 匿名でも過去の書き込みなどから氏名が特定される可能性は十分にある。中崎弁護士は「企業によっては、外部のサービスを使い定期的にSNSを監視しているところもある」と説明する。

匿名で投稿しても、誰が書いているのか特定されることがある

 内定をもらったら、その会社の一員になったつもりで行動したい。「不適切な発言を投稿したアカウントで、内定先に関する書き込みをするのは控えた方が良い」と中崎弁護士。内定者同士の飲み会で羽目を外している写真などを投稿すると、内定先の企業に迷惑がかかるケースもある。社員であれば解雇になることはまれだが、内定者は内定取り消しもあり得る。

過去の投稿は「身辺整理」を

 SNSの"身辺整理"として、まずは現在利用しているSNSの過去の投稿を見直そう。社員研修などを手がけるマネジメントサポートグループ(東京・港)の岩崎重国氏は「不適切な発言や写真はすぐに削除したほうがいい」と助言する。

 就職活動の際に人事担当者に見られないよう対策を取った人もいるかもしれないが、投稿を整理するやり方はいくつかある。例えばフェイスブックの写真はプライバシー設定で自分だけが閲覧できるように変更できる。プロフィルも友達しか見られない設定が可能だ。

 投稿した発言や写真が炎上したり、削除したい発言や写真が非常に多かったりした場合は、退会(アカウント削除)するのも一つの方法だ。ただしアカウントを削除すると過去の投稿や友達リストは全て消去される。

 「レシピサイトやQ&Aサイトに書き込んだコメントなども見られる可能性がある」(岩崎氏)ので、自分が書いた内容は確認しておこう。

 では新たに投稿する場合は何を心がけたらいいか。「投稿をする前に一度、内容を見直すことが肝心だ」(岩崎氏)。過去の炎上例を参考に「自分ごと」に置き換えてみるのがポイント。人を傷つける内容や反社会的な発言でないかを第三者の目で客観的にチェックすることがリスク回避につながる。何より投稿者が自分だと判明してもいい内容か自問しよう。

 ほかに、SNSの利用でうっかりしがちなのがスマートフォンの全地球測位システム(GPS)機能だ。GPS機能が作動していると、写真を撮った場所が他人に分かってしまう。取引先などとの会食の写真を投稿した場合、写真に問題はなくとも撮影場所が公になり迷惑をかけることもある。投稿する際は場合によって公開設定にしないことだ。

 「自分が被害者」になり得るということも忘れてはならない。うっかり不適切な発言をして誰かに書き込まれたり、悪ふざけをしている写真を撮られて勝手に投稿されたりすることもある。知らないうちに自分の情報が拡散するリスクもあることを覚えておこう。
(柴田奈々)[日本経済新聞朝刊2016年12月28日付「大学面」、日経電子版から転載]

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