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[ career-働き方 ]

歌う看護師(2)上京したのは
「知りたい、見たい、感じたい」から

瀬川あやか authored by 瀬川あやか看護師、シンガーソングライター
歌う看護師(2) 上京したのは<br />「知りたい、見たい、感じたい」から

 連載第2回の「歌う看護師」瀬川あやかです。連載スタートからすぐ年を越してしまい、瀬川あやかの実態を掴みきれていない人が大半であるとは思いますが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 さて、前回は「午前は病院、午後はシンガーソングライターという生活」を紹介しつつ、私が一体何者であるのかをお話させていただきました。これからはそこを土台に、瀬川あやかがどのようにして「歌う看護師」になっていったのかを詳しく、今回は「なぜ東京の大学へ進学したのか」をお話していきたいと思います。

 と、その前に。実は最近大胆なビジュアルチェンジをした私。写真を見て「この人は誰だ」と読者のみなさまが混乱してはいけないので、先にお話します。1月13日の新年初ワンマンライブで情報解禁となりましたが、ずっと伸ばしていた髪を17センチも切りました。トレードマークのツインテールではないショートヘアで臨む初めてのライブ。その想いはレベルアップです。

ビジュアルチェンジでレベルアップ

 今までの瀬川あやかのポップさ・ポジティブさを強い味方につけながらも、クールさ・アクティブさをプラスし、アーティストとしてのさらなる成長を目標にこの度ビジュアルチェンジをさせていただきました。

都会に対する好奇心や憧れが強かった

 話を「なぜ東京の大学に進学したのか」について戻します。実は大学選び、大学入学の時点でシンガーソングライターの道に進もうとはまったく考えていなかった私。歌手になりたいという夢を内に秘めているうちに、完全に看護師に標準があっていった感じでした。そのため、大学選びは「学びの多様性」と「看護師国家試験の合格率」と「学費」に焦点を置いていたので、受験する大学を決めるまであまり時間はかかりませんでした。

 ここで言う「学びの多様性」とは、実は看護だけに特化したことではありません。前回お話した通り、私は田舎育ちであることにコンプレックスを持っていましたから「もっといろんなことを知りたい、見たい、感じたい」と都会に対する好奇心や憧れが強くありました。これは正直、東京の大学を選んだ理由の大半を占めます。日本の中心である東京には最先端の医療が集まるはずと思ったことは確かですが、格好つける気はありません。私ももともとは都会に憧れたただの田舎者だったのです。

 こんなふうに大学時代を振り返ると「東京に行きたい」と初めて母に相談したときのことが思い出されます。「私の夢は子供たちを大学に行かせること」そう言われました。経済的にギリギリだった分、愛情をたっぷりと注いで育ててくれた母。滑り止めに手をつける余裕はありませんでしたので、第一志望の大学一本で勝負することとなりましたが、母はどんなときでも私のことを信じ支えてくれました。そんな母の優しさがなければ今の私はなかったのだと思います。

 だからと言って、私も母の優しさにただ甘えていたわけではありません。「看護師国家試験の合格率」の高い大学に行くためにはそれなりの学力が必要でした。あとはなるべく安い「学費」で学べることが条件だったので、高校の先生に反対されながらも自分の可能性を信じてとにかく勉強しました。

髪を17センチ切りました

「やると決めたからには最後まで成し遂げる」

 私がかなりの負けず嫌いな性格であることは認めますが、ここで「私とても頑張ったのよ」と自慢したいわけではありません。「大学選びのコツ」というような大袈裟なお話はできませんが、私が大学を選ぶとき、または大学を選んだあとに大切にしていた事についてを最後にお話ししたいと思います。

 なぜ大学に行くのか、なぜそこの大学に行きたいのか、そのことをきちんと言葉にできる人はどれくらいいるでしょうか。私には幸い、小さい頃から「看護師になりたい」という夢があり、そして精神的にも経済的にも支えてくれる周りの環境があったため、その問いに対する答えはわりとはっきりとしていました。しかし、「シンガーソングライターになる」と決意したのは大学に入学した後のことです。ましてや「歌う看護師になる」と決めたのは就職活動を始めるタイミングでした。

ツインテールからショートヘアに

 「感情は流動的なもの」だと私は思います。何かを決める時はとことん迷い、その時の自分が一番納得のできる答えを見出しますが、もしかすると、何かを決断したあとに受けた新しい刺激によって気持ちが変わってしまうかもしれません。私はそれでいいと思っているのです。もちろん根拠は必要ですよ。その決断に至った理由や経緯は不可欠です。私が「歌う看護師」という道を選んだ理由は、母とした「やると決めたからには最後まで成し遂げる」という約束もありますが、自分が看護師をする上でも、シンガーソングライターをする上でも、双方が双方に必要な存在であることが大きく影響していますから、大学はちゃんと卒業して看護師国家資格も取得しようと思っていました。

 次回は前述した「双方が双方に必要な存在であること」について、なぜそう思ったのかをお話したいと思います。私の一経験談がどんな人のお役に立つことができるかはわかりませんが、何かを決断する時は自分の気持ちが一番大切であること、それには根拠が必要であること、心が動くその瞬間にも周りへの感謝を忘れてはいけないこと、そんなような話が伝わっていれば嬉しいなと思います。