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[ skill up-自己成長 ]

自分らしく多様性社会を生きる(1)夢は「周りの目」ではなく
「自分の心」にある

岩澤直美 authored by 岩澤直美Culmony代表、早稲田大学3年
自分らしく多様性社会を生きる(1) 夢は「周りの目」ではなく<br />「自分の心」にある

 こんにちは。岩澤直美です。子どもの多文化理解教育を行う「Culmony(カルモニー)」の代表として昨年、連載「「違い」を愛せる社会に」を書かせていただきました。今回は、私がどのように「自分のやりたいこと」と「自分らしく生きること」に気づき、意識をしているか、というお話です。

 自分らしく生きるということは、自分のことを理解し、ありのままを受け止め、それを表現して生きるということだと思います。私はずっと自分に自信が持てなくて悩んでいました。昔から「周りにどう見られているか」が気になって仕方なくて、自分のことを知るよりも優先して周りの目を知ろうとすることばかりでした。

 ですが、そんな中でも、自分が何を目指し、何がしたいか、をよく理解するためには自分と向き合うほかありませんでした。自分自身の夢やビジョン、理想の生き方をはっきりと理解することができたのは、「周りの目」より「自分の心」と向き合うようになれたからです。そして、それが理解できたおかげで、自分に少しは自信が持て、自分のことを好きになることもできました。私が自分の意識を変えるのに行った3つのことを紹介します。

「自分に自信がなかった」という岩澤さん

ありのままの自分を受け入れてあげる

 自信がないことが悩みの一つであった私は、自信を持って等身大で生きいきとしている人が羨ましくて仕方ありませんでした。自分もそうでありたいと思い、ある日から意識して「自分を褒める作戦」を始めました。それまでは、もっと上を目指さなきゃとか、まだまだだという感覚が圧倒的に強かったのですが、それを1回忘れて「いいじゃん! 順調!」「そのままでも素敵だよ」と自分に言い聞かせるようにしたんです。そうすると、周りの人からいざそう言ってもらえる時に、それまでは「そんなことないのに」と否定していたのですが、今度は素直に受け止められるようになったんです。それが、私が「ありのままの自分を受け入れる」始めのステップだったように思います。

 もちろん、人間だから誰しも苦手なものや失敗はあります。でも、いざそれが自分のこととなると、楽観的には思えなくなるものです。そんな中でも、少し肩の力を抜いてみると、「私はこんなところが苦手でだらしないけど、それもまぁ私らしさだし、いっか」と少しずつ思えるようになりました。もちろん改善できるように努めますが、全てを完璧にする必要はないと思えるだけでも一歩前進だったように思います。

 そして、この苦手なことや弱さを全て含めて、ありのままの自分をさらけ出すようにしてみました。まずは、近い人から。友人や一緒に活動をしている仲間から。こんな私を見ると、引いて去っていくんじゃないかという心配もありましたが、ありがたいことに、そんなことはありませんでした。むしろ、おかげで距離もさらに縮まり、よりお互いを理解した関係がつくれるようになりました。この「受け入れてもらえる」という体験も、自信につながりました。

岩澤さんが描いた絵

趣味と表現の時間をつくる

 恥ずかしながら、趣味は特になかったんです。長年競泳をやっていたので、時々泳ぎに行くのは好きでしたが、それもいつの間にか「忙しい」を理由に行かなくなってしまいました。でも、今、改めて趣味と自己表現の時間が貴重だな、と痛感しています。

 基本的に仕事をしている時は座って集中しているのですが、同じ椅子から動かないでパソコンやノートと向き合っても、なかなか新しいアイデアや感情に気づくことが難しくなってきたんです。もちろん、頭で考えてなんとか出てくるものはありますが、しっくりこないものも多くあります。そこで、「自分のやりたいこと」を含めて、自分をよく理解して、それに基づくアイデアや思想に気づける方法はないかと思い、いくつかのことを始めました。

 まずは、絵を描くことでした。ただ色鉛筆で白紙に好きな絵を描くだけですが、不思議なことに一度始めると3時間は平気で没頭してしまいます。この間、自分自身のこと以外、頭にありません。感性にまかせて表現をすることは、リラックスできるだけではなくて、自分が何を欲してるか、何をしたいのかが感性や感覚で引き出すきっかけを作ってくれました。実際に、絵を描いてる最中に新しい事業のアイデアや、事業展開のこと、あらゆるプランが次々と浮かんできます。

 ヨガやランニング、絵手紙も時間をとってやるようになりました。昔は、趣味の時間なんて無駄だと思っていましたが、この時間が自分をひらいてくれたり、逆に時間の効率を良くしてくれたりするので、とても不思議だなと感じます。どれも別に上手でも得意でもありませんが、上手にできるようになるのが目的ではないので、「それでもいいじゃん」と気楽に思えるようにもなりました。

岩澤さんは「趣味の時間」を作ることを勧めています

夢を人に話す

 最後に、自分のことを発信することです。上の2つは、自己承認、そして自己理解。次のステップが、私の場合は、自己発信でした。つまり、受け入れ理解した自分自身のことや、自分の持っている夢を人に話すことです。

 もちろん、今抱いている夢や生き方がしっくりくるかどうか、それが、本当に自分が生涯目指したいものなのかどうか確信を持つことは難しいですが、これを人に話すことで自己理解も深まっていくように思います。会話は言葉のキャッチボールだと言われるように、夢を話すと、それに対して質問を投げてもらえます。それらは、人に話す以前に考えもしなかった視点だったり、重要なポイントだったりして、また自分と向き合う時間を与えてくれるものです。言語化しながら、気がつくことができる自分の思いもあります。

 自由な夢や生き方が理想であり、それらを自分で手段を決めて実現することが幸せだと思いますが、その答えを持っているのは自分以外だれでもありません。自分を一番よく理解できる人、つまり自分自身が、自分と向き合い、理解をしてあげることがまず初めのステップです。これは意外と難しくて、前回の記事で書いたように「手段」が「目的」になってしまっている人がとても多いです。せっかくの自分の人生、自分らしく生きれるように、周りの価値観や「当たり前」の概念に流されない軸を持てる人が増えることを願っています。そして、私もそうあり続けられるような生き方を意識していきたいと思います。