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ジュリアード@NYからの手紙(4)ボスキャリレポート(上)
日本人学生が集まる「ボスキャリ」の真実

廣津留すみれ authored by 廣津留すみれ米ジュリアード音楽院1年生
ジュリアード@NYからの手紙(4) ボスキャリレポート(上)日本人学生が集まる「ボスキャリ」の真実

 「最高の内定を誰よりもいち早く、効率的に手に入れたい!」――。そんな想いの大学生が大挙して日本からアメリカ・ボストンに集結する11月。2016年は11月18日(金)から11月20日(日)の週末を利用した3日間、ボストンのHynes Convention Centerにてアメリカ最大の日米バイリンガル就活フェア、「ボストンキャリアフォーラム」(ボスキャリ)が開かれました。みなさん、ご存知でしたか。今や日本企業への就活は海外で行うのが有利かもしれません。

 今年初参加の私は、学生としてではなく、ご縁があって株式会社チームラボのリクルーターとしてブースに立ちました。わざわざ国際航空運賃を払ってまで日本から参加する大学生、交換留学や正規留学でアメリカ各地で学ぶ大学生が集うこの巨大就活イベントを内側から徹底レポート、そこで学んだ就活のコツを伝授します!

ボスキャリって何?

 ボストンキャリアフォーラム、通称ボスキャリには、バイリンガル学生の獲得を求めて日本から多くの企業がブースの出展をします。三菱、日立、ファーストリテイリング、博報堂などの日系企業や外務省などの官公庁から、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス、ボストン・コンサルティング・グループなどの外資系まで、30周年を迎えた2016年度は実に前年(195社)よりも多い211社が出展しました。

 今年の会場はHynes Convention Centerで、企業ブースではいわゆる会社説明会の開催や個別質問の受け付けを行い、面接の過程に進む応募者は別階にあるインタビュールームに足を運ぶというシステムでした。

 参加者層は、夏のインターン先を探す大学1年生、新卒採用を狙う大学3、4年生、そして転職先を探している社会人まで幅広く、関心の高さが伺い知れます。もちろん海外に短期留学中の学生やフルタイムのアメリカ大学の学部生が多いですが、ボストンという海外での就活フェアであるとはいえ、日本からこのためにわざわざ渡航して参加する学生も多いのが特徴です。私もハーバード大学在学中は、大学と会場が近いため、ボスキャリに参加するために渡米してくる日本の友人を毎年寮の部屋に泊めていました。

オープンと同時に会場になだれ込む学生たち

内定までのプロセス

 選考プロセスは企業によって異なるため一概には言えませんが、まずはボスキャリの特徴ともいえる「ウォークイン」をご紹介します。

 ウォークインとは、当日興味のある企業ブースを覗いて履歴書を提出し、応募することです。履歴書だけ出せば良いので、ある意味その企業のことを知らなくても、当日目にして興味を持てば応募できる、ということになります。自分の履歴書を大量に準備し、ブースに配り歩いている人も見かけました。その場合は企業側で書類選考し、通過するとその日か翌日に面接、3日のうちに内定がでることもありますし、日本帰国後にさらにステップを踏む場合もあります。

<ボスキャリ3日間のプロセス>
1.ブースでの説明会・セミナーへの参加
2.履歴書の提出
3.書類選考
4.面接
5.合否通知

株式会社チームラボのリクルーターとして参加しました

 次に、事前応募のプロセスを紹介します。ほとんどの企業には事前応募フォームがあり、ボストンに来る前に先に書類選考をしてもらい、事前選考に通った人は1日目から面接をして、さらに候補に残ると担当者とのディナーに招待してもらい、最終決定が下されるというパターンです。外資系の金融やコンサル業界はウォークインを受け付けず、事前応募からのみの場合も珍しくありません。ボスキャリが始まる前日夜からディナーで候補者との直接の会話の機会を設け、1日目午前に内定を出す企業もあります。

<ボスキャリ1カ月前頃から期間中までのプロセス>
1.ボスキャリサイト上から事前応募
2.書類選考
3.企業によっては)事前Skype・電話面接
4.会場で面接またはディナー
5.合否通知

文系、理系用のネームタグ(ボスキャリ会場にて)

 内定やインターンを確実にゲットしたい企業がピンポイントで決まっている学生にとっては明らかに後者の方が有利ですが、前者の良いところは、会場でたまたま目に留まったベンチャー企業などのお話をその場で聞くことができ、スムーズに応募できることです。自分が興味ないと思っていた分野だったが企業説明を聞くと性に合いそうだったのでその場で応募した、という話も聞きます。

参加者データ

 ここで今回の参加者の統計データ(ボストンキャリアフォーラム調べ)を見てみましょう。1日に5000人弱訪れた学生の中で、理系の割合は約20%、文系の割合は約80%と綺麗に分かれています。採用側がわかりやすいように、参加者は入場の際に文系・理系で異なるカラーのネームタグをつけるようになっています。

 学位別に見ると、学部生が80%、修士・MBAがそれぞれ7%弱と、圧倒的に学部生の新卒採用を狙った就活の場となっていました。また学生の専攻上位3つは、12%が国際関係(International Relations)、10%が経済、7%がビジネスと分かれていました。

 次回は、内定を得ることができた人たちの話から見えてきた就活のコツを紹介します。

「ボスキャリレポート(下) 企業側から見て分かった就活攻略のヒント」はこちら