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Eテレ「ねほりんぱほりん」
人形たちの赤裸々トーク

Eテレ「ねほりんぱほりん」 <br />人形たちの赤裸々トーク

 NHKEテレの「ねほりんぱほりん」(毎週水曜午後11時~)が注目を集めている。人形劇の形を取りながら、毎回テーマに沿ったゲストを迎え、赤裸々なトークを繰り広げる異色の番組。2回の特番を経て、2016年10月からレギュラー放送を開始。ツイッターでは番組名を含むツイート数が2カ月で8万件を記録した。

 ネットを騒がせているのが、そのテーマだ。「偽装キラキラ女子」「元薬物中毒者」「ハイスペ(ハイスペック)婚の女」――。きわどさ、過激さは民放の深夜バラエティー並み。大古滋久チーフプロデューサーは「人間を深く掘り下げる。それをそのまま伝え、知ってもらうことも教育的な番組を放送してきたEテレの本質」と語る。

 人形劇という手法が、内容の過激さを和らげるとともに、ゲストをリラックスさせ、本音を聞き出す効果をあげている。進行役は2匹のモグラ、ゲストはブタの人形の声で登場する。ブタは衣装もゲストが着ている服と同じだ。訳あって話者の顔が出せない場合、テレビではモザイクや音声を変えるのが一般的。しかし「みんな一緒に見えてしまうので、出演者の感情や雰囲気が伝わりにくい」(大古プロデューサー)。人形を使うことで、その壁を越えた。

トークは先に収録。その日のゲストの服装に合わせ、人形の服をわざわざ作る。人形を操るスタッフも収録を見て、ゲストの動作に似せた自然な動きを人形につけている。

 1体につき2人ほどで動かす人形の身ぶりは、まるで人間が出演しているかのように自然でリアルだ。衝撃的な告白を聞いたときにはモグラが目を白黒させ、かぶっているヘルメットが飛ぶ。生々しい話とかわいらしい人形のギャップも話題を呼んでいる。

 綿密な取材が番組を支える。あらゆるつてを頼り、出演者を探す。さらに証言に嘘がないか、ディレクター2人が聞き取りを行い判断する。同じような境遇の人に複数取材したVTRも挿入し、ドキュメンタリーを作るのと同じくらいの手間暇をかける。

 もともと「テレビ離れが進む中、ネット(重視)の人にどうしたら見てもらえるかを考えた」(大古プロデューサー)というだけに、SNSを使ったPRにも力を入れる。公式ツイッターに後日談を載せたり、放送内容をブログでまとめたりと、ネット上で拡散しやすい工夫を凝らしている。人形劇というNHKならではの武器で、新たな視聴者の獲得に挑んでいる。(赤)[日本経済新聞夕刊2016年12月28日付、日経電子版から転載]

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