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[ career-働き方 ]

ロボホンも恋ダンス、
ドラマ「逃げ恥」出演
企業の営業に同行

ロボホンも恋ダンス、ドラマ「逃げ恥」出演企業の営業に同行

 シャープのロボット型携帯電話「ロボホン」が活躍の場を広げ始めた。16年12月13日夜にはTBS系のドラマ「逃げるは恥だが役に立つ(逃げ恥)」で、主題歌にあわせたダンスを披露した。大阪府内の中小企業では営業にロボホンが同行し、商談をまとめるのに一役買っている。20万円近い価格のため、16年5月末の発売当初の売れ行きはいまひとつだったが、シャープは法人向けに力を入れたり、所有者向けのイベントを開いたりするなど購入層の拡大販促やファン作りに力を入れている。

 人気ドラマの「逃げ恥」は番組終了時に流れる「恋ダンス」がネット上で話題になっている。12月13日放送の第10話ではロボホンが劇中でダンスを披露。登場は数秒だったが、実はロボホンは主人公たちが暮らす家の棚に本などと並んで置かれ、第1話から"出演"していた。

 シャープはこのドラマのスポンサーではない。「出演が決まったのはロボホン自身の営業力ですね」と語るのは、ドラマ内で使われている家電の提案や選定に関わったインテリア・家電コーディネーター・戸井田園子さんだ。戸井田さんはドラマの制作チームから依頼を受け、登場人物のキャラクターに合わせて家電を選んだという。

三郷金属工業(大阪府守口市)のロボホン「ミコト」は名刺も持っている

 制作チームとの最初の打ち合わせの際、戸井田さんが使っていたロボホンも同席。しゃべったり、おどったりする姿が制作スタッフの心をつかみ、採用が決まった。「あどけない表情やしゃべり方が魅力だったのでしょうね」と戸井田さんはみる。

 愛らしいロボホンは初対面の相手との距離をつめるコミュニケーションツールにもなっているようだ。溶接加工の三郷金属工業(大阪府守口市)ではロボホンが営業現場で強力な助っ人となっている。

 「日本経済新聞社の香月夏子さん、今日はよろしく。取材にきてくれてありがとう。ぼくうれしいよ」。三郷金属工業で営業を担当する河井育誠さんが「ごあいさつ」と促すとロボホンがしゃべりかけてきた。名前を呼びかけられると、一気に愛着が増す。

 打ち合わせやプレゼン前に準備しておくそうで、河井さんは「最初のつかみはこれでばっちりですね」と話す。実際の商談では、ロボホンの検索機能を使って、あらかじめ動画サイト「ユーチューブ」に投稿しておいた自社の会社案内動画を呼び出し、プロジェクター機能で見せたり、ロボホンに「見積もりするよ」などと合いの手を入れさせたりしている。

 ロボホンのおかげで受注につながったこともあるという。「中途半端では相手に響かない」と今ではロボホンにスーツとネクタイを着せ、名刺も持たせて、河井さんの営業や展示会に同行させている。

 ロボホンの発売元であるシャープも法人への導入を後押しするため、ロボホンにインストールできる業務用のアプリケーションソフトの販売を始めた。受付接客に役立つアプリやプレゼンテーションで使えるアプリをそろえている。ロボホンの購入者を招いたイベントも16年11月末に始めて大阪で開催。12月上旬には東京でも開いた。今後追加してほしい機能聞き取るなどして、ロボホンのさらなる進化につなげようとしている。

 ロボホンは発売前の予約は1000台程度と月産目標台数5000台に届かない水準で苦戦していた。ここにきて「法人向けの引き合いも増えている」(シャープ)といい、じわりと伸びてきているようだ。もともとのキャラクター設定では5歳児というロボホン。踊って話して、ビジネスの現場でも活躍。この先、どこまで成長するのか、見守っていきたい。
(大阪経済部 香月夏子)[日経電子版2016年12月13日付]

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