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気候変動の今 2017(1)チリで可愛がっていた子牛が
心配でたまらないわけ

authored by Climate Youth Japan
気候変動の今 2017(1) チリで可愛がっていた子牛が心配でたまらないわけ

 去年「旅の素晴らしさが私を環境問題に誘ってくれた」の記事を留学先のチリから書かせていただいた Climate Youth Japan (CYJ) の黒田琴絵です。もう帰国してから半年が経とうとしていますが、今、私はチリで可愛がっていた子牛がすごく心配です!

可愛がっていた子牛とは?

授業中は写真撮影禁止だったのですが、このフリー画像に近い子牛を育てていました

 チリカトリック大学農学部の「動物マネージメント」というクラスでは、鳥・豚・牛・馬・やぎなど、私たちの食生活に欠かせない動物の飼育方法や市場について講義を受けたり、農場見学に行ったり、料理コンペで競ったりしました。その中でも印象に残ったのは子牛の飼育です。

 私たちは月に一度、サンチアゴ郊外のピルケ町にある大学の牧場に通い、体重を測ったり、ミルクをあげたりして、子牛の成長を見守っていました。今頃はもう子牛なんて言っていられないくらいにまで大きくなったのだろうな。。。

友達に借りたブカブカのつなぎで牧場へ

心配な理由―山火事!

 南半球のチリは現在真夏。向こうの初夏から山火事がたびたび発生していることは何度か聞いていましたが、「ピルケ」の文字と煙と炎の写真が1月21日にフェイスブックで流れて来たときには急に母性が目覚めたのか、育てていた子牛のことが心配でたまらなくなりました。

チリは山火事でピンチ!

 山火事はピルケ以外にも、チリ中部のいたるところで発生しており、1月28日の時点(日本時間)で387,374ヘクタール以上(東京都よりも広い面積)の植生が燃えました。元々乾燥した温暖な気候であるところに気候変動が影響したことも、今回大規模な災害になった要因の一つです(1)

国境を越えた協力と持続可能なオリパラに抱く思い

 今回の山火事はチリの手に負えなくなり、隣国・ヨーロッパ・北米の国々の力を借りながら消火活動が続いています。すでに燃えている炎の消火にも、山火事の要因となる気候変動の対策にも、国を超えた助け合いは重要ですね(2)

トレッキングで訪れたTorres del Paine国立公園(パタゴニア)のLago Grey(西)側は、2011年に山火事に見舞われたために、惨めな風景
Torres del Paine国立公園(パタゴニア)のTorres(東)側の紅葉。真ん中の雲の向こうに見えるのが名所のTorres(タワー)


 ところで、2020年は東京でオリンピック・パラリンピックが開催されますが、オリンピックの目的には世界平和が掲げられ、その柱に環境も入っていることをご存知でしたか。東京大会では地球規模の問題を解決するために必要な世界の連帯感が感じられる場になってほしいです。

1 「Situación nacional de incendios forestales」 http://www.conaf.cl/situacion-nacional-de-incendios-forestales/
2 「Chile recibe ayuda internacional para controlar incendios」 http://www.telesurtv.net/news/Chile-recibe-ayuda-internacional-para-controlar-incendios--20170123-0049.html

2017年2月11日(土)に東京・高田馬場の「エムワイ貸会議室 高田馬場 Room AB」で、「東京オリンピック・パラリンピック、どうなってるの?〜持続可能性を考えてみよう〜」イベントを開催します。詳細はこちら:http://climateyouthjapan.org/?p=1669またはhttps://www.facebook.com/events/1116966335087947/

チリ留学への感謝

動物マネージメントの授業のグループメート達

 ちょっと重い話になってしまいましたが、この記事は留学に行ったからこそ書くことができました。留学に行っていなかったら、山火事のニュースが流れてきても、スルーしていたかもしれませんし、スペイン語がわからなかったら情報源も限られていました。また、チリ人はどこか日本人っぽくて親しみやすく、チリは住みやすくて美しい、安定した先進国でした。皆さんにもチリのよさをもっと知っていただけると幸いです。

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