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注目人インタビュー(1)アフリカで年商400億円を稼ぐ
日本人実業家の仕事とは

authored by Co-media
注目人インタビュー(1) アフリカで年商400億円を稼ぐ日本人実業家の仕事とは

アフリカで年商400億円を稼ぐ日本人実業家・金城拓真さん。アフリカへの中古車輸出販売にはじまり、金城さんはいかにして年商400億円を稼ぐ男になったのか。現在に至るまでの事業の成り立ちと、彼の事業を支えてきた3人の日本人インターン生(角南淳さん、平野淳也さん、松沢隆仁さん)から見た、金城さんの魅力について話を伺っていく。

アフリカで年商400億円を稼ぐ男は、日本では引きこもりだった!?

――まず最初に金城さんの子ども時代について教えてください。

金城 引きこもりがちな子どもでしたね。小学2年生のときに転校した学校が、2クラスしかない田舎の学校で、すでに人間関係ができあがっている環境だったんです。なので、自分がすごく部外者であるような気分で過ごしていました。高校も学区外の高校に進学してしまって、同じ中学校からその学校へ通っている生徒は僕以外にはおらず、その後は韓国の大学に進学しました。ずっとアウェーだったので、引きこもらざるを得なかった(笑)。

金城拓真(きんじょう・たくま)さん 沖縄県生まれ。大学生のときにアフリカ向けのビジネスを始め、留学先で出会った日本人の金谷氏と2007年に起業。同時にアフリカに拠点を移し、現在に至るまでアフリカで活動している。現在はアフリカの9カ国で50社の経営をしており、中国と日本にも1社ずつ会社を持つ

――なぜ韓国の大学に進学したのですか?

金城 日本の国公立大学に合格するほど頭が良くなくて、私立大学に通えるほどお金が家になかったからです。それと、父が沖縄の米軍基地内で電気の配線を整備する仕事をしていたので、外国人がいる環境に慣れていたからですね。

――大学卒業後はどのように過ごしていたんですか?

金城 就活に失敗し、ニートでした。大学の時に起業して稼いだお金を食いつぶしていました。いま一緒に会社をやっている金谷が、同い年だけれど学年がいっこ下だったので、金谷の卒業を待ってから一緒に会社を立ち上げました。

――その会社が現在では年商400億円ということですが、ビジネスチャンスはどのように見つけているのでしょうか。

金城 実は僕が自分で見つけることは少なくて、人から提案されることが多いです。僕のような立ち位置にいると、自分で考えなくてもアイデアが集まってくるので、そのアイデアを加工しています。お金や人脈というより、情報の部分でハブになっているということが大切ですね。

――金城さんがそういった情報のハブになるまでの過程を教えてください。

金城 一番最初に中古車販売をしていたのですが、その時のお客さんとの出会いがきっかけです。彼はタンザニアにあるザンジバルという離れ小島出身で、当時ザンジバルはタンザニアと政府も分かれていたので、別の税制がありました。

 そこで、ザンジバルに一度中古車を入れてナンバープレートを取得してからタンザニアに送ることにしたんです。すると、それは国内輸送になるから税金がかからないんですよ。タンザニア本国に直接車を入れずにザンジバルを経由すれば、税金が30分の1で済む。そうすれば原価が半額くらいまで落ちるので、みんなが100万円で売ってる車をもっと安い80万円で売ったとしてもかなり儲けることができるんです。当時は他にやってる人が誰もいなかったので、ぼろ儲けでした。

 更に幸運だったのが、その方がザンジバルの有力者だったんです。ザンジバルはムスリムの世界で外国から誰かが入り込むことがほぼ不可能な島だったので、その儲かる状態を独占することができたんです。その資金を使って他の事業をどんどん展開できたので、その過程で徐々に情報のハブ化していきました。

アフリカでビジネスを始めるコツ

――アフリカで商売するにあたり、日本と異なる点はどんな部分ですか?

金城 アフリカの人たちって、喋るのが大好きなんです。喋らないと仕事にならなくて、書類と向き合っている時間があったら、とにかく喋って人間関係を構築しないとビジネスが成立しない。ここが、日本と一番違う部分だなと思います。

 お客さんにも、ビジネスパートナーにも、取引先にも全てウェットに関係を構築していかないとアフリカでビジネスをやるのは難しいです。実際にアフリカにおけるビジネスというのは、相手の家に招待されてからがスタートなんです。一緒に夕飯を食べ、奥さんにウガリという伝統料理を作ってもらえたらようやく始まります。

「就活に失敗してニートの時期もあった」と話す金城さん

――日本では人間関係を構築するのが上手くなく、引きこもりがちであったというお話から、「アフリカで人間関係が重要」というのは大きな変化ですよね。

金城 大学の時の友人が、最近僕の会社に入社してくれたんですけれども、彼に言わせると「当時はあんなに引きこもっていたのに、今は毎日パーティーしているのは奇跡」だそうです(笑)。今でもパーティーは得意ではないんですが、やらないと食べていけないから仕方なくやっています。僕って、人に連れ出してもらえなかったら家の外に一歩も出ない。必要がなかったら会社にも行かない。

 なぜそんな僕が毎日のようにパーティーに繰り出しているか。世の中には僕より仕事ができる人間がたくさんいて、僕は仕事の実務以外のところで存在価値を見出さないといけないからです。なので、人間関係の構築であったり、人前に出て顔を晒したり、何か批判があれば受け止めることであったりを頑張っています。

――苦手であるという自覚を持ちつつ、その役割を受け持とうと思ったんですね。

金城 苦手です。例えば共同創業者の金谷は、8ヶ国語話せるような天才で、アンゴラという国では金谷が来る日は国が休日になるくらいの有名人なんです。そんな彼女が僕の下についていてくれて、実務で勝とうとは思わないんですね。だから僕にしかできないことをやろうと思ったわけです。

平野 だから毎日、パーティーに参加して誰かとお酒飲んでないといけないんですよ(笑)。

金城 酔いつぶれても、会社のメンバーと飲んでる限り家まで車で確実に送り届けるので、犯罪に巻き込まれる確率はすごく低いです。そこに関しては、日本のほうがきつかったりします。この間なんて、タクシーを降りてあと家まで200mの路上で寝てました(笑)。

――アフリカで400億円稼いでいる方が日本の路上で寝ているとは思わないですよね(笑)。

金城 実は、よくあることなんです。インターン生もみんな僕のことを金持ちだと思っていないですよ。僕は2006年に大学を卒業して、就活に失敗しているので、「生活できていれば、それでいい」という考え方なんです。学生の頃から続けている仕事の延長線なので、毎日楽しくやって、飲んで騒いでをずっと繰り返していければいいなと思ってますね。

 2003年からアフリカでビジネスをやっていますが、お金を求めてアフリカに来て成功した企業はほとんど見ていないんですよ。そこを目指して成功することは、きっとないんじゃないかな。

事業の成長よりも、インターン生の成長に興味がある

――3名のインターン生から見た金城さんってどんな方ですか?

アフリカで年商400億円を稼ぐ! 日本人実業家・金城拓真氏とインターン生が語る、アフリカでビジネスをする魅力

左から角南さん、平野さん、松沢さん
角南淳(すなみ・じゅん)さん 世界中をバックパッカーとして旅している最中にアフリカに立ち寄り、金城氏に直接連絡しインターン生となる。2015年1月から2016年9月までインターン生として活躍中
平野淳也(ひらの・じゅんや)さん 大学在学中に金城氏の元でインターンを経験。2015年に大学を卒業し、現在は洋服に携わる会社を起業している
松沢隆仁(まつざわ・たかひと)さん 金城氏の元で1カ月間インターンとして、アフリカに進出したい日本企業のためのリサーチ業務を経験する。中古家具屋のリサーチ中にスパイと間違われ、刑務所に留置された

角南 僕らが考えられないような未来を見ることができる人ですね。例えば、僕に何かやりたいことがあったとして、その結果の先を見せてくれるんです。だからアイデアを出した後もワクワクできる。はじめてそういう体験をさせてくれる人に出会いましたし、この人抜きではここまでこの仕事を達成することはできなかったと思っています。

平野 気のいいお兄さんのような存在です(笑)。よく一緒に飲んだり、水タバコ、シーシャに行ったりします。信用したくなる魅力がある人ですね。

松沢 僕はいろんな会社でインターンさせてもらっているんですが、その中でも金城さんは一番尊敬している社長です。日本のベンチャー企業でインターンする中で、多くの社長さんを見てきたのですが、金城さんのような方は他にいませんでした。どんな時でも上からではなく対等に接してくれて、そこが成功している所以なのかなと感じています。

――最後に、金城さんの将来の展望を聞かせてください。

金城 インターンに来てくれていた子たちが独立し、その自慢話が聞けたらいいなと思っています。彼らのことを僕はこれからもサポートしていきたいし、彼らのような人にもっと僕のところにインターン生として来てほしいと思っています。自分が経営している会社の売り上げを伸ばすよりも、今はそういった教育のほうに興味がありますね。

――なるほど。では、読者に対してアドバイスをお願いします。

金城 僕もどちらかと言えば、行動できない側の人間です。行動しなきゃいけない時って、自分が決断して行動することは少ないと思うんです。誰かに後押しされたり、やらざるを得ない状況に置かれたり、そういったきっかけが一番大きいと思っています。

 なので、もしまだ一歩踏み出せていないと思うのだったら、それはまだ「その時」ではないんだと思っています。もし「その時」がくれば、嫌でもその場所に引きずり出されるので。その時のために努力しておけば良いと思います。わざわざ自分でガツガツいく必要はないんじゃないかな。
(Co-media2017年6月11日掲載)

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