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LINEの自撮りアプリ、
ARでかわいく

LINEの自撮りアプリ、ARでかわいく

 LINEのカメラアプリ「B612」のダウンロード数が昨年12月で2億5千万を超えた。スマートフォン(スマホ)での自撮り文化が若い女性を中心に定着。そのニーズに応えて、加工するフィルターを充実させてきた。今後の方向性や成長戦略について、マーケティングチームの葛島智子マネージャーに聞いた。

 ――アプリが生まれたきっかけは何ですか。

 「2013年に欧州でセルフィー(自撮り)が流行し、スマホのインカメラ(内側のカメラ)での自撮りは世界的にはやると考えて開発した。LINEのグローバル戦略に位置づけており、アプリ名にLINEの名称を入れなかった」

 「地域別の利用者は公表していないが、最も利用者が多いのは日本ではない。LINEが普及しているタイやインドネシアだけでなくメキシコ、中国、オーストラリア、ブラジルなどLINEが普及していない地域でも人気がある」

 ――製品の特徴は。

 「撮りやすさに特化した点だ。アプリ起動で自動的にインカメラが立ち上がる、画面のどこを押してもシャッターが切れる使いやすさと、画像加工機能を充実させた」

自撮り写真に動物の加工などができるフィルターが人気(LINE提供)

 「基本的な機能は世界共通だが、各国の好みに合わせてローカライズしている。中国や韓国では顔に強い加工をするのが好まれる。旧正月などイベントに合わせた加工も各国ごとにある」

 ――画像を加工するフィルターが人気です。

 「開発当初はセピアやモノクロなどおしゃれに色を変えるフィルターだったが、16年に顔を自動認識して動物の耳や鼻をつけるフィルターや、メークをするフィルターなどを投入した。今では動物などのフィルターが350種類以上、色を変えるフィルターが100種類ある。クリスマスやバレンタインなど季節のイベントごとのフィルターや、毎日利用状況を把握して入れ替えている」

 ――どのような人がどう使っていますか。

 「世界的に10~20代の女性が、撮影後にLINEで友達に見せたり、ツイッターやインスタグラムで公開したりして楽しんでいる。友達と一緒に撮る作業自体を楽しむコミュニケーションツールとなっていると感じる」

 ――フィルターには拡張現実(AR)技術が使われています。

 「人気なのが画面上のスライドバーを動かすと自動的に目の大きさ、顔の輪郭、肌の色が変わるフィルターだ。日本の流行は、より自然にかわいく見られること。加工が強すぎると敬遠される。バランス良く見える調整には力を入れている」

 ――今後はどのようなことに取り組みますか。

 「自撮りの加工は定番になった。今は風景もAR加工できるよう取り組んでいる。背景に気球を飛ばしたり、花びらを舞わせたりする。SNS上での交流が動画にシフトしつつあり、動画に合わせた機能も追加する」

 ――LINEの中での位置づけや収益化はどう考えていますか。

 「LINEは食べ物に特化したフーディーや、写真を加工するLINEカメラなどがあるが、B612はその中のフラッグシップとして機能を磨く。収益化は今は考えていない。タイアップの話もいただくが、広告っぽさを出すと利用者が離れる恐れもある。今は利用者の層を拡大していき、LINEを使ったコミュニケーションの活性化に貢献していく」
(聞き手は企業報道部 堤正治)[日経産業新聞 2017年1月19日付、日経電子版から転載]

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