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[ skill up-自己成長 ]

自分らしく多様性社会を生きる(4)自分のことをよく知ったら、自分のことをもっと好きになれた

岩澤直美 authored by 岩澤直美Culmony代表、早稲田大学3年
自分らしく多様性社会を生きる(4) 自分のことをよく知ったら、自分のことをもっと好きになれた

 私は自分の個性や強み、性格などを理解することって、実は難しいことだと思っています。なぜなら、今の自分自身と自分の過去に向き合う覚悟が必要だからです。「就職活動中に自己分析をしながら、初めて自分のことをよく知ることができた」と話す人がよくいますが、このようなきっかけがないとなかなか日常で自分を理解する時間を作ることは少ないのかもしれません。

 私はこの自己理解こそが、自分を愛するために必要な要素だと思います。なぜなら、私自身が自己理解を通して、自分のことを好きになれたからです。

まずは、自分の感情の変化に向き合う

 「自分ってこんな時にイライラするんだな」
「こんな時は嬉しくなるんだな」
「こういう状況になったら、すごく不安定になるんだな」
「これだけは譲れないし、なくなったら苦しいんだな」

 このような感情の変化を日常で意識し始めて、時には脳内メモに、時にはスマホのメモに書き込むようになりました。意識するだけで自分の意外な感情の変化や、価値観に気がつくようになりました。

「まずは自分の個性を受け入れること」と話す岩澤さん

 「自分のやり方に口を出されたら、イラッとするんだな」とか、「暇で何もしていない自分がいたり、思い通りに物事が進まないと、すごく焦るんだな」とか、「甘いものたくさん食べたり、ジムに行くのをサボったりと自分に甘くなると、自己嫌悪に走っちゃうんだな」とか、「案外身近な人には嫉妬することもあるんだな」とか(笑)。あとは、「割と感情とか感覚を優先に大事なことを決めちゃうタイプなのかもな」と感じることもあります。

 いろんな状況で感情が変わるのが人間で、自分もそんな揺れがあるから人間らしいんだと思えるようになりました。だから、「イライラしないように、寛容になろう」とか「焦らないように心に余裕を持とう」と意識はする半面、「まあ、でもできなかったらしょうがないよ。それも私らしいし、可愛いんじゃないの?(笑)」と思っちゃいます。そうすることで、いろんな場面での自分を受け入れたり好きになったりすることが増えてきました。「可愛いじゃん」と。他人から見ればそうは受け取らないかもしれないけど、だったらなおさら、自分のこと受け入れてあげていいのかもしれないなと思います。

自分のできることも、できないことも受け入れてあげる

 感情に限らず、自分の苦手なことや弱いところは、自己分析するほどたくさん出てきます。私も仕事や学業において、もしくは人間関係においての自分を客観視してみたら、「説明が下手で、相手に思い通りに伝わらない」「ずぼらで忘れ物が多い」「朝が弱くて、遅刻しがち」「自分が納得するまで行動に移せない」など、次から次へとリストアップされてしまいます。

 そんな弱さをすべて克服しようと必死にもがいていたら、得意なことをもっと伸ばす時間がなくなってしまいました。「どんな弱さも裏を返せば強さになる」と気づかせてくれた友人がいます。その友人が、好きなことや得意なことを必死に頑張って輝いてる姿が素敵で、私も変わろうと思いました。

 とは言っても、遅刻しないように目覚まし時計3つを愛用してますし、忘れ物をしないように自分なりの方法で生活をしていますが、うまくいかなくても自分のことを責めたり嫌いになることはなくなりました。だって、人間完璧じゃないもの(笑)。

受け入れられない自分も実はいる

 このように「完璧じゃないけど、人間らしくて可愛いじゃん」と、自分で自分のことを甘やかしてあげられる心の余裕は、人生を豊かにしてくれたし、自分への愛を深めてくれました。ですが、やっぱり何事も甘やかしてばかりではいられません。それは「自分らしさを失う弱さ」と「後悔するとわかっているのに出てくる弱さ」です。

 私には夢があり、その夢を実現させる生き方が「自分らしさ」にもつながっています。「多様性を受け入れられる社会」に貢献をするという夢です。今まで生きてきた中ではまだありませんが、もしもこの先、お金の誘惑に負けて別の仕事や人生を歩むようになったり、ゴロゴロ何もしないで苦労なく楽に生きることを選んだりしたとしたら、その「自分らしさを失う弱さ」が出たときかもしれません。もちろん、そういった生き方で幸せになるかもしれないし、別の「自分らしさ」を得られるのかもしれませんが、現時点での私は、その弱さをきっと受け入れないと思います。

 「後悔するとわかっているのに出てくる弱さ」も似ているもので、例えば、何かの誘惑に負けて大切な人たちを裏切る行為や、誰かを不幸にする行為です。その瞬間は何かに満たされて幸せになっても、裏切りや人を不幸にしたという刺青が心に残ります。後悔し続けながら生きる人生では、私は幸せになれるとは思いません。だから、こういった弱さだけは自分が受け入れることはありません。

自己理解は、「自分らしさ」の発見だった

 自分のこれまでの生き方も、得意なことも苦手なことも、好きなことも嫌いなことも、強さも弱さも、きっと総合したものが「自分らしさ」なのかなと思います。そんな個性をまずは自分が受け入れてあげることで、自分のことをもっと好きに私はなることができました。

 そのおかげで自分のことを好きになれて良かった思えますし、周りの人のことをもっと好きになれるようになったからです。自分の弱さを受け入れられてるから、人の弱さも受け入れられるし、「その人らしさ」も素敵だなと思える――。そんな受け入れ合う関係が、きっと「多様性に寛容である」ということに繋がるのかなと、そう感じています。