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[ career-働き方 ]

入学はゴールではない
偏差値高い大学進学=良い就職?

authored by 上田晶美
入学はゴールではない偏差値高い大学進学=良い就職?

 大学受験シーズンたけなわだ。寒い時期とあって、雪で交通機関が乱れるなど大変な思いをして大学受験をする高校生、浪人生たち。親子ともども、必死である。

 果たして、そこまでするのは何のためなのだろうか。大学に行く目的は人それぞれだろうが、その一つには、少しでも偏差値の高い大学に入り、良い就職をしたいという思いがあるはずだ。

 就職という出口を期待して、大学受験に励んでいる。ところが、偏差値の高い大学を卒業すれば良い就職ができるという確約はないことも周知の事実だ。

 確かに有利な場合は多い。今でも「学閥」のようなものが存在する会社もある。知り合いが、ある大手企業でいわゆる「OBリクルーター」をしていた。私が指導している学生に会ってもらおうとしたら「その大学のリクルーターは我が社にはいないですね」と断られた。

 まあ、そういうことは今でもある。優秀な学生を早い時期から囲い込むために、OBリクルーターという水面下で学生と接触する社員を選定している企業があるのだ。当然、えりすぐりの高偏差値大学の人になる。そんなOBリクルーターに会えれば就活は有利な展開になる場合が多いが、会えなければ入社できないわけではない。

 一方で、高偏差値大学の学生が皆、自然にOBリクルーターに会えて、いい就職ができるわけでもない。まず活動をしなければOBリクルーターに会うことはないからだ。これは一例にすぎないが、せっかく希望どおりの大学に入っても、就活の準備が遅くて大学名をいかせない人がなんと多いことか。

 就活では受験とは違う能力が問われる。就活の準備を怠ると、せっかく寒いところを親子して頑張った大学受験はなんだったのか、ということにならないだろうか。

 就活には締め切りがある。解禁日ばかりが取り沙汰されるが、実は各社によって違う締め切りがあるということを忘れないでほしい。いくら能力が高くても、準備不足で残念な事になってしまう学生をたくさん見てきた。

 むしろ、大学は第1志望に落ちたリベンジ組の方が就活に気合が入って、希望通りの良い会社に入るという例もある。見事、第1志望の大学に入ったからといって安心してしまわないように。大学名よりも仕事の方が大切だ。

 大学入学はゴールではないことを肝に銘じてほしい。もちろん就職内定もゴールとはいえないのだが。
(ハナマルキャリア総合研究所代表)[日経電子版2017年1月30日付]

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