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[ career-働き方 ]

就活本番、焦らず挑む

就活本番、焦らず挑む

 2018年卒業予定の大学生の就職活動がいよいよ本番を迎えた。就活生は学内セミナーや説明会、エントリーシート(ES)対策などやるべきことが山積だ。今から就活に着手する学生は何から取り組めばいいのか。「出遅れた......」と焦ることなく就活に挑むコツを専門家に聞いた。

ES作成「盛る」必要なし マイナビ編集長 吉本隆男氏

 18年卒の就活は17年卒同様、説明会から選考解禁までが3カ月間の「短期決戦」となる。大手企業にこだわっていると、面接や試験に通らず、気付けば企業の選択肢がないというケースも想定される。幅広い企業を知るために3月初めは合同説明会に参加してほしい。先入観を持たずに様々な企業の話を聞いて、自分に合う業界を探そう。

 短期間の就活では業界研究とES対策などに同時に取り組まないといけない。志望動機を考える時は、(1)自分の強みは何か(2)なぜこの業界を選ぶのか(3)なぜこの会社を選ぶのか――の3段階で落とし込むのがポイント。この過程を繰り返していくと、おのずと就職への価値観がわかってくる。

マイナビ編集長 吉本隆男氏

 多くの学生が悩むESの作成では、志望動機のほかに自己PRや学生時代に力を入れた点を聞く企業が多い。気を付けたいのは表現を「盛る」必要はないということ。よく小さい体験を大きくみせようとして、面接で質問され返答に窮する学生が見受けられる。

 企業は学生が入社して成長してくれるか、コミュニケーションがきちんと取れる人材かを見極めようとしている。華々しい成功体験を聞きたいわけではない。サークル活動やアルバイト、大学での勉強など地道に取り組んできたことを整理してPRに生かせばいい。

 人気企業の説明会は学生が殺到し、なかなか予約できないことがある。興味があるならサイト予約だけであきらめないでほしい。後日キャンセルが出ることもあるので、採用担当に電話で問い合わせてみよう。

 ESや面接対策では大学のキャリアセンターを活用するのもオススメだ。自分では対策ができているつもりでも、相手に伝わる内容になっているかはわからない。「この商品が好きだから」というような志望動機になりがちで、ビジネスの視点が欠けていることもある。キャリアセンターで1回はフィードバックをもらうといい。

OB訪問で企業理解を 採用コンサルタント 谷出正直氏

 最近はウェブサイトで様々な情報を得られるが、それだけでは企業の本当の姿は分からない。必ず説明会に足を運び実際に話を聞こう。学生のうちは知っている企業の幅が狭くなりがちだ。BtoB(企業間取引)を手がける企業などにも視野を広げてほしい。

 合同説明会は様々な企業を知る機会になる。興味を持った企業を最低3社は選んで、個別の企業説明会に参加してみよう。業界研究も大切だが、「この会社で働いている社員は生き生きしている」というような印象から興味を持つのもいい。

採用コンサルタント 谷出正直氏

 就活で大切なのは一次情報にあたること。説明会のほか、OB・OG訪問を積極的にしてほしい。大学の就職課を通じていきなり連絡するのが苦手なら、サークルや部活の先輩に話を聞いたりOB訪問を仲介する交流サイト(SNS)を利用してもいい。1日に2人会うなど目標を立てて活動するのもオススメだ。

 現段階で準備不足を後悔している人は、過去は変えられないが、過去に対する考え方を変えてみよう。例えば3年生の夏休みにインターンシップ(就業体験)をやらなかった学生は、その分バイトや部活を頑張っていたかもしれない。インターンだけが就活に有利なわけではない。

 友人が内々定をもらって焦る人もいるだろう。ただ、内々定を早くもらうことが良い就活ではない。大学入試も推薦や一般など様々な形式があるが、入学すれば全員同じスタート。就職も同様だ。長く働くことを考えたうえで自分に納得のいく活動をしてほしい。

 就活はキリがなく、ここまでやれば必ず成功するというものでもない。入試と違い正解を選ぶという発想は捨てよう。不安を取り除くには、人と話をして自分の価値観を知り、他人と比較しないことが大切だ。

スケジュール、戦略的に

 3月の広報解禁から6月の面接解禁まで、就活生は会社説明会やESの締め切りなどが目白押し。限られた期間を有効に使うには、戦略的にスケジュールを立てる時間管理術が欠かせない。

 スケジュール管理で重要なのは、予定を実行した後に「振り返る」ことだ。ES作成にどれくらい時間がかかったか、説明会やOB・OG訪問では欲しい情報を得られたか、など反省を小まめにしよう。予定以上に時間がかかったり不明点が残ったりした場合は、次回の改善に生かしたい。

 日本能率協会の石川忠央氏は「振り返るのは予定を実行した直後が望ましい」と指摘する。「寝る前に」「週末に」などと先送りすると細部を忘れたり、面倒になったりする。予定を立てる時にあらかじめ、振り返りの時間も確保しておこう。

 週1日、月1日と自分の就活の目的について考える日を予定に組み込んでおくことで、就活の質を高めることができる。
(潟山美穂、桜井豪)[日本経済新聞朝刊2017年2月27日付、「18歳プラス」面から転載]

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