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[ skill up-自己成長 ]

社会人基礎力育成GP28年度決勝(5)松山大学チーム のうみん社Project
~一人一躍に向けて

社会人基礎力育成GP28年度決勝(5) 松山大学チーム のうみん社Project~一人一躍に向けて

一人一躍に向けての組織づくり

 のうみん社Projectは、松山大学が推進する「社会人基礎力育成事業」の1つです。このプロジェクトの名前は、地元企業であるのうみん株式会社とコラボし、松山市で生産されている農産品を使用して商品を開発するという所からきています。ゼミやサークルとして活動しているわけではなく、全学部・全学年から公募によって集まったメンバーで活動をしています。

 「商品開発に興味がある」「大学で様々な活動がしたい」「学部学年を越えた関わりを持ちたい」「自分自身を成長させたい」といったそれぞれの思いを持った意欲ある学生が集まり活動をしている点が大きな特徴です。プロジェクトの組織としては、20人のメンバーを3つの班に分け、1人ひとりにリーダーや広報などの役割を割り当てることで組織内の立ち位置や責任感を与えています。商品開発では1人ひとり新商品案を提案するノルマを課すことで、考える力や自身の考えを伝える力などを学生に身に付けてもらいたいと考えています。

 そのため、私たちのプロジェクトでは、商品開発や商品のPR活動を通じて、すべてのメンバーがそれぞれの役割をもち、それを全うし、活躍し、飛躍的成長ができることを願って、一人一躍できる環境(組織)づくりを心がけました。

目線を考えてレイアウト(土曜夜市)

足と議論で作られる商品アイデア

 のうみん株式会社は、愛媛県の農家が集まって設立された会社であり多彩な柑橘類やアボカドなどの青果、みかんジュースなどの加工品を取り扱っています。こうした会社の特徴を念頭に置きながら、自身から見た考えだけでなく消費者の立場にも立ち、どんな商品が求められているのかを考えながら商品開発に取り組みました。

 その1つとして、実際に百貨店やお土産屋、専門店などに赴いて市場調査を行い各自で新商品のアイデアを掴みました。商品案のブラッシュアップの際には、班内で自身の案や考えを話したり他のメンバーの案へ意見を伝えたりして内容を深めていきます。その後は他の班で発表し、商品案にさらなる磨きをかけ、班内・全体プレゼンを行い、新商品案が決定しました。

 今年度は「カップの中の愛媛」をテーマに柑橘の香りを閉じ込めた柑橘ティーの開発をしています。また商品案の決定後も、どのような味や香りを出したいのかということを考えたレシピ作り、メンバー自身で開発した商品を生産してもらえる企業を探し連絡を取るというところまで行っています。こうしたプロセスは、商品を深めるだけでなく考えを伝える力や、人の意見に耳を傾ける力など多くの成長をもたらしてくれました。

普段の話し合いの様子

新商品である紅茶のレシピを試しています

改善、改善......それでも足りない改善

 プロジェクトのもう1つの活動がイベント出展などのPR活動になります。商品開発と言っても、ただ開発するだけでは売れることも知ってもらうこともできません。そのため、積極的にイベントに参加することで、その機会を増やしています。今年度の主なPR活動は、俳句甲子園(地方大会/全国大会)、土曜夜市(計3回)、松山大学オープンキャンパス、えひめマルシェです。

 イベントへの出展は私たちにとって大きな経験になったと感じています。例えば、俳句甲子園は人通りが少なくお客さんも地元の人、俳句甲子園に参加している高校生や親御さんなどということで時間や場所に余裕を持って商品について説明したり、試飲をしたりして頂くことができました。しかし、土曜夜市は夏祭りということもあり、人の流れが非常に速く商品について説明をすることはできず、商品を売ることだけで精一杯でした。

 このことから、ターゲットや場所・目的に合わせて販売・接客をしなければいけないこと、POPなどの視覚に入る情報にも工夫を凝らさなければいけないことを身に染みて実感し、土曜夜市2回目からは素早い改善に繋げることができました。こうした改善はえひめマルシェなどでも実施されました。しかしそれでも依然と多くの課題が残っています。

現在の問題点としては学生に課題発見力が足りていないことが挙げられ、今後PR活動を通していかに身に着けていくかを考える必要がありそうです。

松山市にある農場へ視察に行きました

 またPR活動はイベントの出展だけに留まらず、授業で習ったWebサイトを作成する技術を応用してプロジェクトの活動や商品を宣伝するためのHPを学生のみで作ることをしました。今後は如何にアクセス数に繋げていくか、より分かりやすく情報を伝えていくかを目標に更なる成長を目指しています。

2017年度に向けて

 昨年度と比べて組織体制、商品化に至るまでの流れ、自分たちの弱点の克服など多くの成長や改善が見られました。こうしたプロジェクトの活動を通じて個人の成長だけでなく、活動を行っていく中で大学での授業をさらに深く理解できるようになったという声も挙がっています。

 それでもなお、課題発見力やイマジネーション不足といった点が見受けられます。今後の方針としては、プロジェクトを通じて日常生活でも、常に問題意識を持ち、新たな発見や問題を探し出し、自ら動き、そして満足することなく次の過程への発展や新たな視点の獲得ができるような行動・思考を身に付けていく必要があります。2017年度では、プロジェクトとして、個人としてもさらなる成長を目指していきたいです。(松本華奈)