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SPI3ボロ落ち症候群に悩む学生たち、解決策は?

ホンネの就活ツッコミ論(3)

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NIKKEI STYLE

「SPI3で落ちてしまう」

多くの企業では選考の途中で適性検査を導入しています。さらに適性検査の中でも主流となっているのがSPI3です。ここで、ある程度得点できないと、足切で次の選考に進めない、そんな企業も少なくありません。

学生も適性検査対策をしているのですが、それでもうまく行かない人が結構います。中にはSPI3でことごとく失敗し、就活に苦戦する学生もいます。私はこうした学生を「SPI3ボロ落ち症候群」と勝手に呼んでいます。では、何が敗因なのでしょうか。

「無対策でいい」はちょっと無責任

SPI3で落ちるパターンは3点あります。

1.キャリアカウンセラー・採用担当者に「SPI3はそこまで対策しなくてもいい」と言われてほぼ未着手

2.性格検査でウソをつこうとする

3.勉強はしているが1冊の参考書で、非言語については前半のみ

1は心なしか、リクルート出身者を中心によくこの話をします。確かにSPI3を運営しているリクルートキャリアは、SPI3の特設サイト「QA集」で「『SPI対策本』で勉強すると、能力得点が高くなりますか?」にこう回答しています。

「受検者が「対策本」を利用して事前学習を行った場合も、能力検査の得点には影響がないことを実験により確認しています」。その実験手法は省略しますが、リクルートキャリアの言い分によれば、「差がない」とのこと。

SPI3を運営するリクルートキャリアがこう主張しているのですから、事前対策無意味説は、一見すると正論のように見えます。ところが、問題はこのリクルートキャリアによる実験の実施時期。

QA集には小さく、レポート名と掲載雑誌名が掲載されています。この掲載雑誌がいつ刊行か、明記されていません。では、いつか? 調査したところ1995年。今から20年以上も前のことです。

当時はSPI3ではなく、SPI。問題は今よりも容易だったことはキャリア関係者なら広く知っているところです。付言しますと、SPI3の運用開始は2013年からです。SPI3が運用されるより前の、しかも、大昔のレポートをもって「対策は無意味」とするリクルートキャリアも問題です。そのリクルートキャリアのレポートを鵜呑みにして学生に対策しなくてもいい、としてしまうキャリアカウンセラー・採用担当者もいささか問題あるのではないでしょうか。

性格検査は無対策でもいい

「対策しなくてもいい」とするキャリアカウンセラー・採用担当者がまるっきり見当違いでないのは、SPI3の中の性格検査についてです。これは下手に対策するべきではありません。

これを変に意識しすぎて、自分の性格を偽る、これが落ちるパターンその2です。SPI3に限らず、今の性格検査は非常によくできています。学生がウソをつけば、ほぼ確実にそのウソを見破ります。

ある就活情報サイトでは、内定学生の体験談として、「自分を盛って見せるべき」「明るい性格の方が通りやすい」などと書いてありました。あの、下手にウソをつこうとしたら、ばれて、むしろ落ちやすくなります。絶対にやめましょう。性格検査は問題の形式に慣れる程度で十分。変にウソをつこうとするよりも正直に答えることを強くお勧めします。

ボロ落ち症候群の中でも深刻な「勉強したつもり病」

ただ、その1・その2とも、勉強をする、あるいは性格検査には正直に答えるようにすれば、いくらでも結果は変わります。問題は、その3「勉強はしている」。勉強しているのに、落ちてしまう。

なお、この変化球パターンとしては、「SPI3は大学受験と同じか、似たようなもの」との発想から、問題集・参考書を何冊もかき集めて勉強する、という学生もいます。ところが、それでも落ちてしまいます。私はSPIボロ落ち症候群の中でも、特に「勉強したつもり病」と命名しています。本人は一生懸命、勉強しているつもりなのに、実際は空回り。一体どうしてでしょうか。その理由は学生の数学嫌い、そして、出版業界の暗黒面が影響していました。

数学嫌い、だから非言語で得点できず

SPI3の能力検査は言語分野と非言語分野に分かれます。要するに、国語と数学ですね。このうち、国語は大半の学生が得点できます。得点できなくても、ちょっと勉強すれば得点できるようになります。そのため、本稿でも言語分野については省略。問題は非言語分野、数学です。

国立大生や理工系学部生なら、そう長々と対策しなくても、そこそこ得点できます。問題は文系学部、特に私立大。私も東洋大学社会学部、という私立大文系学部出身なのでよくわかりますが、私立大文系学部の学生は大半が数学嫌い。だから、センター試験で数学のある国公立大を回避して私立大進学を選択した学生が多数です。

さて、数学嫌いの学生からすれば、大学に入って数学と縁が切れたと思いきや、まさかまさかの就活で、ご縁が復活。とは言え、数学嫌いで大学3年間、大して数学を勉強したわけでもないのに、解けるわけがありません。不承不承、参考書を開きますが、非言語分野については、半分程度やったところで力尽きてしまいます。これが「勉強したつもり病」の正体の半分です。

出版業界の暗黒面も

では、残り半分は何か。これは、出版業界の暗黒面が影響しています。実はSPI対策本の多くは1990年代後半から2000年代前半に刊行されています。しかも、刊行後は、その内容がきちんとアップデートされないまま、毎年、別の年度版として刊行されているのです。実際は、SPIからSPI2、SPI3とバージョンアップされ、問題自体が難化。さらに同じSPI3でも、細かい変更は進んでいます。

たとえば、「選択肢1~5の中から正解を1つ選べ」という形式が以前はありました。これだと、どれか特定の選択肢のみ回答しても20%正解となります。選択肢が10通りに増えても、正答率は半減の10%となります。

ところが、ある年から、「選択肢10の中から、当てはまるものをすべて選べ」という形式に変更となりました。こうなると、適当に回答とはいきません。正解は1つかもしれないし、2つかもしれません、10通りすべて正解かもしれません。0個、という回答を除けば1714通りもあります。正答率は0.06%。適当に回答しても正答する確率は限りなくゼロに近いでしょう。

こういう変化を大半のSPI対策本は反映させていません。私がなぜ、そう言い切れるか、と言えば、国立国会図書館に行き、主要なSPI対策本の各年度版を比較。どの程度、変化したか、していないか調査しているからです。

洋泉社『これが本当のSPI3だ!』が一番

では、SPIボロ落ち症候群の学生はどうすればいいでしょうか。参考書としては、洋泉社の『これが本当のSPI3だ!2018年度版』(SPIノートの会・津田秀樹・編著)をお勧めします。

この本が一番、SPI3の現状に即した内容となっています。前年度と変わらない部分もありますが、各年度に応じた改訂は一番誠実、と言えるでしょう。他の参考書と異なり、非言語分野については、推論・集合など現在、出題されるものから並んでいるところも秀逸です。

もし、どうしても、参考書の買い直しが難しい、という場合は、どうでしょうか。その場合は非言語分野のうち、後半に掲載されているであろう、推論や集合など数学のパズル的に難しい問題を集中して解いてください。前半の鶴亀算など簡単な問題はできて当たり前。今のSPI3では、ほぼ出題されません。話を戻すと、集合・推論など面倒な問題を解くだけでもSPIボロ落ち症候群はかなり改善されるに違いありません。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

キレイゴトぬきの就活論 (新潮新書)

著者 : 石渡 嶺司
出版 : 新潮社
価格 : 821円 (税込み)

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