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国士舘大――脱・硬派、女子はつらつ、
五輪など活躍、変化期待

国士舘大――脱・硬派、女子はつらつ、五輪など活躍、変化期待
撮影:国士舘大学

 18歳人口が減少に転じる「2018年問題」を目前に控え、各大学がブランドづくりに力を入れている。優秀な志願者や研究者の確保に加えて、企業との共同研究の機会の増加なども狙う。従来の延長線上にない広報戦略や特徴のある教育研究を前面に打ち出して、認知度や評価を高めようと奮闘する大学の取り組みを追う。

 国士舘大は伝統的に警察官、消防官、自衛官を目指す学生が多く、大学通信によると14年度の就職者数はそれぞれ全国2位、1位、5位となった。大学も専門学校と提携して警察官、消防官の採用対策講座を年間約70回開くなど、学生の志望を後押しする。

 武道の強豪でもあり質実剛健のイメージが強いが、佐藤圭一学長は「良いところは残しつつ、変えるべきところは変えていく」と話す。注力するのが女子学生の獲得だ。「男性ばかりで堅いというイメージを打ち破るには女子学生の活躍が欠かせない」

広報に学生参加

 「女子カフェ」。東京・世田谷の校舎で昨夏開いたオープンキャンパスのイベントに女子高校生が集合した。スイーツやジュースを口に運びながら、希望学部に在籍する女子学生に勉強や部活、進路などを思い思いに相談。5時間のイベントは終始にぎやかだった。

 高校生からは「国士舘は男の人が多いんですよね」といった質問がよく出るという。女子学生が本音で答えるイベントはそんな不安をぬぐう場でもある。政経学部4年の谷広香さんは「大学見学ツアーで先輩方が親身になって案内してくれたことが入学の動機となった。実際女子学生は積極的で、教育学など女子がほとんどという授業もある」と笑顔で話す。

 学生向け情報誌「ウゴパン」でもはつらつとした女子学生を紹介する。人気連載「こくしかん人図鑑」は主に芸能界やスポーツ界で活躍する在校生、卒業生をグラビアで掲載。昨年12月発行の最新号に登場した体育学部4年の斎藤里菜さんは講談社主催アイドルオーディションの16年のファイナリスト。大学では教職と救急救命士の資格取得を目指しているという。

 情報誌を発行するのは大学広報課だが、大学サークル「メディア研究会」の学生が編集に参加し「学生に読まれるフリーペーパーを追求している」(広報課)。学内だけでなく都内の飲食店やレコード店、書店などに置いて無料で配布し、広く情報発信している。

ハード整備着々

 得意のスポーツでも女性が躍進する。昨夏のリオデジャネイロ五輪ではシンクロナイズドスイミングの小俣夏乃選手(体育学部2年生)、新体操の皆川夏穂選手(21世紀アジア学部1年生)をはじめ在校生と卒業生の合計9人が代表選手に選ばれ「女子が活躍する大学のイメージの向上に寄与した」(佐藤学長)。20年開催の東京五輪への期待も膨らむ。

 こうした仕掛けもあって女子の入学者は年々増えている。女子学生が比較的少ない法学部では08年に16%台だった女子学生比率が15年は約23%に上昇。全体でも10年以降23~24%前後で推移している。ただライバルとされる大東文化大学は3割強、亜細亜大学は約4割、帝京大学は3割と、まだ追う立場だ。

 17年の創立100周年に向け総投資額200億円を見込む施設整備も着々と進める。世田谷キャンパスでは体育施設や実習・実験室などを備えた複合施設が13年に完成。08年に開設した新校舎は客員教授のデザイナー山本寛斎氏がデザイン監修に加わった。

 16年の志願者数は2万3000人強と増加基調が続く。佐藤学長は「東日本大震災以降、社会に貢献したいという学生が増えた。本学の堅実さや公徳心教育が再評価されていることを実感する」と話す。
(流合研士郎)[日経産業新聞2017年3月6日付から転載]

国士舘大学
 1917年に教育者の柴田徳次郎らが幕末の思想家、吉田松陰の精神を模範として東京・麻布に創立した私塾「国士舘」がルーツ。19年に東京・世田谷へ移転。53年に短期大学設置、58年には大学を設置し体育学部を開設した。2011年までに政経学部や理工学部、21世紀アジア学部など6学部を増設して7学部となる。短期大学は03年に廃止した。学部生は約1万3000人。

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