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[ career-働き方 ]

就活リポート2018(1)グルディス講座を再現(上)
「なぜ自己紹介せずに始めたのか?」

authored by 日経カレッジカフェ就活取材班
就活リポート2018(1) グルディス講座を再現(上)「なぜ自己紹介せずに始めたのか?」

 2017年3月中旬、都内で開催されたグループディスカッション講座を見学してきました。会場には就活生11人が参加し、6人と5人のグループに分かれて模擬グループディスカッションを体験。本番さながらの就活生たちには、講師や就活を経験した4年生から厳しい意見やアドバイスが......。

 午後6時過ぎ、就活を終えた学生たちが次々に会場へとやってきました。グループディスカッション(GD)用に長机を組み合わせた席につき、全員が就活手帳などに目を通しながら静かに開始の時間を待っています。

講義もなく始まった模擬GD

 開始時間の6時30分、司会の女性登場し、「それではグループディスカッション講座を始めます。テーマは"新入社員に必要な能力"です。20分間ディスカッションをし、その後2分で発表してください」と。特にグループディスカッションに関する講義もなく、講座は始まりました。

 何の前触れもなく始まった状況にやや戸惑いながらも、学生たちがポツポツと話し始めました。「企業説明会で言われるのはコミュニケーション力と自主性とかだよね」「新入社員はいろいろなことを学ぶ必要があるから吸収してマネをする力とか?」「まず、聞くことが大事だよね」と、次々と"必要な力"が挙げられました。

 途中で「これって1つに絞る?」「3つぐらいはあった方が......」と、発表に向けた結論をまとめる流れに入っていきました。「じゃあ、会社として必要と考える力と、自分たちとして必要と考える力としてまとめてみては?」という意見が出て、たくさん出てきた必要な力を絞り込む作業に。

グループディスカッションでの結論は……

 あっと言う間に制限時間の20分に近づいてきました。用意してあったA3の紙(模造紙も用意してありました)に、「コミュニケーション力」「自主性」「精神力」の3つの能力を記入し、発表の準備が完了。「で、誰が発表しますか? 人前で話すのが好きな人はいますか?」「......」。

 「じゃあ、私が発表します」と、手を挙げたのは女子学生。発表の練習をしているうちに「はい、20分経ちました。それでは代表の方は前に出てきて発表してください」という司会の女性の声が終了を告げました。

 代表の女子学生がA3の紙をホワイトボードにはって発表を始めます。

「私たちは必要な能力を、会社から見た必要な能力と自分たちから見た必要な能力という視点で決めました。まずコミュニケーション能力は先輩や上司の話を聞き、身につけたことをアウトプットするために必要な力だと考えました。自主性は新しい知識などをインプットするには必要と考え......(中略)、私たちの発表は以上となります」。

自己紹介、あいさつ、役割分担......ダメ出しが続く

 「はい。ありがとうござます。35秒ほど時間が余っていました」(司会)。これで1回目のグループディスカッションは終了。ここで講師の方が登場し、今のディスカッションを見た上での感想とアドバイスがありました。

 最初に指摘されたのは、参加者同士、あいさつも自己紹介もなく始まったことでした。「なぜ自己紹介もしないで始めたのですか? 参加者同士が名前も知らないまま進めると、議論は盛り上がらない。最初に簡単な自己紹介から始めて、ディスカッションの最中にはお互い名前を呼び合うようにすると、円滑に進みます」と。

 さらに、「皆さん、書記をされていた方の手元ばかりを見て発言することが多かったようですが、聞いている人の目を見て話す、発言してる人の目を見て聞くようにしてください。そうすると、発言者が話しやすい環境になり、議論も深まります」と付け加えられました。

テーブルには模造紙も用意されていたが……

 次に指摘されたのは役割を決めずにディスカッションを始めたことについて。「企業の担当者から"役割を決めないで"と言われない限り、司会、書記、タイムキーパー、発表者といった役割は決めた方がいいでしょう。みんなで時計を見て時間を確認する必要はありません」。

 続いてディスカッションの中身についての指摘がありました。「ディスカッションは意見発表と違います。皆さん、思いついた能力を出すだけで、新入社員という条件を共有し、それに基づいて力を決め、まとめ上げる作業が必要です」。指摘通り、時間のほとんどはそれぞれが能力を挙げることに使われており、参加者同士のディスカッションというところまでは行っていませんでした。

 そして最後に、「せっかく模造紙があるのに、なぜ使わなかったのですか? テーブルに置いてあるのだから使うべきでしょう。みんなでまとめた結論を大きな紙に書いて堂々と発表してください」とアドバイスされました。

 講師の解説・アドバイスが終わり、2回目のディスカッションが始まりました(次回に続く)。