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そうだったのか!経済
「日経TEST公式テキスト&問題集
2017-18年版」発売
日経新聞になじむコツも伝授

そうだったのか!経済 「日経TEST公式テキスト&問題集2017-18年版」発売 日経新聞になじむコツも伝授

 就職活動の中で日本経済新聞を手にとったり、日経電子版のニュースをチェックし始めたりしたものの、挫折した方は少なくないと思います。その最大の理由は、日本経済、世界経済といった対象が大きすぎ、実感がわきにくいからではないでしょうか。個別の企業が主語の記事を読んでも、どこが役に立つのかぴんと来ない、といった方も多いと思います。何より情報の量が多すぎて、「ついていくのが大変」という感想が先立つかもしれません。

日経TEST公式テキスト&問題集 2017-18年版(日本経済新聞出版社、1,620円(税込み))Amazonで購入する

「経済の流れ」をつかむのに最適

 日経新聞を読みこなしている印象があるビジネスパーソンも、新聞を隅々までチェックしているわけではありません。何が重要なニュースなのか、経済の「流れ」をつかむのがコツで、そのコツをつかむことができれば、自然と経済ニュースが頭に入りやすくなります。

 「流れ」をつかんでいるとは、経済の全体像と、その全体像の中で1つひとつの会社や消費者の動きがどういう意味を持っているのかを、ざっくりと理解できていることです。そのコツを学ぶのにも絶好な教材となる、「日経TEST公式テキスト&問題集」の2017-18年版が日本経済新聞出版社から発売されました。

 日経TESTとは日本経済新聞社と日本経済研究センターが主催して年2回、全国主要都市の会場で実施している、ビジネスパーソンの「経済知力」を測るスコア方式のテスト(正式名称・日経経済知力テスト)です。英語能力テストの経済版のようなイメージで、新入社員研修などで活用している会社もあります。「経済知力」とは、ビジネスパーソンが仕事をするうえで必要な「経済」に関する知識をどこまで自分のものにできているかを測るものです。

「経済は難しい・苦手」を克服

 「公式テキスト&問題集」は、日ごろ、「経済は難しい・苦手」と考えている方が日経TESTにチャレンジすることを想定して作成されたもので、「テキスト」部分も「問題集」部分も全体を通じて気軽に読める、ストーリー仕立てになっています。

 就活生も対象として経済に関するキーワードを解説する書籍がいくつか出版されていますが、本書がちょっと違うのは、「AI」や「IoT」のようなはやりの時事用語だけでなく、経済記事を理解するのに不可欠な基礎的用語も含めて丁寧に解説してあることです。

 学生の皆さんが「日経新聞は難しい」という印象を持つ理由として、多くの記事に出てくる「景気」や「金融政策」や「企業業績」といった用語で、いきなりつまずいてしまうことがあると思います。初歩からこつこつ理解していくのは時間がかかります。

 本書の場合、最初の「基礎知識」に関する第1章では、国内総生産(GDP)や為替相場、株価、1つひとつの会社の「増益・減益」などの仕組みが「全てつながっている」という観点からまとめて一気に解説しています。GDPであれば教科書的には「小麦生産農家とパン屋さんの付加価値」といった例をあげて説明することが多いのですが、本書では日経新聞の実際の記事に即して、新聞では省略されている部分を特に丁寧に解説しました。

 過去の挫折で「乗り遅れた」と悔やむ必要はありません。本書のアシストで日経を読むことに改めてチャレンジすれば過去につまずいた個所を克服、「流れをつかんだ!」と実感できるはずです。

答は本文最後。解説は本書内 

「練習問題」形式で知識が身に付く

 経済・ビジネスの役に立つ視野の広さも問う日経TESTの受験対策としてもつくられた本なので、経済、金融、産業の動きから、消費、技術、国際情勢まで、日経新聞が扱っているジャンルを「広く・浅く」ですが、網羅しています。5章構成で「入門解説」プラス20問ずつに分けた100問の4者択一式の「練習問題」を考えながら解説を読んで納得していくスタイルなので、印象に残りやすく、テキストのみより知識が身に付きます。本文200ページ強の中に250社、実際の企業名も登場します。

 たとえば本書内に、「食品業界の中の、①キッコーマン、②雪印メグミルク、③山崎製パン、④キユーピー、という4社の中で、円高が進んだ場合の業績への影響が1社だけ異なる企業はどれ?」という練習問題があります。設問の仕方は若干異なりますが、実際の日経TESTでもよく出題されるタイプの問題です。

 為替相場が円高に進むと、自動車など輸出の比率が大きい「輸出型産業」の会社の利益にはマイナスです。食品業界は一般に、「原料は主に輸入・製品は国内で販売」という「内需型産業」なので、円高が進む分、原料が安くなり、利益にはプラスになります。会社の業績を先取りして動く株価(日経平均)も、円高になれば自動車会社の株価は下がり、食品会社の株価は上がることが多くなります。

 その中で①のキッコーマンだけが、やや異質です。「企業研究」の中でよく出てくると思いますが、キッコーマンは売上高の57%、営業利益の73%を海外で稼ぐ、海外比率の高い「グローバル企業」です(比率は2016年3月期)。海外で稼いだ利益は円高になると目減りするので、円高が進むと利益にはマイナスの影響が出てきます。正解は①キッコーマンです。

「知ってるつもり」のポイントも明確に

 この例題は日経TESTの中では「ビジネス思考力」を問うという位置づけの、やや応用タイプの問題です。「そもそも為替レートはなぜ変動するの?」「円高・円安って?」「企業の業績って何?」というところから、よくのみこめない方もいると思います。本書は「基礎知識」の章で、そうした項目から取り上げ、コンパクトながら丁寧に解説しています。

 円高・円安の仕組みなどは、何となく理解しているつもりでも、実際に説明せよといわれると、現役のビジネスパーソンでもあやふやになりがちです。特に、経済学部や経営学部の学生の皆さんであれば、ミクロ経済学やマクロ経済学の教科書で学んだ理屈が実際のビジネスにも役立つことを、生きた経済とのつながりでいっそう実感できるはずです。

トランプ政策からAI・ロボット・働き方改革まで

 トランプ米大統領が「中国や日本との貿易で出る赤字が米国民の雇用を奪っている」といった主張をしています。日本と米国の為替レートは現在、円安ドル高ですが、「日本政府が輸出を増やすため円安に誘導している」、といった発言も時々出てきます。

 貿易は2つの国の間の勝ち負けではなく、輸入が輸出を上回ることは悪いことではありません。米国の国内総生産(GDP)に占める消費の割合は約7割(日本は約6割)で、仮に人民元や円に対して現在のドル高からドル安になれば、米国の消費者が購入している中国製・日本製の製品の価格は上がり、米国の消費者にとってマイナスになるはずです。

 こうした「トランプ大統領の発言は間違っている」という議論についても、本書ではやさしく解説しています。AI、ロボット、ビッグデータ、シェアリングエコノミーといった新しい経済の動きも、他の入門書とは一味違う、実戦的な取り上げ方をしました。

 「働き方改革はなぜ必要と思うか?」。「日本経済にとって最大の課題は何か?」。就職活動の中でそんな質問を受ける場面もあるかもしれませんが、本書を読んでいると、質問者が納得する答ができるはずです。

「企業社会で必要な知識」を実感

 日経TESTの受験も、企業社会で必要な知識や考え方は何かを実感できる格好の機会です。大学生の受験者向けには「大学生の受験者の中での自分の位置」がわかる「学生等級」の情報も提供しています。

 ちなみに「日本経済新聞社の入社試験」も、この日経TESTに準拠した形式で実施しています。過去の問題を日経の入社案内サイトで公開しています。実際の日経TESTの出題ジャンルや難易度とはやや異なるものですが、興味がありましたらご覧ください。
(答えは、3)


日経TEST公式テキスト&問題集 2017-18年版

日本経済新聞社 編
出版 : 日本経済新聞出版社
価格 : 1,620円 (税込み)

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