もっと自由に生きる ~楽天を退社してIターンしたママの話
これからの女子キャリと生き方(9)
こんにちはmanma代表の新居日南恵です。女子大生のロールモデルとなる様々なママたちをご紹介するシリーズ。今回お話を伺ったのは東京で生まれ育ち、楽天で働いたのち、結婚を機に宮崎県へと引っ越した守屋さん(30代)。現在は4歳の息子さんのママをしながら活躍される守屋さんに「女子としてもっと自由に生きるということ」についてお話を伺いました。
反対にあいながらも直感を信じた結婚、そして地方への移住
結婚を機に生まれ育った東京から宮崎に移住した守屋さんですが、移住の際はかなり周囲からは心配されといいます。"友達も親戚もいない、しかも田舎で、東京生まれ東京育ちの守屋さんが暮らしていけるはずがない"そんな風に言われることが多かったそうです。
しかし、守屋さんはなんとなく宮崎で楽しく生きていけそうな漠然とした自信が。直感を信じ、準備期間は2カ月ほどで実際に移住をされました。「今思えば、無謀といえば無謀ですけど......(笑)」。そう語る守屋さんは当時、周りの声に惑わされて移住(結婚)を諦めなくてよかったなといいます。
「そもそも銀行だって潰れるこの時代に、どの会社に所属して仕事をするかという点を重視するよりも、自分が楽しく働けたほうがいいんじゃないかな? と考えています。仕事が楽しいと人生が楽しいというか、「仕事だから」って割り切って働くのも、なんだかもったいない気がするので、仕事も楽しみたい。そんな中で、一緒にいたら楽しいな! っていう運命の人に出会えたら、結婚してもいいのかなと思います。もちろん、したくなければ結婚しなくてもいいし。私は相手が同じ会社だったり、遠距離恋愛だったりしていろいろ大変だったので、社内で結婚の記者会見みたいなものまで開いて、結婚しました(笑)。そしてありがたいことに結婚してじきに子どもがうまれて、すごく世界が変わったし、家族が「チーム」になっていくような感覚が、今はとても楽しくて面白いです」
首都圏から地方に移住しても働き続けるためのコツ
しかし守屋さんのようにいざ地方に移住するとなると、地方には仕事がないとの情報が多く、不安に感じている若い女性も多くいるように感じます。実際、家族留学に参加くださる女子大生からそんな声を聞く機会も少なくありません。その中でも首都圏から地方に移住しても働き続けるための大前提として、守屋さん曰く「その場所を好きになれそうか、という点は必ず自分の目と体で確認することが大切」とのこと。
「私は南国っぽいところや食べるものが宮崎は好きだったし、いろいろ行ってみたいところあるな......と興味がわいていたので、大丈夫でした。そして今では地元の人より地元に詳しいね! と言われるぐら色々知っています(笑)」
その上で、仕事に関してパワフルな視点をお話しくださいました。「本当に価値のある仕事ができる自分でいられれば、どこにいってもなにがしかの形で報酬をもらうことができますし、やりたい仕事がないなら作っていけると思うので、自分で能動的に動けるタイプの人はどこに行っても楽しく働き、新しい価値を見出して豊かに暮らしていけるのではと考えています」
地方だからこそ、子育てがしやすい
求人が東京に比べて決して多いとは言えない地方ですが、一方で子育てに関しては非常に魅力的だそうです。「地方での子育てはすばらしいことがたくさん。東京で子育てをがんばっている同世代のママたちには尊敬の気持ちしかない、私は都会で子育てをする自信がない」と守屋さんはお話しくださいました。
守屋さんがお住いの地域では、出産の費用も保険の中でほぼおさまり、お釣りがくることもあるといいます。また、保育園探しにもほとんど困ることはなかったそうです。その上、家と会社と保育園の3カ所が都内で働く場合よりかなり近く、だいたい車か自転車で15分から20分圏内で全ておさまる形になることが多いので、送り迎えなども首都圏と比較すればおそらくとても楽だそう。
ママたちが気にする安心・安全な水や食材についても、安く手軽に手に入り、守屋さん宅では、自宅から車で30分程のところにある有機栽培で有名な町にお野菜や果物を買いにいくことも多いそうです。
しかし教育や保育のサービスは、東京に勝てないことも多いと語る守屋さんは、お子さんがある程度の年齢になったら住む場所を変えることも検討していると言います。「国内海外問わず、子どもの教育にピッタリだと思う街に引っ越すか、全寮制の学校を探すか、何か考える予定で旦那さんとも話しています」
とにかく自分にとっての「ベスト」を追い求めてほしい
そんな守屋さんは女子大生に伝えたいメッセージとして「自分にとっての"ベスト"を追い求めてほしい」とお話しくださいます。「一見華やかそうな、人生がうまくいっていそうな人ばかり見て、本当の自分の幸せを見失ってしまわないようにしてほしい。世界中には本当に様々な価値観で色んなことをしている人がいるので、ぜひ異なる属性のたくさんの人に会って、話を聞いてみてほしいなと思います」
常にベストな生き方を、自由に追い続ける守屋さんは、とてもキラキラしていました。
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