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[ career-働き方 ]

三菱商事の新卒採用
「経営人材」に求める2つの資質

三菱商事の新卒採用「経営人材」に求める2つの資質

 経団連加盟企業の新卒一括採用がスタートして、各企業の人事担当者は、どんな人材を求め、選考解禁までの6月1日に向け動いているのだろうか。出世ナビでは、この時期にあわせて企業の人事担当者に今年の予定や、採用のねらいを聞いた。第1回は三菱商事の人事部採用チームリーダーの下村大介氏だ。

留学生や部活動の学生に向けた日程も用意

三菱商事 人事部採用チームリーダー 下村大介氏

 ――2018年の採用予定数を教えてください。

 「17年卒入社は総合職159人、一般職20人です。18年の採用予定数は未定です」

 ――合格率はどのくらいなのでしょうか。

 「プレエントリーは数万、本エントリーは数千の後半程度。エントリーは三菱商事の新卒採用サイトから受け付けています」

 ――スケジュールを教えてください。

 「5月1日にエントリーシートの提出とテストセンター、ウェブでの適性検査の受検を締め切り、5月下旬に書類選考の合否を出します。6月1日から1次面接開始、面接は3回実施する予定です。ただし、このスケジュールでは留学や部活動の理由から間に合わない人もいるので、7月選考も用意しています。7月選考のエントリー締め切りは6月で、7月中旬に面接をします。ただし、応募は6月面接か、7月面接どちらかを選んでもらいます」

「社員紹介センター」活用してほしい

 ――会社説明会が満席で参加できないという学生の声を多く聞きます。予約なしで「突撃」して参加できるものでしょうか。

 「予約した人のみ受け付けています。突撃されても残念ながらお断りするしかありません。とはいえ、確かにすぐ満席になってしまう、抽選に落選する、参加できなかった、という声を聞きます。商社の仕事はやはり分かりづらいので、私たちも実際の仕事内容は伝えたい。また、会社の話を聞きたいのに大学の先輩がいないなど、機会の不平等は問題だと感じていました」

 「そこで、去年から『社員紹介センター』を作りました。約1000人の社員に登録をしてもらい、応募した学生に社員のメールアドレスと名前を送ります。互いの母校は関係ありません。3月1日から6月10日まで3期に分けて実施します。始めた去年は、丸の内のランチ事情が変わりましたよ。『あそこでもうちの社員が学生とランチしているな』とそこここで見るようになりました。申し訳ないですが『こんな相手がいい』という選択権はありません」

 「抽選ですが、このしくみでかなり学生の皆さんに三菱商事の話を伝える機会を増やせたのではと思っています。1人の社員が何人もの学生に会っていますから、数千人の学生さんに直接話を聞く機会を提供できました。また、紹介の機会は1度ですが、会った社員を通じてまた社員を紹介してもらった学生もいますから、1人で何人もOB・OG訪問した人もいます」

 ――抽選は、どのような基準ですか。

 「基本的に母校の卒業生がおらず、OB・OG訪問がしづらい学生に優先的に機会を提供したいと考えています。先輩が確実にいるような大学には、OBとOGの社員リストを送ってあるので、先輩を探して声をかけてほしいですね」

「AI採用」に取り組む

 ――選考で今年から変わることはありますか。

 「16年の夏ごろから、人工知能(AI)を使った選考を研究しています。『三菱商事で活躍できそうだな』と思う人材を、私たちが持つ社員などのデータベースからAIに学ばせ、より客観的な選考につなげていくのがねらいです」

 「人間が見ただけではどうしても主観が入るし、応募者が多いので見落としてしまった人材もいるかもしれません。テストなどで1点低いだけで不合格にしてきた人材もいます。今回、AIの活用でエントリーシートの内容がよい、となれば合格にする、といったことも考えられると思います。試験で落とすのは簡単ですが、もったいない。仮にテストが1点合格ラインより低くても、三菱商事で活躍できる素養をもった人材に会いたい」

ほしい能力は

 ――「ほしい人材」という話がありました。どのような能力を求めていますか。

 「一言でいうと、『経営人材としての資質があるか』です。その資質に、必要な能力は大きく2つです。1つは本質を見抜いて先を予測することができるかどうか。我々はこの力を、事業構想力と呼んでいます。2つ目は実行力です。タフな経験をし、またそれをどのように乗り越えやり通したか。この2点の資質があるかを、面接を通してみていきます。最後に高い『倫理観』も重要だと考えています。法令順守は当然ですが、利他の精神を持ち、皆から尊敬されるような人が必要だと思います」

 ――三菱商事は難関だ、と初めから受験をためらう学生もいます。どんな対策、心構えで臨めばよいでしょうか。

 「三菱商事は『フェアネス』を大事にしている会社です。採用においても、6月1日の採用選考解禁日は必ず守りますし、大学や専門、国籍、性別など一切関係なく門戸を開け、三菱商事で活躍できる人材を純粋に求めています。これからの未来を切り開く皆さんが、活躍する場所として三菱商事に興味を持ってもらえたのなら、『絶対に受かるんだ』と言う思いを持って、ぜひ応募してほしいと思います」
(聞き手は松本千恵)[日経電子版2017年4月12日付]

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