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[ career-働き方 ]

食の訪問記(6)豆腐処味匠くすむら(下)ウェブ、お弁当、おからペーストに挑戦!

平井幸奈 authored by 平井幸奈株式会社フォルスタイル代表取締役CEO
食の訪問記(6)豆腐処味匠くすむら(下) ウェブ、お弁当、おからペーストに挑戦!

 「名古屋でお豆腐といえばここ!」と言われる、豆腐処味匠くすむら。同社の柘植一憲社長へのインタビュー3回目です。豆腐作りへのこだわりについて詳しく聞いています。

平井 歴史を守られつつも、新しいことに柔軟にチャレンジされているその姿勢が素敵です。

柘植 同じことをしてたらうちは潰れてますよ。固定概念にとらわれず、失敗を恐れず思いたったらすぐ行動です。今年度のテーマは「チャレンジ」と掲げ、大きく3つの挑戦をしているところです。

会社概要
株式会社くすむら
事業内容:豆腐製品の製造・卸・販売および新製品の開発、豆腐料理の専門店経営
設立:大正3年(1914年)
従業員数:90人
売上高:5億6000万円
平成5年7月 NIKKEIプラス1 おすすめ豆腐全国8位に選ばれる
平成27年6月 伊勢神宮外宮に奉納
平成28年1月 愛知県豆腐商工業協同組合主催の豆腐品評会にて名古屋市長賞を受賞

百年とうふは1丁1200円

平井 具体的に教えてください。

柘植 第一にウェブでの展開です。こだわりを持ったお客様が日本全国から、ネットを通して購入くださいます。特に百年とうふという一丁1200円のお豆腐は大人気で、送料が900円で、2000円を超えてしまうのですが、一丁からでも注文してくださる方がたくさんいらっしゃるんです。レビュー機能などもうまく使いながら日本中のお客様とのコミュニケーションをとっています。

平井 近年ウェブでの展開は手堅いですよね。うちのグラノーラは実店舗よりもウェブの方が売れています。百年とうふは私もいただきましたが、味もビジュアルも抜群で、現代の日本人の心を鷲掴みする商品だと思いました。

柘植 第二の挑戦は、お弁当への展開です。「華いなり」という商品を企画しています。一口サイズのいなり寿司を作りまして真ん中は湯葉のだし巻き卵です。お花に見立てていて、駅弁としての展開を考えています。

平井 見た目も女性の心を掴みますね。SNSで拡散したくなります。

百年とうふ(紅白)

お弁当

おからは食物繊維がごぼうの2.3倍!

柘植 そして第三の挑戦が、「おからペースト」という新商品の展開です。産業廃棄物でもあり食品ロスでもあるおからですが、実は食物繊維はごぼうの2.3倍、カルシウムもたっぷりでカロリーも糖度も低いのです。大豆の成分丸ごと絞った残りカスですが、価値のあるもと、僕は「価素(カス)」と呼んでいます。おからの欠点は日持ちがしないということと、食感が悪いということ。そこで、これをペースト状にすることによって、湯がいたり洗ったりしなくても使えるようにしました。

 本当にいいものであるということが分かっているので、これを大々的に販売したいと考えています。これまでおからは1kg100円だとか、ただでもいいから持って行ってくれというような商品だったので価値がないのです。そこで加工して価値を出すことによって、適正な値段で販売することを目指しています。定着するまでは時間がかかりそうですが、本当にいいものであると分かっているので地道に広めていきたいですね。ゆくゆくは全国のお豆腐屋さんに、「おからペースト」の商品化を普及させていきたいと考えています。

平井 おからペーストは、グラノーラでいうとオートミールやつなぎの代わりになりそうですね。うちのグラノーラでも「おからペースト」使ってみたいです!

柘植 ぜひお願いします!