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[ career-働き方 ]

学生時代の過ごし方2017(1)オリエンタルランドの宮崎翔太さん
「ジャズ演奏に魅せられて」

学生時代の過ごし方2017(1) オリエンタルランドの宮崎翔太さん「ジャズ演奏に魅せられて」

 希望の会社や業界に入ってキャリアを積む20代の先輩たちが、自らの学生時代を振り返ります。部活動やサークル、アルバイト、海外留学......。打ち込んだこと、頑張ったことは人それぞれですが、その経験は仕事にどう生きているのでしょうか。トップバッターとして登場するのは、東京ディズニーリゾート(TDR)を運営するオリエンタルランドの宮崎翔太さん(26)です。

――現在の仕事の内容を教えてください。

 「リゾートクリエイト部でスペシャルイベントの企画立案を担当しています。秋のハロウィーンや冬のクリスマスなど、季節ごとに行われるイベントのことで、6月14日まで開催中のディズニー・イースターは春の人気企画として定着しました。パークでは1年間に大小合わせて20を超えるイベントが行われており、リゾートクリエイト部が全体を統括しています」

宮崎翔太(みやざき・しょうた)さん 上智大学法学部卒、2013年オリエンタルランド入社。パーク部門で3年間の現場経験を積んだ後、昨年7月リゾートクリエイト部に配属。いちばん大好きなディズニーのキャラクターは「トイ・ストーリー」シリーズの主人公で、カウボーイ人形のウッディ。理由は「正義感にあふれているから」

 「1つのイベントを実現するのに長いものだと2年近くかかります。今年のスペシャルイベントが始まった頃、すでに来年以降の準備がリゾートクリエイト部を中心に進んでいるわけです。ショーやパレード、グッズやフード、宣伝や広報など、イベントに関わる様々な部署と議論を重ねながら丁寧に作り上げていきます。どうやったらゲストの皆さんに喜んでもらえるのか、どんなサプライズを仕掛けようかなあと、しょっちゅう考えています」

錆だらけのトロンボーンを愛した

――どんな学生時代だったのですか。

 「大学からトロンボーンを始めました。理由は単純です。上智大学ニュースウィングジャズオーケストラ(NSO)の新歓で声をかけられ、ビッグバンドのかっこ良さに惹かれました。ビッグバンドというのは、20名弱で編成するバンドのことです。50年の歴史を持つ上智NSOは学内で唯一のビッグバンドサークルで、定期演奏会や、ほかの大学との合同ステージ、全国の大学コンテストなど活躍できそうな場がいくつもありました。楽譜も読めませんでしたが、迷わず入部しました」

3年生の冬の最後の定期演奏会でソロ演奏を披露

 「千葉県の中学、高校の6年間はバドミントン部でした。中学の時は県大会で団体優勝しています。頑張った分だけ結果に現われるのはスポーツも楽器も一緒です。周りの誰よりも貪欲に練習しましたね。キャンパスライフを気軽にエンジョイしようと思っていたのですが、高校までと同じようなサークルありき、練習ありきの生活でした。早い話が負けず嫌いなので、中途半端で終われなかったということです」

――いちばんの思い出はなんですか。

 「3年生の冬の最後の定期演奏会です。会場は赤坂のジャズバーでした。レギュラーグループーに入り、10曲演奏したのですが、そのうちの1曲の中で20秒弱の長いソロ演奏をやらせてもらいました。グループのメンバーに迷惑をかけられないと、いつも以上に練習しました」

 「その時のトロンボーンはサークルからの借り物でした。先輩たちの薦めもあり、良い楽器なのに誰も使わないのはもったいないと、3年生の春から愛用していた中古品です。なので、卒業した現在は手元にありません。懐かしいですね。あの錆だらけのトロンボーンは今頃、どうしているでしょうか」

スペシャルイベントの企画立案を担当

チームワークの良さで夢を育む

――サークルの経験は社会人になってから役立っていますか。

 「入社して最初の3年間はキャストと呼ぶアルバイトの人たちと一緒にパーク部門で働きました。大半が年上で、キャスト歴10年~20年のベテラン選手もたくさんいます。会社に代って無理をお願いしたり、逆に、色々なキャストの声を会社に伝えたりする役回りでしたが、上手くコミュニケーションを取れたと思います。普段の練習からチームワークを大切にし、ほかの大学のビッグバンドと一緒になって活動した経験がプラスになっています」

 「秋のハロウィーンは20年前、たった1日だけの開催でスタートしましたが、今や2ヶ月のロングラン開催に成長しました。ゲストの期待を超えるムーブメントを作るには、他の部署との連携が欠かせません。伝える力、聞く力といったコミュニケーションのスキルやチームワークが、いっそう求められます」

――オリエンタルランドで働くことの魅力は何ですか。

ほかの部署とのコミュニケーションを大切にする

 「例えば、新しいクリスマスのイベントを企画する場合、過去10年分のデータを洗い出します。期間中に訪れたゲストの数や満足度、関連グッズの売上高などの推移を緻密に分析するところから始まるのです。楽しそう、夢がありそうといったイメージで仕事を括られがちですが、マーケティングの視点で物事をとらえたり、考えたりするオリエンタルランドならではの仕事の幅の広さを、多くの学生に知ってほしいですね」

 「トイ・ストーリーなどでお馴染みのディズニー・ピクサー映画をテーマにした新しいイベントの開発にも加わっています。リゾートクリエイト部に限った話ではありません。若手にも大きな仕事のチャンスが与えられます。現在の夢ですか? スターウォーズの映画の世界観をどこよりも本格的に、スケールを持って体験できるイベントをプロデュースして、日本中に新たなスターウォーズの社会現象を巻き起こしたいですね」

――悔いのない学生時代を過ごすうえでのアドバイスをお聞かせください。

 「どんなことでも構いません。頑張った経験は社会人になって大きな支えになります。やってみたいことが見つかったら、どうしようかと悩まずに一歩を踏み出してください。新しい世界が広がっています」
(聞き手は山本啓一)
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