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[ career-働き方 ]

すぐに読まれるメール術
センス問われる件名と文面

すぐに読まれるメール術センス問われる件名と文面

 ビジネスメールの書き方に不安はないだろうか? 私的メールと違って仕事用ではルールやマナーがあることに加え、受信者に配慮したメールでないと読まれるのも後回しとなり仕事の進ちょくにも影響しかねない。たかがメール、されどメール――。基本の作法を知ってビジネスメール上手を目指したい。

 「件名で内容が一目瞭然だと助かる」と話すのは神奈川県の不動産会社に勤める男性社員(25)。仕事のメールは外出中にスマートフォン(スマホ)でチェックすることも多く、意味不明な題名だと開封を後回しにしがちという。「開封したらただの営業メールということもある。特に外ではメール対応の場所も時間も限られているので件名を見て内容がすぐ推測できるものを優先する」

忙しい相手に確実に読んでもらうには、簡潔な件名を付けることが欠かせない

 ただ、今でこそ自分も気を配って件名をつけているが、「新人のころは件名を本文のおまけ程度にしかみていなかった」と男性は告白する。「『お礼』『ご相談』など抽象的なタイトルも多くつけていたと思う。受信者はいらついたかもしれない」と振り返る。

 多数の受信メールの中で見落とされず確実に開封されるには「用件を明確に、具体的、簡潔に表した件名をつけたい」と日本ビジネスメール協会(東京・千代田)代表理事の平野友朗さんは助言する。留意点は(1)「何」の用件(2)「いつ」の用件(3)「どうしたいのか・どうしてほしいのか」の3つだ。

読点は多めに

 例えば「2017年5月8日・プロジェクトA・会議の出席確認」のように案件名や商品名など固有キーワードと日付を件名に使えば検索もしやすく時系列的にも見やすい。「出席確認」でメールを読んだ後に求められている対応も明確だ。

 「件名はメールを読むときには気にするが、書くときには意識しない人が意外に多い」と平野さんは指摘する。「メールは送信すれば相手は必ず読んでくれるものと思いがちだがそれは危険。件名で『これは読まなければ』と思わせる必要がある」。なるべく重要なキーワードを前に置いて20文字以下を目安につけるとよい。

 メールが開封されてからも注意点は多い。平野さんが強調するのが「メールの文章を気にする人が多いが、まず大切なのは見た目の体裁」という点。多忙なビジネスパーソンは一見してメール内容を把握したい。開いたメールが改行なしで文字が詰まって真っ黒では見ただけで読む気力がうせ、「これは後回し」と扱われてしまう。

 読みやすさのポイントは余白を多めにとることだ。1行を20~30文字程度に収め、短い文を繰り返す。5行程度で段落を区切り、段落ごとに1行空けて隙間を作る。要点は箇条書きにして、◎や□などの記号、ケイ線も効果的。読点は意識的に多く使い、漢字を多用しない方が読みやすい。

 「『宛名→挨拶→名乗り→要旨→本文→結びの挨拶→署名』というビジネスメールの基本の型に則してレイアウトも工夫すれば読みやすいメールになる」と平野さんは提案する。

表現の幅広げて

 ビジネスメールは正確に用件が伝わるのが一番の目的だが、ビジネスパーソンとしては、一歩進んで相手に評価されるメール文を書きたいところ。内容が同じでも文面は人それぞれ、書いた人のセンスがあらわれるだけに気を抜けない。

 「表現がワンパターンだとそっけなく事務的な印象になりがち」。こう語るのはビジネスコミュニケーション講師の大嶋利佳さんだ。お礼なら「ありがとうございました」、意見するなら「と思います」の繰り返しでは稚拙な印象にもなる。「『と思います』のほか『考えます』『存じます』なども交えれば子供っぽさも和らぐ。意識して言葉や表現の幅を広げるように」

 おかしな表現や敬語のミスはもちろん避けたい。「『ご覧になられる』などの二重敬語のほか目につくのが『~いただく』の連発と、『拝読いたしました』の後に『やっぱり○○じゃないかと思います』と続けるような文語口語の混在」と大嶋さん。つい使ってしまいそうだが注意したい。
(ライター 村樫 裕理子)[日本経済新聞夕刊2017年5月8日付、日経電子版から転載]

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