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質問「あなたの10年後は?」の傾向と対策

ホンネの就活ツッコミ論(11)

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NIKKEI STYLE

人生というのは往々にして先が見えないものです。それほど目立つわけでもない記事を書いてそれを本にまとめたら大当たりしたとか、結婚の話が決まったと思ったらすぐ破談したとか(どちらも石渡の実話)。そこまで浮き沈みが激しくないにしても、将来どうなるか、学生の皆さんは不安です。

その学生に「10年後、どんな社員になっていたい?」「希望の部署はどこ?」などと聞いても、学生からすれば答えようがない、との悲鳴をよく聞きます。誰が言ったか、「台風はいいよな、進路が決まっていて」。将来ビジョンが見えないあまり、そこまでため息つかなくても大丈夫です。今回は面接の中盤以降でよく出る将来ビジョン質問の傾向と対策についてまとめました。

そもそもは「将来の目標は?」だったが

将来ビジョンの質問は2000年代前半までは単純に「将来の目標は?」などとストレートに聞く企業が多数ありました。ところが、ちょうどこのあたりから、質問の意図を誤解する学生がなぜか続出します。面接担当者からすれば、入社後にどんな社員になっていたいか、を意図して質問しています。ところが、学生はあくまでも学生個人の話、ということで質問と回答がかみ合わない、という事例が続出しました。

「おいしいコーヒーを出す喫茶店を開業していたい」「独立開業する予定です」「のんびり旅行でもしたいですね、定年後は」......。これではまずい、と、入社後についてストレートに聞く企業が増加、現在に至っています。

漠然としていてもダメ、具体的すぎてもダメという"無理ゲー"

将来ビジョンの質問に対して、落ちる学生に多い傾向は両極端です。すなわち、漠然としすぎているか、具体的すぎるか、どちら。漠然としているのは、こんな感じです。「顧客からも、同僚や上司、後輩からも信頼され、何かあればすぐ相談してもらえるような、そして、日本と世界の架け橋になるようなビジネスマンになりたいです」(総合商社志望)。あれっ? 就活生の皆さん、ギクッとされた方いませんか? 似たような回答をした、とか。

この回答、私が過去の相談事例をもとにまとめたものです。書いてある内容はその通りなのですが、「信頼されたくない」と思う社会人がどれくらいいるでしょうか。総合商社なら、日本の利益だけでもダメ、外国の利益だけでもダメ、つまり、「日本と世界の架け橋」になるのが当然です。

もっとまとめると、この回答なら「私は人間です」と同じような回答でしかありません。面接担当者からすれば、情報が取れない、だったら落とそう、となってしまいます。一方、具体的すぎるのも落ちやすい傾向にあります。

落ちやすいのは、他でもない、採用サイトに出ているコピペだからです。「アフリカの××事業に関わっているような▼先輩のような社員を目指したいです」。ダメとは言いません。落ちる人の特徴としては、この「××事業」がどんな事業なのか、自分なら「××事業」以外にどんな事業に関わりたいのか、など、深く考えていない点にあります。要するに、採用サイトをさっと見ただけ。

将来質問の意図するところ

この手の質問、企業側としては、以下のような点を見ています。

1:企業研究・業界研究をどれだけ進めているか

2:新聞購読などで社会のことをどれだけ知っているか

3:自分中心かどうか

具体例として、鉄道会社の面接でこの手の質問の回答を見てみましょう。

学生A やはり鉄道事業に関わりたいです。貴社は関西での鉄道業界をリードしており、私もその一員になりたいです。

学生B 宿泊事業を志望します。外国人観光客への対応が今後、貴社でも同業他社でも課題です。高価格帯のホテルはもちろんですが、カプセルホテルなど低価格帯のホテルも合わせて拡充していく必要があるかと考えますし、私もその一員になりたいです。

どう考えても次の選考に進むのは学生B。この連載の7回目でご紹介しましたが、ちょっと調べれば、どの鉄道会社でも鉄道事業がメインの事業ではないことがわかります。利益を出している事業は不動産、流通、観光・宿泊です。そのあたりを調べているかどうか。もちろん、単に会社サイト・説明会の情報だけでなく、他社の動きも含め新聞などから社会全般の動きを知っているかどうかが重要になります。

その3「自分中心」とはこういうことです。

学生C 自分を成長させてくれる、そんな環境で働きたいです

学生D 自分を成長させることで仕事に生かしたいと思います

学生だとCの回答が多いです。ホンネでしょう。ただ、これだと、「職場環境が悪ければ、すぐ辞めそう」と企業は考えるわけです。そこで通りやすいのは学生D。

「行きたい部署」は、どう答える?

この手の質問、行きたい部署を聞かれたら、素直に行きたい部署を答えましょう。ただし、イメージ先行ではなく、自分なりに調べること。「人と人をつなげそうだから営業」「イメージの良さを伝えたいから宣伝・広報」という程度では曖昧すぎます。「人と人をつなぐ」ということなら、営業だけでなく総務から広報、人事まで全部署でも言える話。「イメージの良さを伝えたい」から宣伝・広報というなら、広告会社でいいだろう、という話になってしまいます。

もう少し、新聞・雑誌・ネットメディアなどで各種インタビューなどを掘り起こして自分なりの将来設計をまとめてほしいところです。どうしても思いつかない、というのであれば、それは正直に言いましょう。ただ、代わりにどんな社会人になっていたいか、どんな点にこだわりながら働きたいか、そこを答えるとちょっと違います。要するに、形の代わった自己PRと考えてください。

「希望部署に行けないけど」への返答は一択

希望部署の質問はさらに深堀され、「でも、必ず希望の部署に行けるとは限らないけど?」と聞かれることもよくあります。この回答はほぼ一択。最終ご判断は会社次第、というものです。

「貴社に入社すれば、私の適性や能力などから配属先を決められると思います。希望の部署に行けない場合は配属先で頑張ります」。対策のしようがある話を聞いてどうするのか、とも思いますが、まあ企業からすれば聞きたくなる質問です。実際、会社員になれば人事異動がついて回ります。専門職としての採用ならまだしも総合職としての採用であれば、希望の部署に行ける確率は相当低いわけで、学生からすれば「じゃあ、聞くなよ」となるかもしれませんね。ま、希望の部署は考えつつも、実現しない可能性もある、つまり、ある種の割り切りが必要です。

将来質問のための業界・企業研究のコツは?

将来質問に答えるためには、自分なりに業界・企業研究を進めている必要があります。そのコツは、「調べるときは偉そうに(何なら社長なり部長なりになったつもりで)」「活躍する先輩社員から自分のキャリアを考える(同じでなくても可)」「面接で話すときは控えめに」が原理原則です。

たとえば、芸能プロダクションなら、所属の看板タレントをどんな番組に出したいか、くらいは考えてもいいでしょう。ここで、大半の学生は「えー、そんなこと、考えられない」と挫折します。しかし、芸能プロダクションに入ればどうでしょうね。下積みとしての仕事があるのは当然ですが、一方で、いいアイデアがあれば入社1年目からでも使うはず。

そういうことを調べ、面接では全部話すのがいいのかというと、そういうわけではありません。「調べる、想像する」という所まではいいのですが、それを全部話すと確実に相手が引きます。引くか、「こいつ何を偉そうに!」と反発されるかのどちらかです。

将来質問は、スケールが大きい話を求める場合もあれば、そうでない場合もあります。その場の空気、テンションを読みながら回答していくことが大事です。基本的には学生は面接で話を聞いてもらう立場です。先ほどの芸能プロダクションの例だと、「うちのタレントを好きな番組に出せるとしたらどんな番組がいい?」などと聞かれたら答える、という程度でいいでしょう。

将来のことがわからなくても、いつかやってくるのが将来です。わからないから不安でもありますが、わからないからこそ面白い、とも言えます。不安が先行しすぎて、不安感で押しつぶされないようにしたいものです。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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