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頑張るほどあなたの首を絞める
脱「いい人」のコツ

頑張るほどあなたの首を絞める脱「いい人」のコツ
撮影協力・清泉女子大学

 「いい人」だと思われたい。しかし、気付けば「いい人」ではなく「都合のいい人」になっていませんか? いい人すぎる「都合のいい人」をやめるためのシンプルな方法を2つお伝えしましょう。

「いい人」だと思われたい

 無理をして仕事を引き受けてしまったり、忙しくても雑用を頼まれて断れなかったり。あるいは、あまり気乗りしない飲み会の誘いを断れなかったり、自分の意見や考えをなかなか言えなかったり......。

 もちろん、どうしてもいい顔をしてしまう、いい人を選択してしまう、ということは誰でもあると思います。

 まず知っておいてほしいこと。それは、無理に「いい人」をやめる必要はないということ。

 いい人でいたいと思う気持ちは、本能です。人とのつながりは人間の基本的欲求なのです。人間は太古の昔から、孤独や孤立しているよりは、周りの人と助け合い、貢献し合うことで生存率を高めてきたのです。

 人間は一人で生きていけない。誰もが、周りの人とつながって互いに影響を受けたり、与えたりして生きている社会的生き物です。当然ですが、全ての人から嫌われれば、孤立してしまい仕事になりませんし、社会生活を送れなくなってしまいます。

(イラスト:三ツ木朗恵)

「いい人すぎる」のをやめてみよう

 そうはいっても、自己嫌悪になるくらい、「いい人」の選択しかできないとなると話は別です。

・連日、深夜残業しないと終わらない状態なのに、仕事を引き受けてしまう

・相手にどう思われるか気にしすぎて、思うように仕事ができない

・周りに気を使いすぎて、グッタリしている

・都合のいい人として、いいように使われている気がして、むなしい

 もし、あなたが上記のような状態にあるのなら、「いい人」ではなく、「いい人すぎ」。そして、今がやめ時かもしれません。そこで、「いい人すぎ」をやめるための、シンプルな2ステップをお伝えしましょう。

(菓子制作:尾崎悠子)

ステップ1 代替案付きの決意を持とう

 既に経験があるかもしれませんが、「今日からいい人やめます!」と決意したり、宣言するだけでは、「いい人すぎ」はやめられません。では、どうしたらやめられるのでしょうか?

 それは、「いい人はやめて、代わりにこういう人になろう」という代替案付きの決意が必要なのです。代替案がないと、油断して引き受けすぎたり、いい人を演じすぎたりしてしまいます。

 つまり、何かをやめたいときには、ただ「やめる」と決意するだけではなく、決意+代替案が必要なのです。とはいっても、そんなに難しく考えなくてもOK。「いい人すぎ」をやめるとして、どんな人になりたい? と自分に聞いてみるだけでいいのです。

 すぐに答えが見つからないときは、モデル(見本となる人・理想の人)を探してみましょう。社内の先輩・同僚・後輩や、社外の人でもかまいません。また、タレントさんや著名人、歴史上の人物、アニメのキャラクター、家族、友人など、誰でもいいのです。

 「いい人すぎ」を卒業したいと決意し、どんな人になりたいか思い描いてみた。そうしたら、次はステップ2。さらなるポイントをお伝えします。


ステップ2 いきなり変えようとしない

 まずは、自分のモデル(理想となる人)を一人決めます。そうしたら、ポイントは「ちょっとずつ」変えていくのです。

 そして、その人をまねしてみる。無理な依頼を断るときの言葉遣い、声のトーン、雰囲気、表情。依頼を断った後のさりげないフォローの仕方。そして、普段の立ち居振る舞い、姿勢、口癖など、まずは、じっくり観察することから始めてみてください。

 少しずつゆっくりと、あなたらしくなっていけばいい。誰にでも通用する「いい人」ではなくて、世界に一人の「あなた」として生きる時間を少しずつ増やしていきましょう。
いい人をやめるといっても、全面的にやめる必要はありません。「ここまでは自分にできるけれど、これ以上はやらない」ということを、あなた自身が決めていいのです。

 そう、いい人をやめるということは、「自分と相手との境界線」をはっきり定めるということ。他人からどう思われているかを気にして生きるのではなく、「あなたが本当はどうしたいのか?」を自分で決めることが、大事なのです。

 あなたにとって、心地いい時間が増えるヒントになれば、幸いです。

大平朝子
 メンタルコーチ・問題解決の専門家。国家公務員試験を首席合格。裁判所書記官として、年間2000件の裁判記録を扱う中で問題解決のある法則を発見し、独立。教育団体、女性団体、外国人リーダー向けに、講演・研修を実施。無職だった夫をベストセラー作家にした手法が注目され、女性経営者など2300人以上の問題解決に携わる。著書に夫婦初共著となる「ダラダラ気分を一瞬で変える 小さな習慣」(サンクチュアリ出版)。

[nikkei WOMAN Online 2017年2月28日付記事を再構成、日経電子版から転載]

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