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[ career-働き方 ]

就活リポート2018(3)6月1日選考解禁
内定ある人、ない人、今後の就活の進め方

authored by 日経カレッジカフェ就活取材班
就活リポート2018(3) 6月1日選考解禁内定ある人、ない人、今後の就活の進め方

 経団連が"秩序ある"採用選考活動の実現に向けて、会員企業に示している「採用選考に関する指針」では、6月1日が選考活動開始日となっています。ところが、就活生に1日のスケジュールを教えてもらうと、1次面接を受ける人もいれば、最終面接を受ける人もいるという"秩序なき"採用活動でした。

1日は1次1社、2次1社、最終2社

 都内の私立大学に通う男子学生Aさんの1日以降のスケジュールは表のようになっています。4社のうち午前の2社が1次面接と2次面接、午後の2社は共に最終面接。4社とも東証1部上場の大手企業で、もちろん経団連にも加盟しています。「3月採用広報解禁、6月採用選考解禁」という秩序ある採用選考活動は有名無実化し、秩序なき採用選考活動が繰り広げられているのが実態のようです。

 Aさんの本命企業は1日午前中に2次面接を受ける企業で、1日の最終面接の2社は1社が第5志望の会社で、もう1社は「内定辞退をしたいが、先延ばしにしているだけ」といいます。あくまでも本命は1日午前中の1社。2日以降も面接の予定が入っており、2日4社、3日3社、4日3社と土日も関係なく、面接で埋まっている状態でした

 今後、Aさんは選考が進めば進むほど日程が埋まり、面接のスケジュール調整が大変になる可能性があります。Aさんは「第一志望の結果が出るまでは調整しながら就活を続ける」と話していました。

6月は2社しか受けない

 1日に総合商社2社の1次面接を受けるBさん(都内私立大学、男性)。内定を1社持っているが、6月以降に選考を受けるのはこの2社だけ。2月にIT系企業のインターンシップに参加して内定をもらった後、就活を離れて学業に専念、5月頃に就活を再開したそうです。「内定先よりも行きたい会社を探した結果、総合商社2社になりました。今のところ他に受ける予定はありません」。

 2社しか受けないBさんに不安はないのか尋ねてみると、内定先は就活を終えるまで返事を待ってくれることに加え、総合商社がダメだったときには、あるイベントに参加する予定だと教えてくれました。6月末に開催される合同企業説明会「東京サマーキャリアフォーラム」です。同イベントは海外留学経験者を対象にした、日英バイリンガルの就活生を対象にしています。「留学経験があるので、そのイベントで就職したい企業があるかどうかを探します」とのことでした。

日程重複、オワハラ、内定辞退

 6月1日以降の就活生のスケジュールを見ると、3日、4日も面接の予定が入っており、土日返上で活動を続けることになっています。これは1日でも早く選考を進め、他社よりも先に内定を出して学生を確保したい、そんな企業側の心理が働いているからです。このため、就活生は今後、面接日時が重なった場合の対応をしなければならないでしょう。

 他社に学生を渡したくない企業なら面接日時を指定し、「その日に受けなければ選考には進めない・内定は出せない」と言ってくることも考えられます。あらかじめ、「必修の授業がある」「ゼミがある」「サークルで他大学との打ち合わせがある」など、日時変更の理由を用意しておいたほうがいいでしょう。日程変更ができない場合には、どちらの企業の選考に行くか企業の優先順位を決めることをお勧めします。

 就活を終えることを強要するオワハラや、他社の選考を受けられないようにする拘束などもあるかもしれません。昨年あった例では、就活手帳を見せるように要求した企業や、最終面接後の懇親会に出たら内定を出すという企業、内定直後に研修を始める企業、最終面接前に推薦状の提出を求める企業などがありました。今のところ昨年に比べてオワハラを受けたという話はあまり聞きませんが、今後増える可能性も否定できません。

 また、内定を持ちながら就職活動を続けている学生なら、いずれ内定辞退をしなければならなくなります。内定辞退そのものは法律上で問題ありませんので、安心してください。ただし、断るのであればできるだけ早く対応することです。「採用したい」と評価してくれた企業ですから、誠実な対応をするようにしましょう。

 内定辞退については「ホンネの就活ツッコミ論(13) 内定ラッシュで悩む学生 どうする?内定辞退」もお読みください。

1日からの1次面接が本番開始

 一方、まだ内定がない、これから1次面接を受ける、という学生も多いでしょう。

 女子学生のCさん(都内私立大学)は1日からIT企業の1次面接を受ける予定です。5月に志望業界を医療機器からIT業界に変更し、これから就活本番といったところです。周りの選考が進んでいるために焦りや不安を感じるといいますが、「まだまだ始まったばかり」と気持ちを切り替えて選考に臨むつもりです。

 できれば、地元で就職したいというDさん(都内私立大学、男性)も内定はなく、1日以降1次面接が連続します。3月、4月と第一志望だった業界を受けたもののすべて落ちてしまい、5月からUターン就職を含めて方向転換しました。地元就職に切り替えてから企業選びの基準が地元の大手企業となったため、「業種が広がりすぎて志望動機に不安があった」といいます。1日直前の31日に就職情報サービス会社を訪れ、就職コンサルタントに志望動機のまとめ方を相談、不安を解消して面接に臨めそうだと話していました。

先行組に惑わされず、1日からスタートを

 周囲に複数内定を持っている人や選考が進んでいる人がいれば、焦ったり不安になったりするのも分かりますが、選考はこれからが本番です。慌てることなく、堂々と選考に臨んでください。また、手持ちの選考中の企業が少なくなっても、選考を受けるチャンスはまだまだあります。大手企業の採用活動が終了してから採用を始めるという中堅・中小企業があります。

 また、大手企業でも採用活動を継続する企業もあります。これから複数の内定を持っている学生が内定辞退をし始めます。そうなったときに、採用計画人数に達しないために再び採用活動を始める企業が出てくるからです。

 特に採用活動を再開するような企業の場合、就活サイトなどで募集せずに採用実績のある大学にのみ求人票を出すことがあります。そうしたチャンスを逃さないように、大学の就職課・キャリアセンターに通って大学独自の求人情報を得るようにしましょう。

 内定のある人、内定のない人、1次面接を受ける人、最終面接を受ける人、さまざまな状況が混在する6月1日。すべての就活生にとって、良い1日でありますように。