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[ career-働き方 ]

歌う看護師(6)デビュー1年間で得たもの、悩んだこと、求めたもの

瀬川あやか authored by 瀬川あやか看護師、シンガーソングライター
歌う看護師(6) デビュー1年間で得たもの、悩んだこと、求めたもの

 はい、6月15日でメジャーデビュー1周年を迎えた瀬川あやかです。「歌う看護師」2年生になりました。前回は看護師として働きながら歌手としてメジャーデビューするまでのお話をさせていただきました。

「もう1年経つのか」

 どういうわけか、良過ぎるタイミングで第6回の連載が6月となりましたので、今回はそれからの1年間のことを振り返っていきたいと思います。「いやいや、こうゆうのって連載プランみたいなものがあるんじゃないんかい」というご意見があるかも知れませんが、ごめんなさい。ありません。話したいこと、伝えたいことは日々変化していくので、その時にしか書けない「生もの」みたいな記事が書ければと思っております。私の新たな決意としてお話をさせていただきたいなと思いますので、偶然と屁理屈から始まった第6回「歌う看護師」、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。

デビューを発表したバースデーワンマンライブ

6月15日でデビュー2年目

 現役看護師シンガーソングライター瀬川あやかのメジャーデビューから1年。歌手活動を始めて2回目の6月15日を意識し、最初に思ったことは「もう1年経つのか」でした。正直なところそれは「あっという間」というよりも「経ってしまった」という気持ちが多め。2年目という新人枠から押し出されることへの不安や、大小問わず常に生まれていく好奇心・願望・目標をどれだけ達成できているのかという自問自答で頭がいっぱいになったのです。「もっと頑張らなきゃ。こんなんじゃダメだ」と、瀬川あやかの2年目は例の通りネガティブに始まっていきましたが、それはデビュー当時にも思っていたことだと気がついたのです。

 デビューを発表したのは自分のバースデーワンマンライブ。「瀬川あやかメジャーデビュー」と書かれた大きなパネルを持ちながら、応援してくださっている皆様への感謝の気持ちとしてサプライズさせていただきました。とても懐かしいです。「デビューが決まって一番嬉しいのは自分」そう思っていたのに、私が驚いてしまうくらい喜び、祝福してくださったあの時のみんなの顔と感動は今でも忘れられません。前回の終わりにデビューシングル「夢日和」ができた時の話をしましたが、この時が初披露であったため余計気が引き締まったのを覚えています。

「もっと...もっと...」が溢れ出して

 それからは初めてづくしの毎日がスタートです。初めてのリリースイベント・キャンペーン・取材・ラジオやテレビの収録など憧れていた世界に一歩足を踏み入れ、戸惑いながらもワクワクするような経験をたくさんさせていただきました。行ったことのない場所へ行き、まだ見ぬ誰かへ「名前だけでも覚えてください」と自己紹介するのがやっと。目の前のことにただただ全力で取り組むことしかできなかった私は、そんな中である考えを持っていったのです。

 「"ゴール"ってないんだ」そう思いました。小さい頃の私がなりたかったのは歌手か看護師のどちらか。それからいろんな人に出会い、助けていただきながらも自分と向き合い、改めて目標にしたのは歌いながら看護師として働くこと。今の「歌う看護師」という二刀流スタイルでした。その念願が叶い、本格的に活動をしていくうちに「もっと歌が上手くなりたい。もっと心に響く曲が書きたい。もっとライブパフォーマンスのクオリティをあげたい。もっと...もっと...」と、欲がいろんなところから溢れ出していきました。

 時には理想と現実のギャップに落ち込んだり、自分の無力さに自信を喪失してしまったりすることも少なくありませんでしたが、そのたびに「もっと頑張らなきゃ。こんなんじゃダメだ」と持ち前の負けず嫌いをフル稼働させてきました。ずっと"ゴール"にしてきたはずの目標がただの通過点に変わった瞬間です。通過点は言いかえれば新しい"スタート"。そう思った時、終わってくれない果てしない道に恐怖で目が眩んでしまいそうにもなりました。しかし、同時に「夢は終わらないのだ」とパワーが湧きあがってくるような感覚を体験したのです。

早いもので1年経ってしまいました

これからも欲張り続けたい

 "スタート"はそこらじゅうに転がっています。私も偉そうなことばかり言ってられませんが、人間らしく欲はどんどん生まれてくるので、素直に欲張り続けていきたいと思っています。

 あれが足りない、これが足りないと言っていても、逆にこの1年間で得たものはたくさんありました。その中でも「出会い」は私にとって一番の宝物です。「名前だけでも覚えてください」と言っていた1年前、それからいろんな場面で人や人の気持ちに触れてきました。自分に対してもそうです。嫌いな自分もちょっと褒めてあげようかなと思える自分もいました。

 これからはその先へ行きたいです。もっと誰かの明日の辛さの感じ方を変えられたらと思うのです。もっと私にしか出来ないこと、私ならやれることがきっとあるのだと思うのです。昨日より今日、今日より明日と「今」に全力で向き合うことしかできない私なので、私なりの小さなゴールを見つめ、常にスタートから進化し続けていられるよう努力していこうと思います。

 それ以前から応援してくださっている方もいらっしゃいますが、まずはこの1年間、温かく見守ってくださりありがとうございました。そして、また1年後も「もっと頑張らなきゃ。こんなんじゃダメだ」と思えるほど歌をうたっていたいので、欲しがり続けて離さぬよう頑張っていきたいと思います。どうぞ、これからもよろしくお願いいたします。共に。