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津和野から伝えたい言葉(5)夜食は猪肉!
都会っ子大学生の山村暮らし

室賀元伸 authored by 室賀元伸
津和野から伝えたい言葉(5) 夜食は猪肉!都会っ子大学生の山村暮らし

 前回までで、職場の紹介、地方の教育に興味を持ち津和野に赴任した背景と、津和野で取り組んだ仕事についてご紹介しました。今回は、少し話題を変えて、仕事にとどまらない「津和野での生活ぶり」について取り上げたいと思います。「山陰の小京都」津和野が持つ情緒や自然の魅力を、写真を取り上げながら紹介します!

津和野でのタイムスケジュール

9:00 起床 (朝はゆっくりでした)
 朝食や洗濯、食材の買い物など。

13:30 出勤
 放課後に生徒が来るまで作業時間です。Facebookページの記事を書いたりしていました。夜は、中学生の授業(週3回)や高校生の個別指導などをしていました。

朝5時の藩校養老館の灯籠。早朝の津和野も風情があります

休憩時間には、HAN-KOHから徒歩1分の和菓子処「三松堂」さんで、ほっと一息。津和野にいた1年間で、自分の食生活の中に和菓子文化が根付きました


22:30 帰宅・ランニング
夜のランニングは、1年間欠かさず続けることができました。夜になると、夏でも気温が落ちて涼しく走りやすかったです。その成果として、この1年で心拍数が48になりました!

25:00 就寝 

 住居に関しては、町に準備していただいた古民家で暮らしていました。エアコンはありませんでしたが、夏の夜は気温が落ちるので涼しく、快適でした。冬は屋内でも常時、息が白くなるほどの寒さだったので、ストーブは必需品です。

通勤路です。実はこの道、森鷗外宅から藩校養老館までの「通学路」でもあります

猪肉は、豚肉と牛肉の中間のような味で、食べ応え十分でした


 また、津和野の地域おこし協力隊のなかには、イノシシ肉のジビエに挑戦している女性隊員もいました! 冷凍庫には、彼女からお裾分けでいただいた猪肉が常に入っていて、夜食に食べていました。「猪肉はくさい」という方も多くいますが、津和野の猪は臭みもなく、歯ごたえもあり本当に美味しかったです。まさか、猪を日常的に食べることになるなんて、津和野に来る前は思ってもいませんでした。

パックス・ツワーノ!?~津和野の休日~

 週末は、部屋でのんびりと趣味のJリーグ観戦をしたり(スカパー契約をしておいて大正解でした)、町内を散歩して過ごしていました。盆地である津和野は四季の変化が分かりやすく、特に春と秋は、散歩していて本当に心地良かったです。また、先月東京に戻ってきてから感じることですが、津和野は本当に空がきれいだったなと。ありきたりな言葉になってしまいますが、「見ているだけで心が洗われる」ことを体感できました。

津和野の春夏秋冬を象徴した1枚を厳選しました



 また、友人たちも遊びに来てくれました。田舎暮らしは楽しいこともありますが、時には「孤独感」と闘うこともあります。さまざまなことが思ように進まず、精神的に厳しかった夏の時期、大学や高校の友人、バイト先の先輩たちがはるばる津和野まで来てくれました。友人の存在には救われる思いもしましたし、本当に感謝しかありません。

 津和野高校の文化祭期間に来てくれた友人には、観光客へのインタビュー企画で緊急出演をお願いしたり、大学の友人には職場のHAN-KOHで、生徒たちと交流してもらいました。また、津和野だけでなく、隣接する観光名所の萩市なども案内して回りました。友人たちも「津和野に流れる緩やかな空気感に癒された」と満足げに東京へ帰っていきました。

津和野城跡にて。「地方創生や教育格差といった難しい問題はよく分からないけど、挑戦している室賀がいるから来てみた」と言ってきてくれた高校時代の友人たちと

日本三大火祭りに入る「山口七夕ちょうちんまつり」。その発祥は室町時代といわれ、多くの観光客や地元の方々でにぎわっていました


 島根県最西端に位置する津和野町にとって、最寄りの都市は山口県山口市です。山口市へは、鉄道で80分ほどかかりますが、山口市は明治維新の発祥地である萩市に隣接しているため、その歴史と伝統はさることながら、非常に強いアイデンティティと一体感も感じました。

山口県立大学で行われた、「第3回COC地域活力創生フォーラム~レノファがもたらす山口の地域活力」に参加した時、レノファ山口の応援番組から取材を受けました

 例えば、山口県唯一のプロサッカーチームであるレノファ山口。その名の由来は、Renovation(革新・維新)とFight(闘い)です。J2リーグ初参戦となった昨年、レノファ山口は攻撃的なパスサッカーで強豪クラブを次々と破り、Jリーグに旋風を巻き起こしました。名前負けしない堂々たる闘いぶりに惹かれ、気付けば自分も山口市の維新公園スタジアムに通っていました。

 今年、レノファ山口は県内全ての市町村とホームタウン協定を結び、地域密着型のプロサッカークラブとして、サッカーを通じた山口県の地域おこしに取り組んでいます。「地方創生」が叫ばれるなか、その言葉ばかりが一人歩きしがちに思えていましたが、津和野町と山口県の挑戦を傍で学べた1年は、本当に実りある時間でした。

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