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マクドナルド、裏メニューで崩す朝の壁

マクドナルド、裏メニューで崩す朝の壁

 日本マクドナルドは5月8日、具材を自由に選んで定番バーガーに加えられる「裏メニュー」の販売を朝にも広げると発表した。昨年好評だった期間限定の取り組みで、今年は5月10日から朝メニューまで組み合わせられるようにして始める。全体の組み合わせ数は実に583通りで、昨年の285通りから一気に2倍強に増える。ここ数年の朝活などで外食の朝需要は伸びてきたが、すぐに商品を買えるコンビニエンスストアが強い。裏メニューを朝にも広げ、外食の朝の壁を崩せるか。

 ゴールデンウイーク明け早々、マクドナルドが仕掛けた。昨年人気だった裏メニューを今年も投入してきた。レギュラーメニューは16種類のバーガーにスモークベーコンやトマトなどの具材を選べ、昨年よりも多い544通りの組み合わせを実現したが、今回の秘策は裏メニューを朝にも広げた所に狙いがある。

 5月8日、都内で開いたキャンペーンの発表会。「裏メニューが朝にも登場します」。メニューマネジメント部の若菜重昭上席部長は語った。朝の裏メニューは朝マックの13種類のバーガーにスモークベーコンを3枚まで組み合わせが可能で、組み合わせは39通りになる。例えば、ソーセージエッグマフィンにスモークベーコンをプラスして「裏ソーセージエッグマフィン」になる。

マクドナルドは裏メニューを朝にも広げて、コンビニから需要を奪いたい考えだ(5月8日、東京都内)

 マクドナルドはファストフードの中で早くから朝に注目してきた。特にコーヒーの需要が大きいとみて、2012年には専任のバリスタが本格カフェコーヒーを提供するコーナー「マックカフェ バイ バリスタ」を開いたほどだ。「コーヒー販売のライバルは喫茶店ではなくコンビニエンスストアなどの中食だ」。原田泳幸前会長兼社長はコンビニの需要を取り込んで、マクドナルドを成長させる路線を描いていた。

 ただ、外食で朝が盛り上がっているとは言いがたい。マクドナルドは「朝の売上比率は伸びてきている」とは言うものの、その割合は1割程度にとどまるとみられる。他のファストフード大手の社長は「サンドイッチやおにぎり、コーヒーなどを手軽に購入できるコンビニで購入する人が多く、朝は圧倒的にコンビニが強い」と危機感を示す。

 だが、朝は外食にとって垂ぜんの的だ。昼や夜のピーク時間帯にどれだけ多くの客が訪れても回転率には限界があり、売り上げの伸びしろは小さい。一方、割合が小さい朝は伸ばせば、売り上げ増に大きく貢献する。マクドナルドの4月の既存店売上高は前年同月比12.7%増。増収は15年12月から17カ月連続だが、今後も増収基調を維持するには朝を伸ばすことが必要となる。

 マクドナルドは1月に5年ぶりにコーヒーを刷新するなど手を打ってきた。働き方改革による残業制限で、社会全体にも朝に再び注目が集まっている。待望の裏メニューを朝に投入し、コンビニから朝の需要を引きはがせるか。
(栗本優)[日経電子版2017年5月8日付]

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