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IT=ブラックは昔の話? IT女子のワークスタイル

ホンネの就活ツッコミ論(14)

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NIKKEI STYLE

2013年、新語・流行語大賞に選出されたのは「ブラック企業」でした。以降、働き方やワークライフバランスが注目されるようになり、現在の働き方改革につながっています。さて、ブラック企業と言えば、IT業界に多い、と言われ続けました。現在でも、学生には「IT=ブラック」と思い込んでいる方が多いようです。

それでは、IT業界はブラックで男性社員だけか、と言えば今は昔の話。女性社員が相当数増えていますし、ワークライフバランスも重視する企業が増えています。これを示すのが2017年5月22日の日経MJに掲載された「IT女子合コン席巻 華の『CA』今はサイバーエージェント」です。

CAと言えば、キャビンアテンダント、すなわち航空会社の客室乗務員の略称であることは誰も知っていること。しかし、記事ではIT企業であるサイバーエージェント(CA)が合コンを席巻しつつある、とのこと。というわけで、今回は、記事中に出た女性誌の文献調査を中心としてIT業界の女性社員事情をまとめました。

合コンでもそれ以外でも「遊びも全力」

合コンでもてるのは、「合コンで仕事の話をするとスマホを見始める女性も多いなか、CAはどんな話にも食いついて盛り上げる」積極性が魅力、と記事に登場する男性は語ります。サイバーエージェント以外にも、求人サイトを運営するネオキャリアの女性社員は、「週3回の飲み会に社内フットサル部のマネージャー、英会話教室から果ては都内の温泉まで毎晩予定を欠かさない」(記事)。では遊びだけか、と言えばそうではなく、仕事も仕事できっちりこなすそうです。

オシャレ女性の編集長証言から文献調査

記事中には女性誌『Oggi』(小学館)の守屋美穂編集長が「読者モデルなどIT女子の登場が増えている」「研究熱心だけど、男性同様働いているのでとがり過ぎないIT女子は時代の空気にぴったり」と、コメントしています。

この『Oggi』は20代後半から30代の女性が主読者の女性誌です。では、どれくらい増えているのか。という素朴な疑問をもとに同誌の2016年1月号から12月号まで文献調査をしてみました。読者モデルが登場するオッジウェスト、オッジェンヌというページから、職業欄を調べてみました。

両コーナー合わせて毎号30人前後登場しています。女性誌だけあって、「エステサロン経営」「美容スクール講師」など男性誌や新聞投書欄ではまずお目にかからない職業もありました。では、航空会社は、と言えば意外と少なく、2016年8月号に1人出ているだけ。一方、IT業界は少ない月でも2人、多い月だと6人、登場していました。割合で言えば1割前後は毎号占めています。金融業界やメーカーなども多いので一番とまでは言いませんが、多いことは確かです。

バックナンバーからわかるIT業界の変化

この『Oggi』、スマホの記事について「スマホブスにならない」など男性誌にはないセンスに思わず読んでしまいました。すると出てきたのが「仕事を楽しむ、自分を楽しむ」という連載。社会で活躍する女性を取り上げて、仕事やプライベートを紹介していく内容。2004年2月に開始、現在も続いている連載です。

付言しますと、5月27日刊行の7月号には、日経MJに紹介されていたサイバーエージェントが登場しています。13年も続いている連載、しかも、女性の働き方が大きく変わる現代に、と興味を持ちました。そこで、国立国会図書館でバックナンバーをひたすら読破、文献調査をしました。

刺繍職人から始まった連載はその後、専門職が中心を占めます。IT業界は2006年3月号のWEBプロデューサー、そして2007年1月号のマイクロソフトが目立つ程度。2007年1月号掲載の女性(29歳)は、一度、大手プロバイダー企業に入社し、2005年、マイクロソフトに転職します。記事には次のようなコメントが載っています。

「マーケティングに関われるという仕事内容はもちろん転職の決め手になりました。もう1つ、入社前に話をお聞きした先輩、最初に入った部署の上司なのですが、その方がワーキングマザーだと知って、仕事と子育ての両立にとても理解ある会社なのだなと感じました。その方は10月からふたり目の産休に入られましたが、私もいつか子供をもちながら働きたい、そしてここならできる」

マイクロソフトが2007年時点からワークライフバランスや女性の職場復帰制度を整備していたことが明らかです。一方で、「ここならできる」とのコメントから前職の大手プロバイダー企業では難しかったことも示唆しています。マイクロソフト掲載から10年、2016年1月号には楽天トラベル事業部のグループリーダー(31歳)が登場。2007年入社、2010年結婚、2011年長女を出産、育児休暇を経て2012年に復帰、とプロフィール欄にあります。

「産後、復職をしてからは、以前より時間を大切に使うようになったと思います。育児をしながら働くのは想像以上に大変でしたが、同じ社内で働く夫のサポートもありますし、やめようと思ったことはありませんね」

復職後に成果をあげた社員に贈られる楽天賞を2度も受賞したこの女性は最後にこんなコメントを出しています。

「私はおばあちゃんになっても、企業で働いていたいんです」

大手以外でも進むワークライフバランス

マイクロソフトや楽天など大手企業がワークライフバランスに力を入れるのは当然と言えば当然です。では、もう少し規模の小さな企業はどうでしょうか。「弊社の新卒採用は例年3割前後が女性です」と話すのはクロスキャットの江本豊・広報担当。

JASDAQ上場企業であり、金融機関の決済システム、ソフトウェア開発などが主力です。社員数は542人。2016年から奨学金返済支援制度(最高100万円まで肩代わり)を始めたことで注目されました。終業後のプライベートな活動までは、としながらも、「ランニング部ができたこともあって、仕事の後や休日に走っている女性社員は増えていると聞いています」。

ユーザックシステムは、流通のパッケージ開発が主力。社員数は約100人と規模は大きくありませんが、女性社員は約3割を占めます。人事部人財採用担当の樋野文人さんは、「弊社は大手企業ほどワークライフバランスの制度が充実しているわけではありません。とはいえ、今後、社員が安心して働けるように、重視していかなければならない課題です。ここ10年は結婚・出産後も職場に復帰する女性社員が増えています」と。

IT=ブラック、とする発想が古い、とも樋野さんは話してくれました。「弊社に限らず、IT業界全般でブラックと言われるほど過労寸前まで働くのは10年以上前の話でしょう。長く働いてもらうためにも社員を大事にする企業が大半です」。もちろん、大手・中小・零細を問わず、法令違反をする企業はあります。ただ、それがIT業界の場合、過去のイメージから「ああ、やっぱり、ブラックなんだな」とさらに誤解されてしまいやすい、それが現在の「IT=ブラック」の実態なのではないでしょうか。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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