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卓球人気に乗れ
スヴェンソン、東京・渋谷に複合施設

卓球人気に乗れスヴェンソン、東京・渋谷に複合施設

 ヘアケア商品のスヴェンソン(東京・港)は6月8日、渋谷に卓球場やショップ、レストランが入る複合施設を開業する。卓球スクールで練習しつつ、関連商品の購入や食事を楽しんでもらう。同社はかつら販売が主力だが、新たな事業の柱に「卓球」を据える珍しい企業でもある。最近の日本人選手の活躍もあり、卓球人気はじわりと高まっている。同社は新規顧客を掘り起こし、施設全体で年2億~3億円の売り上げを目指す。

 「卓球が世間で響いていると感じる」。都内で7日開いた記者会見の冒頭、児玉義則社長は最近の卓球を取り巻く環境を熱く語った。ドイツで5日まで開かれた「世界卓球2017」では日本人選手の活躍が注目を浴び、追い風が吹いている。

卓球スクールとレストランが併設

 スヴェンソンが手がける複合施設「T4 TOKYO」は渋谷駅から徒歩6分ほど。地下1階、地上1階の2フロアで、店舗面積は約330平方メートル。4月に設立した全額出資子会社、スヴェンソンスポーツマーケティングが運営する。渋谷には若者や外国人が多く集まり、再開発でIT(情報技術)関連企業などのビジネスパーソンも増えており、出店に適した場所と判断した。

スヴェンソンがオープンする卓球・レストランの複合施設(東京・渋谷)

 特長の一つが卓球スクールだ。地下1階に2部屋を設け、老若男女を対象にした通常コースと、有名コーチが指導するVIPコースを用意する。通常コースは主婦や年配者、サラリーマンらの利用を想定。VIPコースでは夜に最大20人まで可能なパーティースペースとしても使ってもらい、卓球をしながら飲食を楽しむことができる。

 1階には卓球ショップを開設。60平方メートルほどの広さにラケットやラバー、ウエア、シャツを取り扱う。スヴェンソンは世界卓球で8強入りした丹羽孝希選手とスポンサー契約を結んでおり、店内では卓球男子日本代表のウェアも数量限定で発売する。同じフロアにはイタリアンレストランも併設。パスタや肉料理、ビールなどを提供する。夜の平均単価は3500~4000円を見込む。

 スヴェンソンは1984年の創業。かつらやヘアケア商品の販売が主力で、日本で初めてかつらの定額制システムを導入した企業として知られる。16年3月期の連結売上高は約118億円だった。このような会社が、なぜ卓球にこれほどまで力を入れるのか。

創業者は元日本代表、今は明大総監督

 カギを握るのが創業者の児玉圭司会長だ。東京で開かれた56年の世界選手権でベスト16入りするなど日本代表選手として活躍。引退後は日本代表選手団の監督を務め卓球の発展に尽力してきた。マイナースポーツで根暗のイメージがあった時代から卓球に携わり、現在も明治大学体育会卓球部の総監督に就いている。卓球事業は企業理念に掲げる「美と健康と環境」の一つとして続けてきた。

 14年に始めた卓球スクールは現在、自由が丘や横浜などで計7店舗を展開。コーチがマンツーマンで教えるのが特徴で、昼間は40~60代の主婦、夕方は小中学生、夜はビジネスマンでにぎわう。現在は予約が取りづらいほど人気となっている。

 スヴェンソンによると、少子化のなか卓球人口は増え、日本卓球協会の登録者は30万人を超えているという。年3%程度の伸びが続き、競技人口は900万人規模とされる。20年の東京五輪に向け一段の市場拡大が見込まれる。定額かつらで業界に新風を吹き込んだように、「卓球日本」の勢いに新ビジネスも乗っていけるか注目だ。
(原欣宏)[日経電子版2017年6月7日付]

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