入社企業を選ぶのは「判断」ではなく「決断」
人事部長のひとりごと(15)
学生の皆さん、こんにちは。株式会社HDE人事部長の高橋実です。(HDEは企業向けクラウドサービスの自社開発、販売をしており、7,000社以上の企業の導入実績があるトップシェア企業です)。就活中の人は、暑くなってきたので体調を崩さないようにしてくださいね。
今回は、これから皆さんが「働く企業を決める」時に、大切にしてもらいたいことをお伝えしようと思います。
「判断」と「決断」の違い
就活生の皆さんはこれから内定をもらい、入る会社を決めなければいけません。皆さんは何を考えて、入社する会社を決めますか?入社する企業は、1つだけしか選ぶことができない。でも、「給料が高いから」「福利厚生がいいから」「大手企業だから」「社員教育が充実しているから」。こういう材料を並べて比較するだけで、決めていませんか?
働く先を決めるときには「判断」ではなく「決断」が必要になります。「判断」というのは「材料を集めて、その真偽を見極め、決める」。これに対して「決断」は「自分の"意思で"決める」ということなのです。就活では「決断」、つまり「自分の意思で決める」ことが必要になります。
客観的事実、そして周囲の声や見栄など(これは全て「材料」です)だけで決めてしまうと、「一般的にいい会社」を選ぶだけになり、自分の意思がなくなってしまいます。大事なのは「自分の価値観に合った会社を、自分の意思で決める」ことなのです。
もし仮に、入社した会社で、嫌なことがあったとします。するとたいていの人は「ああこの基準で選ばなければよかった」と材料のせいにしてしまうのです。自分の価値観で「決断」をすれば、決めたのは自分。じつは、決断を他責にすることが、キャリアの選択で一番やってはいけないことなのです。
「決断」は、勇気がいります。まだ見えぬ将来を決めることは、とても怖いことかもしれません。恐らく生まれて初めての「決断」をするタイミングが迫っています。でも、しっかりと自分と向き合えば、必ずいい未来が待っているはずです。
内定は「マラソンのスタート前」でしかない
さて、いよいよ内定をもらったら、社会人としてのキャリアがスタートします。内定をもらえれば、安心しますよね。でも、ちょっと待ってください。
内定が「ゴール」になっていませんか?
内定というのは「その企業に入社する権利をもらったこと」に過ぎません。実際の社会人としてのキャリアのスタートは、「入社日を迎えてから」になるのです。内定は、まだキャリアのスタートラインにすら立っていない。マラソンで言えば、「マラソンのスタート前の体調管理や準備運動をしている時」なのです。
いざ社会人になったら、今より自由になる時間が少ないと思っていいでしょう。だからこそ、今学生である時間を大切に、有意義に使ってください。自分を高めるために何ができるかを考え、自分の強みを作るべく行動してみましょう。応援しています!
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