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内定辞退のときに忘れてはいけないこと

どうする? 女子のキャリア(20)

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NIKKEI STYLE

就活が短期化した今年は、既に複数の内定を獲得し、「就活も終了」と息をついている方も多いようですね。みなさんの進捗はいかがでしょうか。

先日、今年の学生の印象について、ある大手企業の役員の方に聞いてみたところ、「御社は第一志望ではないのですが...」と率直に述べる学生が多くなっている、と話してくれました。志望が弱くなったとか、「失礼だ!」などネガティブに感じるというのではなく、複数内定が当たり前の中での率直なコミュニケーションで、企業としても「ウソをつかれているのでは」と警戒したり、後で失望したりといったことが少なくなって、気持ちがずっと楽だとも教えてくれました。私もとても共感し、良い時代になってきたのだなと思いました。

内定は企業のプロポーズ

就活は企業と学生の化かし合い、「ウソ」はつきもの。志望動機や志望順位をなんとか本当らしく見えるように伝え、「内定(内々定)」の言葉を聞くまでは、企業の好みにどこまでもあわせて行動する......。そう考える方も多いかもしれません。でも、一方で、企業は学生を選抜するときにウソはつけません。多めに内定を出したはずの学生が全員入社しそうで人数が膨れ上がったとしても、「見込んでいた内定辞退が出ないから、あなたの内定を取り消す」と言われたり、「あの学生が辞退したらあなたに内定を出すから、しばらく時間をください」なんて言われたりすることも、ほぼあり得ないことです。

つまり、企業にとっては、内定はプロポーズと同じ。覚悟を持って握手を求めているのです。そこに至るまでのプロセスでは、探り合いや駆け引きもあるでしょうし、学生の方が弱者だと感じるシーンもあるでしょうが、内定までいったらもう企業には切り札はありません。だからこそ、「オワハラ」だとか「過度の拘束」だとかが問題となるのでしょうね。

内定後は、企業にとっては「たったひとりのあなた」でも、多くの学生にとってみれば「複数内定のひとつ」。どの企業にも働く人がいて、それぞれに魅力や課題があり、あなたを欲しいと思っている度合いにも差があることでしょう。内定者の雰囲気や社会的にみた将来性など、学生にとっても「どの内定先を入社企業にするか」を決めるには、多くの迷いが生じるのは当然です。

でも、複数の内定を獲得したら、心がけてほしいなと思うことがふたつあります。ひとつは、「入社を辞退する企業には、一刻も早く伝える」ということ。ふたつめは、「言いにくいことから逃げない」ということです。

内定辞退のマナー指南では、「将来、ビジネス上でどのようなつながりがあるかわからない」「辞退が理由で出身大学の学生が採用されなくなるかもしれない」といった理由から、「丁寧に対応しよう」と呼びかけるメッセージが目立ちます。そして、メールや手紙のテンプレートもたくさん紹介されています。けれども、これらのメッセージには「今後、自分やその周辺が損しないように」という目的ばかりが目立つように思うのです。確かに、内定辞退を安易に考えてはいけない、様々なリスクがある、という警鐘については、その通りなのですが、私は内定辞退を自分の損得だけで考えることそのものに疑問を感じます。

採用はゲームでも私情でもなく、ビジネスであり投資活動です。内定を断る、ということは、取引の終了を一方的に告げることを意味します。これまでの相手の対応に感謝し、これから相手の損害が最小で済むように考えながら、「お別れ」するのがビジネスマナーではないでしょうか。

内定辞退を伝えに行ったらコーヒーをかけられた、とか、罵声を浴びせられた、といった逸話や噂はいつの時代も存在しますが、誠意のある対応をしてこのような目に遭うことは、コンプライアンス重視の現在では滅多に起こらないでしょうし、万が一、納得できない対応をされたとしても、学生を守る手段は法的にも風評的にも数多くあると思います。

社会人としての最初の仕事!

学生の方は、「この会社は面接の練習台だった」「とにかく内定がもらえればどこでも良かった」といった動機だったとしても、企業は重要な仕事として学生と会い、対話し、口説いて、なんとかプロポーズまでこぎつけたわけです。それを待たせたり断ったりするのであれば、相手を慮る人間力が必要だと私は思います。自分の行為を正当化しようとしたり、いつまでも気を持たせるようなあいまいな態度を取ったりせずに、きちんと謝罪する。

そのためには、一刻も早い方がいいに決まっていますし、できればメールや手紙のみ、というのは避けて、まずは電話をかけて話すのが良いと思います。言いにくいからといって、一方的な通達で済ませるのではなく、ちゃんと自分の言葉で話すことです。言いにくいことこそ、対話する。これはビジネスでとても大事なことです。ミスやトラブル、取引の終了、人事や評価のフィードバックなど、仕事をしていく上では、いつでも「言いにくいこと」をどう伝えるか、相手にとって最良の伝え方は何かを考えることがつきまといます。だからこそ、「これは仕事」と受け止め、仕事として最良の結果となるような内定辞退を心がけてほしいのです。

企業によっては、電話だけで済むこともあれば、「会って話そう」と言われることもあるでしょう。第一志望の企業名を聞き出そうとする場合も、自社のどこがダメだったか聞かれる場合も、もっと言うと「翻意」を促すような口説きもあるかもしれません。それでも、「自分を守る」ことだけでなく、相手のビジネスに役に立つことを前提に、毅然として心ある、あなたらしい対応をしてください。恋愛と違ってビジネスですから、そうそう怖い目には合わないと思いますよ。それよりも、「本当に惜しい人に辞退されたな。一緒に働きたかった」と感じてもらえることの方がずっと多いのではないでしょうか。

内定獲得は、社会人への記念すべき第一歩です。最初のビジネスが、「言いにくいことを最善の形で伝える」ミッションだなんて、逆に本当に良い経験だと思います。もし今、あなたが複数の内定先を持ち、結論を出すのを延ばし延ばしにしたり、他の内定を得るまでの保険程度に軽くしか考えていないのであれば......、一度こういった視点でも「内定辞退」を考えてみてほしいなと思うのです。あなたの人間力が問われていることを忘れずに。

堂薗 稚子(どうぞの わかこ)
1969年生まれ。92年上智大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材系事業の営業職を経て「就職ジャーナル」副編集長、「リクナビ派遣」編集長、カンパニーオフィサー、ダイバーシティ推進マネジャーなどを歴任。13年、株式会社ACT3設立。女性活躍支援など、企業の組織開発・人材開発にかかわる調査・企画立案、コンサルティング・研修・講演などを行う。著書に『「元・リクルート最強の母」の仕事も家庭も100%の働き方』(KADOKAWA)。二児の母。

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