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[ skill up-自己成長 ]

早稲田大ワークショップ2017(6)人生の先輩から学ぶ
~今からみんなが出来る
「自分の持ち方」~

authored by 早大ワークショップ受講生
早稲田大ワークショップ2017(6) 人生の先輩から学ぶ~今からみんなが出来る「自分の持ち方」~
 この記事は、早稲田大学の2017年度学部横断型授業「プロフェッショナルズ・ワークショップ」の日本経済新聞社実施講座を受講した学生による作品です。昨年、一昨年に引き続き、今年も4月から6月まで講座を実施しました。「日経カレッジカフェのコンテンツを作成しよう」という課題に対して、33人の学生がメディアの仕組みや取材、記事の書き方について学び、6グループに分かれて実際に独自記事を作成しました。他のグループの作品は以下からお読みください。
【早稲田大ワークショップ2017】
最優秀賞「留学生も早大生~WASEDAは本当にグローバル?~」
優秀賞「つぶやくことが仕事です!Twitterの「中の人」は何をしている!?」
「あなたの日常はもっと輝く 東大襖クラブに学ぶ大学生の『生き方』」
「就活だけでは不十分?!元早大講師に聞くキャリア形成」
「お前の人生を取り戻せ」~内定を蹴り世界一周の旅に出た僕が君たちに言いたいこと~

 夢もなく、ただ大学に通い、普通に就職して安定な生活を望む学生。これを読んでいるあなたも、そんなダラダラ毎日を過ごしている大学生の一人ではないだろうか。今回、そうした風潮とは一風違う生き方をする二人にお話を伺ってみた。一人目は7回の転職を重ねた人材コンサルタントの黒田るな子さん。二人目は多彩な仕事や肩書きを持ち早稲田大学でも教鞭を執るトミヤマユキコさん。おふたりの共通点などからこれからの我々の生き方を探ってみよう。

「転職は人生の習慣」「肩書きは受け取る人のためにある」

 まずお一人目は、明るく元気にインタビューに応じていただいた黒田るな子さん。経済産業省、NTTドコモ、PWCなど計7社・団体での勤務を経て、現在はアステラス製薬の社内人材コンサルトをされている。合計5年に及ぶ米国滞在経験を通じ、"グローバルな環境で世の中を良い方向へ変えられる仕事"への従事を目指し転職したという。「自分の力がより発揮でき、成長の伸びしろがある職場を選んできた」と話す。「転職は人生の習慣」と考え、計画倒れに終わらずアクションを起こし成果を出すことがモットーだ。「人を変え、組織を変え、組織が世の中を変えることを目指している」と黒田さんは語ってくれた。

 一方、少女のようなにこやかな表情で応対していただいたのがトミヤマユキコさん。トミヤマさんはライター、早稲田大学助教、パンケーキのエバンジェリストという様々な仕事や肩書きを持つ。「私は肩書きを持ちたくて持っているわけではない。やりたいことをやってきた結果、肩書きが多くなってしまった。肩書きは受け取る人が混乱しないためにあるもの。私のことはどんな風に紹介してくれてもいいです」と、トミヤマさんは肩書きにこだわらない。

 「私は紹介屋。中心にいる人間ではなく、周縁にいるマイノリティーと呼ばれる側に立って、世の中とマイノリティーの橋渡しになりたい」。トレンドを伝えて、それで洗脳するのではなく、マイノリティーと繋がるきっかけ作りをしているようだ。

「こうなりたい!」という理想の自分を想像する

挑戦し続け、常に前向きな黒田さん

 黒田さんは「私の人生における軸は"世界と接点を持つ事"と、"世の中を変える事"という2つです」と言う。これらの軸は、大学在学中の米国留学体験と、友人の自殺という二つの出来事がきっかけでできたそうだ。彼女の大学生当時、経済的に豊かとはいえ多様性が乏しく閉塞的だった日本社会。そんな社会を変えられるような自分を目指した結果、7回の転職をすることとなった。「転職や米国長期滞在など、違う環境に飛び込むのには勇気がいるが、一歩を踏み出すことで見える世界が大きく変わる。どんな場所でもたくましく生きていける雑草のように生きていきたい」と強い眼差しで語った。

 今年で50歳になられる黒田さん。「目標を持ち続ければ人は何歳からでも、どこでも成長できる」と言う。机上で考え悩むのではなく、まずは行動する。行動して目標に近づいているかを、ときおり顧みる。「なりたい自分になれる場所が他の職場でありそうならば転職をすれば良い」といえる潔さに、取材者一同は感銘を受けた。

怒りの感情も生きる上での原動力になる

多彩な仕事をこなすトミヤマさん

 一方、トミヤマさんは生きる上での原動力は、世の中への怒りの感情やモヤモヤする違和感だと話す。ご主人はバンドマンだというトミヤマさん。バンドマンは付き合ってはいけない3Bの一つ(残りは美容師とバーテンダー)に挙げられるそうだが、そんなバンドマンと結婚していることをよく思っていない人が多い。「旦那自身をなぜバンドマンとひとくくりにするのか。なぜ大雑把に見るのか」と思ったそうだ。トミヤマさんはその怒りを逆手に取り、バンドマンのご主人と過ごす日々をライターとして記事にした。そのまま怒るのではなく、何かを行うエネルギーとして使ってやろうとすることが大切だと語る。

 研究においても怒りが原動力という。トミヤマさんは少女漫画を研究している。少女漫画というと「恋愛漫画でしょ?」「所詮、大人の読むものじゃない」と決めつけられることもあるが、彼女は「少女漫画には恋愛だけじゃなく、色んなレイヤーがあるのに、なぜこうだと決めつけるのか」と違和感を覚えた。その違和感が原動力となり、少女漫画から離れてしまった人や普段読まない人に向けて、好奇心を持てるよう紹介している。

人とのご縁を大切に、見返りを求めずに自ら与える姿勢

 7回の転職をされた黒田さんは「人からの紹介で成功した転職も多い」と語る。利益やビジネスで役立ちそうだという理由での人間関係は脆く、利益に関係なく共感できる人を大切にすることが、結果的に豊かな人間関係に繋がるという。例えば、相手に「○○大卒だからあの人はお嬢様だろう」というレッテルを張らずに、まずは本当の自分を上手に表現する。そうすれば相手も自然と心を開いてくれる。先日、彼女が早稲田大学で行った講演でも、開始前に学生に対して「今日はなんでも聞いてください!なんでも答えます」と言った。このような一言に彼女の生き様が表れているのだろう。

ニューヨークでのヨガの風景

 黒田さんはニューヨークでヨガの講師の資格を取得した。その過程で世界各国から集まった個性豊かな仲間と9週間を共に過ごす。「何でもアリ、どんな生き方も自分次第で出来る」事に気づき、何かが吹っ切れたという。その経験が大きな転換点となった。

 「人の縁」は、トミヤマさんとのインタビューでも頻繁に出てきた言葉だ。フリーライターとして記事の題材は、自分一人で決めるのではなく、編集者との雑談や飲み会でのたわいもない話の中で決まることが多いという。ライターという職に就いたきっかけも、大学時代に編集者とした飲み会がきっかけだという。最近は教え子が仕事の依頼をしてくることもある。「私は一度つかんだ縁は離さない」と言い切る。

 トミヤマさんは縁の作り方も大切だと語る。彼女はSNSをやっていないし、ライターとしての営業もかけない。そのため、仕事相手の連絡先を入手するのもひと苦労である。「その苦労を尊重したい。インターネットが発達し、テキストが中心の現代だからこそ、オフラインでの対面でのやりとりが大切なのです」

今を生きる大学生へのメッセージ

黒田さんからのメッセージ―

 「常に目標を持って、時間を大切にいろいろな事に挑戦し、自分の足でいろいろな大人に会いに行ってください。そして出来ること、やりたいこと、やるべきことの3つが調和する自分の理想を探してください。"就職=終職"ではありません。働き方にひとつの正解はない。自分の道を探してください」

トミヤマさんの近著

トミヤマさんからのメッセージ―

 「特に学校生活になじめてない学生の皆さんへ。勝ち組とみなされなくても楽しい人生はいっぱいあります。学生生活の中で、これまでやったことのない、いろいろなことをとにかくやれるだけやって、つまみ食いしてください。そして世界を大雑把に見るのではなく、細かく見ることが大事です。固定観念にとらわれない生き方をしてください。就活生の皆さんへ、自分らしさを出すことを恐れないで、人間味を出すようにしてください。弱み、自分らしさを見せることでその正直さ、素直さにチャームを感じ、興味を持ってくれる大人はたくさんいます」

 トミヤマさんは大学生に向けて、「大学一年生の歩き方 先輩たちが教える転ばぬ先の12のステップ」という本を書いたという。ぜひ一度読んでほしい。(おわり)



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