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インド人学生との厳しい競争 外国人サバイバル術で乗りきる

インドでMBA(5)

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NIKKEI STYLE

今回はインドのMBA (Indian School of Business、インド商科大学院、ISB)での厳しい競争のなかでどのようにサバイバルし、生き抜く術を身に着けたのかについて書かせて頂こうと思います。

平均以上の成績を維持し続けないと即退学!

ISBの成績はクラス内の統計によって決まる為、科目ごとにA+評価の学生もいれば必ずC評価の学生もいます。私自身も以前に受講した科目では、総合で100点満点のうち73点だったのにもかかわらずC評価を受けてしまったことがありました。たとえ7~8割以上の点数を獲得したとしても、周りの学生の出来が自分よりも良ければ容赦なく低い評価を喰らってしまう厳しい競争の世界です。ISBでは在学期間を通じて最低でも平均B-評価以上を常に維持し続けなければ卒業できないどころか強制退学となってしまうため、普段は友人であるクラスメイトも授業においては成績を競い合うライバルになります。

例えばネゴシエーションのクラスでは、各チーム間で価格交渉のロールプレイを行うのですが、その結果(勝敗)がそのまま各人の成績に直結します。つまり、勝ったチームはA評価で負けたチームはC評価、引き分けならB評価、時間内に交渉がまとまらない場合は両チームD評価といった具合です。また、各チーム間での成績の優劣をはっきりさせるだけに留まらず、チーム内においても個々人の貢献度をメンバーがそれぞれお互いに評価しそれが成績へと直結することになるのでフリーライダー(チームメイトに任せてグループワークをサボること)になることももちろん許されません。そのため、グループワークでは如何に自分のチームに貢献するかを考えながらも、一方で他のチームとの競争においては手ごわいインド人を相手に如何に出し抜くかを考えることが求められます。

速さで敵わないなら早さで勝負

前回のコラムでも書きましたが、MBAでこれまで経験した中でも何よりも苦しかったのは、グループワークでチームに貢献したいのに何も貢献できないといった無力感でした。特に何もできなかった最初の授業での挫折以降は、「自分は何の価値を生み出しどのように貢献できるのか?どこの領域でなら戦えそうか?」を常々考えるようになったのですが、その中で見つけた私なりの答えの一つが、"速さで敵わないなら早さで勝負する"といった方法でした。基本的に週末の授業が終わったらみんな疲れているので、その日にまだ残り一週間以上の日限がある宿題に手を付けるような学生はさすがにISBにもほとんどいません。そこで考えたのが、授業で渡されたグループワークのケーススタディにおける重点になりそうなポイントを、その日中に誰よりも「早く」たたき台としてディスカッションペーパーにまとめチームに共有することでした。

このような形でアサインメントのたたき台を敷くことで、いつも議論が発散し時間がかかる傾向のあるインド人とのディスカッションを効率的に進めることができるようになったことに加え、忙しくてケースを全て読む時間が取れないメンバーからもこの取り組みは大変喜ばれました。また、ディスカッションペーパー作成の起草者という優位性を活かすことで自らが先頭に立って議論をリードすることもできるようになりましたし、何よりも膨大なケースをただダラダラと読むよりもアウトプットの目的とイメージを持って読み込むことで、自分自身の頭の整理にも役立つことがよくわかりました。ISBのインド人のように、大した準備をしていなくてもその場で10ページ以上ある英語のケースをざっと目を通しただけでグループワークに参加しいきなり意見をバンバン発言するといった芸当は私にはまだできませんが、事前に早めにしっかり準備をするといったことは日本人の私にとっては馴染みがありそれほど難しいことでもありません。よーい、ドンッの「速さ」で勝負したら周りのインド人学生達と対等には渡り合えませんが、「早さ」でなら意識の持ちようでいくらかアドバンテージを取ることができることをこの取り組みからは学びました。

クラスで唯一の外国人という点を最大限活用

クラスでのディスカッションにおいては、唯一の外国人学生としての視点から自分自身とクラスメイトにとって何か学びを深められるコメントができないかを常に模索するようになりました。クラスで唯一の日本人というのは他の海外のビジネススクールでもよくあると思いますが、私の場合はクラスで唯一の外国人です。周りのインド人学生と比べて英語や数学でのディスアドバンテージがある反面、唯一の外国人というのは最大のアドバンテージであり、ここでは誰とも競合しないブルーオーシャンでもあります。入学当初の頃は間違えることを恐れる余り、クラスでもなかなか発言することができませんでしたが、「私以外は全員インド人なのだから自分が周りのみんなと違うのは当たり前。そもそも別にインド人だって日本人だって百人いたら百通りのそれぞれの考え方があっていいはず」と割り切って考えるようになってからは、自分の意見や疑問を自信を持って発言する機会がだいぶ増えました。それに発言の結果たとえ答えが間違っていたとしても、その場はほんの少し恥ずかしい思いをするだけです。また、発言のやりとりや授業の内容は間違えた時ほど記憶としては残っているものです。ビジネススクールに自分は何をしに来たのかを初心に帰って思い出し、変なプライドや羞恥心は捨てて今は積極的に失敗を重ねてトライ&エラーを繰り返すことで、少しでも学びを深めるにはどうすればいいかを重点的に意識するようになりました。

また、個人的に改めて日本についての学び直しをする機会も増えました。クラスで何か日本に関連するケースや事例が出れば日本人としてコメントができるのはもちろんなのですが、これについては発言自体しやすい一方、自分の国のことをよく知っていないと逆に大恥をかくリスクもあります。そのような場面に直面しても堂々と発言ができるように、日本の業界動向や政治・経済・歴史・環境問題等々に幅広く勉強をするようになったので、興味の幅と視野がほんの少しだけ広がった気がしています。

このような取り組みの結果、先日の授業では私の発言に対してその場でクラスメイト全員から賞賛の拍手まで頂いたうえに、教授からもダイバーシティの観点からのClass Participation(クラスへの貢献度)がとても高いとの評価をして頂きました。こんなことは入学当初の頃の私にはまず考えられないことであっただけに、照れながらもとても嬉しかったのを覚えています。

和泉沢剛(いずみさわ ごう) 東京都出身。立命館アジア太平洋大学卒業後、日本の大手総合電機メーカーに就職し、海外事業拠点設立/海外M&A/新規事業立上げ/戦略的事業ブランディング等のプロジェクトに幅広く従事。現在は戦略部門の責任者としてインドに駐在する傍ら、週末はインドのビジネススクールに通いMBA取得を目指す。趣味は海外旅行で、これまで世界30か国以上約100都市を訪問。

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