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大学名差別を気にする学生・気にしない学生は何が違う?

ホンネの就活ツッコミ論(65)

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NIKKEI STYLE

今回のテーマは「大学名差別の精神構造」です。大学名差別は18年卒でも話題になりましたし、いつも注目されるところです。当連載でも第5回でご紹介しました。また、この5月にはその名も『学歴フィルター』(福島直樹、小学館新書)が刊行されました。

ところでこの大学名差別、これまで気にしすぎて自滅する学生、乗り越える学生の精神構造はあまり明らかになっていません。そこで今回は長年の取材経験から学生の精神構造で何が違うのか、まとめてみました。

結果的には難関大生ほど就活熱心

『学歴フィルター』にはこんなエピソードが掲載されています。就職ナビの営業マンが企業の新卒採用担当者に営業をかけるシーンなのですが、

「弊社のナビは他社さんよりも上位大学の登録者数が多いです。例えば御社がターゲット校の一つとされているZ大学の学生です。このデータをご覧ください。他社さんより弊社ナビが最も多く登録されております。Z大学の学内企業説明会を弊社が担当させていただいておりまして、そんな経緯もあり登録者数が多いのです」

実はこれと同じ会話、私も取材していると就職情報会社から実によく聞きます。私は去年、いくつかの就職イベントでMCを担当しました(付言するとボランティア)。告知は結構したはずなのですが、結果的には来た学生は難関大の学生が大半を占めていました。中堅校で来たのは私と知己のキャリアセンター職員が勧めてくれたから、という学生ばかり。つまり、告知そのものを見て自発的に参加したのはほぼゼロだったわけです。

私は中堅校の一角、東洋大学出身です。それもあって、中堅校や地方大学を応援したい思いは就活関連の書き手の中では一番強い、と自負しています。しかし、16年間、取材していると、残念ながら就活の行動量と偏差値はほぼ比例する、と言っていいでしょう。

負けパターン1:「損か得か」

では、この大学名差別において、負けパターンに陥る学生の精神構造はどのようなものでしょうか。これまで学生と接していると、負けパターンに陥る学生は次のようなことを考えるようです。

「時間やお金を損したらどうしよう」

「××は得をしてずるい」

「結局、努力をしてもムダ。頑張っても報われない」

あれ、そこのあなた。ギクッとしてどうしました?ひょっとしてこういうこと、考えています?考えているとしたら、今すぐゴミの日に処分することをお勧めします。可燃・不燃の別はモヤモヤしたおもいですから不燃ゴミ、ということで。

まず、「時間やお金を損したらどうしよう」ですが、これは未知への恐れです。人は誰もが未知の世界には恐れを持ちます。そこで躊躇するのは無理ないところ。しかし、就職の情報は今やネットで探せばいくらでもあります。たとえば私の連載、今回が65回目なのですが、毎回3000字かそれ以上は書いています。今回の分も含めて全部で19.5万字。全部読むだけで相当違うはず。これは私の記事でなくても、他のネット記事なり新聞なりでも同様です。そうしたものを読んでいれば、今までに参加したことのない就活イベントやインターンシップ、合同説明会などについてもある程度は想像できるはず。

ところが。偏差値が下がれば下がるほど、私の記事でもそれ以外でもまず読んでいません。読んでいない、ということは参加することによってどうなるか、想像できず、恐れが先に来てしまいます。それから地方大学だとどうしても時間や交通費、という問題もでてきます。それもあって、「参加したらどうなるか、損か得か」と考えてしまいます。で、よくわからない以上はメリットを見出せず、「参加するのはやめよう」となってしまうのです。

それと、「損したらどうしよう」と考える学生はネガティブ思考にも嵌っています。私が去年、参加した就活イベントのうち、採用担当者の手作りにより社会人交流イベント「関西就活交流会」(去年で5年目)では、毎回、こんなアンケート結果が出てきます。

「企業の話を聞きたいと思ったのに、働き方とか社会人の話ばかりでがっかりだった」

付言しますと、関西就活交流会は「企業の枠を超えて社会人の話を聞いてみよう」とコンセプトを最初から出しています。仮にそれを理解していなくても、ポジティブ思考なら、「今日は普段聞けない社会人の話を聞けて楽しかったです。今度、×さんの企業説明会にも参加させてください」となるはず。

実際、関西就活交流会のアンケート結果はこうしたポジティブ思考になる学生が多数を占めます。それくらい、多彩な採用担当者が参加するので(主催の採用担当者によると、今年もいくつかの大学で開催予定、とのこと)。

おそらく、ネガティブ思考の学生だと、どんな機会だったとしても、「××が良くなかった」などマイナス点を探すに違いありません。そうした発想を持つ学生が採用担当者からどう見られているのか、よく理解できていないのです。

負けパターン2:「××はずるい」

「難関大が優遇されているなんてずるい」というのも負けパターンの1つ。これの変化球は「体育会系はずるい」「インターン参加者はずるい」など、いくらでもパターンがあります。

これが国籍・出身地・性別などによる差であれば、差別ですし、その企業は非難されるべきでしょう。しかし、難関大、体育会系、インターン参加などはいずれも学生個人の努力によって変化するものです。それによって格差があったとしても、「ずるい」と不平を持つだけで何が変わるのでしょうか。何も変化しません。うらやましいと思うなら、努力できなかった自分を反省したうえで、他の手段で格差を埋める、あるいは逆転する発想を持てばいいだけです。

負けパターン3:「努力しても報われない」

達観というか、こういうのを言い出すのも負けパターンの一つ。いうほど努力していないのがよくあるパターンです。これと似たところだと、「うちの大学からだと××社、難しいですよね」と聞いてくるパターンもあります。「うちの大学からだと~」に対して、私が「そんなことないよ。努力次第」と言っても「でもでもだって~」とできない理由を探しては、努力しない自分を肯定しようとします。

だったら、「君の大学だと無理だ」とでも言って欲しいのでしょうか。たぶん、そうだろうなあ、とはいつも感じています。

準難関~中堅・地方大学の勝ちパターンは

もし、読者の方が上記の負けパターンにどれか一つでも嵌っているようであれば、それはちょっと危険です。では、どうすればいいか。本稿でご紹介した負けパターンの逆に動いてみてください。再び、『学歴フィルター』から引用させていただきます。

中堅大学から大手証券会社に内定した学生が興味深い話を教えてくれた。「就活を始めたばかりの頃、ある企業の会社説明会に参加した時のことです。人事に聞きたいことがあったので、説明会終了後も会場に残っていたのですが、私以外にも質問をするために多くの学生が残っていました。情報交換のために彼らに声をかけました。すると知り合った学生はほぼ全て上位大学ばかりでした。特に早慶上智、GMARCHが多かったです。私のような中堅大学、さらに偏差値の低い大学はいませんでしたね。それで気がついたんです。上位大学が就職で有利と言われているけど、それは学歴だけではなく、彼らが積極的に行動しているからなんです。説明会の後に人事と会話をすれば、熱意をアピールできます。その行動自体が評価されていると実感しました。だったら私も積極的に行動すれば上位大学の学生同様に評価してもらえるのではないか、と前向きに考えました。結果、第一志望を含むたくさんの会社から内定をもらえました」

仮に大学の偏差値が低い、地方で立地が悪いとしても、それは学生が選んだことです(親に勧められた、高校教員に強く言われた、などの事情はスルーで)。

しかし、未来は本人次第で変えることができます。さて、大学名差別を気にする読者の方にお伺いします。大学名差別で損をする負けパターンに陥っていませんか? 大丈夫ですか?

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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