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「ゼロ就活」はひきこもりが危険

ホンネの就活ツッコミ論(70)

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NIKKEI STYLE

4年生の夏、と言えば就活を終えた学生が多数を占めます。それから、就活がうまく行かず継続している学生は例年、一定数います。私は取材のかたわら、こうした学生の相談に乗ることも多々あります。ちょっとした勘違いとか、自己分析ができていないとか。あるいは志望業界にこだわりすぎている、ということも。という話は17回目「就活負け組からの一発逆転」で書いたので省略します。

ところが、近年は4年生夏から就活を始める、「ゼロ就活」が増えています。今回はこの「ゼロ就活」がテーマです。

悲壮感はなく、困惑

先日、相談に来た学生は、「私、まだ内定がなくて」と言いつつ、いわゆる「負け組」とはどうも違いました。就活のうまく行かない学生だと、晴れている日でも「明後日には世界が終わります」とでも言いたげな暗い雰囲気があります。ところがこの学生はそうした悲壮感はありません。あえて言えば困惑、でしょうか。

話を聞くと、就活がうまく行かなかった、というわけでもなく、病気だったというわけでもありません。留学で就活のタイミングが合わなかった、国家試験や公務員試験から転換した、というわけでもありません。この学生の説明によると、「なんとなく就活をする気がなくて、これまでガイダンスにも出席しませんでしたし、合同説明会も一切行きませんでした」。働く必要がないほど実家が裕福か、と聞くと、「普通の家です。日本学生支援機構の奨学金の返済が卒業後200万円ありますし。だから就職したいです」。

だったら、早めに就活をしていればいいのに。と、思っても言ってはいけません。このような「就活をほぼしていない」「でも就職はしたい」という矛盾を抱えた学生がここ数年、増えています。私は就活がひと段落した夏頃に就活経験ゼロで始めよう、という点から「ゼロ就活(生)」と呼んでいます。

既卒者データからも「ゼロ就活」増加は明らか

ゼロ就活生の増加はマイナビ「既卒者の就職活動に関する調査」でも明らかになっています。就活で既卒者と言えば、在学中の就活に失敗した、とのイメージがあります。が、2017年度に「在学中、未内定だった」は2013年度の57.4%から39.1%に減少しています。一方、「在学中活動をしなかった」が22.9%と2013年度の17.8%から増加しています。

ゼロ就活生はダメ学生、ではない

就職氷河期の時代であれば、就職をしたがらないのは、よほどメンタルに問題ある学生ではないか、とのイメージを持つ採用担当者は多数いました。実際に、イメージ通りだった学生が多かったことは私も取材で感じています。が、ここ数年のゼロ就活生は、メンタルに問題ある、というわけではありません。大学も文系・理系や地方、偏差値などを問わず、ある程度は存在する、と見ていいでしょう。

あえて特徴を言えば、「勉強を含む学生生活に集中しすぎた」「就職の膨大な情報量に目が回った」「何が向いているか、こだわりすぎる」の3点です。

まず、1点目「勉強・学生生活」ですが、今の学生は2000年代以前に比べて文系学部を含めて単位認定が相当厳しくなっています。そのため勉強に集中せざるを得ません。それから、家計が厳しくなっていることもあり、アルバイトは遊興費というよりは生活費のために日数を入れる学生が増えています。そのため、勉強やアルバイトを含む学生生活に忙しすぎて就活が手付かずになってしまったのです。もちろん、大半の学生は勉強や学生生活が忙しい中でもうまく調整して就活に臨んでいるわけですが。

2点目「膨大な就活情報」は、3点目ともやや重複します。大学が開催する就職ガイダンスを含めて膨大すぎる情報は学生には大きなプレッシャーとなります。あまりにも多すぎて処理できない、だったら当面後でもいいだろう、と考えてしまうのがゼロ就活生の特徴です。

3点目「こだわり」は、将来何がいいか、考えすぎてしまうのです。もちろん、将来を考えるのはどの学生も同じ。ただ、大半の就活生はインターンシップや会社説明会に参加するなど、走りながら考えていきます。一方、ゼロ就活生は、大学内で、あるいは自分の部屋で、色々と考えすぎてしまう、という傾向があります。しかも、キャリアセンターなどに相談できればいいのですが、それもあまりしたがらない、というのもゼロ就活生にはありがちです。

ただし、こうした特徴がある一方で、能力が劣るなど、ダメ学生と言うわけではありません。

ゼロ就活生はキャリアセンターをうまく使おう

ゼロ就活はできれば避けた方がいいのですが、すでにゼロ就活に突入した学生はどうすればいいでしょうか。大学キャリアセンターや新卒応援ハローワーク、就活カフェなどを自ら訪問して足で稼ぐしかありません。

龍谷大学大阪梅田オフィスのキャリアセンター・西坂正雄さんは、「うちの学生でゼロ就活生はあまり聞きませんが」と前置きしつつ、就活を継続する学生も含めてキャリアセンターの積極利用を呼びかけます。「就職ナビサイトだとどうしても掲載数はピーク時から減っていきます。その点、大学キャリアセンターだと、求人件数はむしろ増えていきます。しかも、売り手市場の影響もあって、企業様から求人のお話をいただくのは採用解禁となる6月以降も相当数あります。もう1点、大学キャリアセンターに来る求人は内々定まで期間が短くて済む、というメリットもあります」

北海道札幌市で就活カフェ「キャリぷらplus北海道」を運営する赤坂武道さんも北海学園大学キャリアセンター勤務の経験から同様のことを指摘されます。「キャリアセンターは掲示板での案内、メール配信、保護者への手紙送付からゼミの教授経由なども含めて、就活情報提供に努めています。それに個別の就活状況の把握に努め、定期的に統計を取らなければなりません。その意味でもキャリアセンターの新規訪問は歓迎されます。それから、キャリアセンターには大学以外の相談先の案内も豊富にあります。もし、全く就活をしていない、というのであれば、なおさらキャリアセンターを積極的に使って欲しいですね。キャリアセンターはむしろ夏以降の支援が腕の見せ所だと考えていますので、彼らのチカラを利用しない手はありません」

それでも、キャリアセンターには3年生がすでにインターンシップなどで出入りし始めています。後輩と顔を合わせるのはどうもその、と敬遠するゼロ就活生もいるでしょう。「もし人の目につくのが嫌なら、午前中に行くのがおススメです。さすがに訪問する学生も少ないですし、キャリアセンター側もじっくり話を聞くことができます」(赤坂さん)

就活は一人でできるものではありません。それがゼロ就活であればなおさらです。引きこもり、一人で考えてしまうのはやめましょう。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ) 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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