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真っ暗な街に満天の星~大好きな北海道の人たちへ

ビリギャルが今伝えたいこと(7)

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NIKKEI STYLE

9月6日、まだ明るくなる前、街が寝静まっている頃に、北海道で大きな地震が起きました。私がついこの間まで住んでいた大好きな場所。大切な人もたくさんいるところ。私はその日、朝7:25の飛行機で佐賀県に仕事で行く日でした。5時に目覚ましをかけて起きたら、携帯の通知が大変なことになっていて。うちにはテレビがなくて、事態を把握するのに少し時間がかかりました。

どうやら、北海道で大きな地震があって、多くの家が断水、停電していているよう。携帯の充電もできないから情報も入ってこなくなるかもしれない不安。余震が続いていてまた大きな地震が来るんじゃないかという不安。眠れない時間を多くの人が過ごしているのが遠くからでもわかるほどでした。

そのあと、札幌に住んでいる友人と電話で話せました。札幌はあまり地震が起きない地域なのでみんな慣れていなくて、少しパニックになっているとのことでした。コンビニやスーパーは大行列。食料もほとんど店頭になくなっていて、街は真っ暗。一人暮らしの方は特に心細い時間だったと思います。その状況を想像するだけで、胸がぎゅうっとなって、でも何もできない自分に無力さばかり感じる。こういう時どうしてあげればいいんだっけ、ひたすらネットで情報を見つけてSNSで流すことしかできない。電気、水道、食料、飲み物、情報、近年便利になればなるほど当たり前になっていたものばかり。どれも、当たり前ではないんだということを改めて思い知らされます。

信号がついていない道路に日本人の優しさがあった

電話で友人がこんなこと言ってました。「でもね、さっき水とか買いに行こうと思って外でたんだけど、日本人って素晴らしいなあって感動しちゃったよ。信号が止まってるから、みんな車で譲り合って、クラクションを優しく鳴らして、ありがとうも忘れないし、こんな状況でもみんな声かけあって支えあって、本当に素晴らしいなあって思ったんだ」。

どんな状況でも、自分の事だけじゃなくて自分以外のことも考えられる。確かに、友人が言うように、日本人の素晴らしい特性がこういう時によく見える。大変な時に、そういうことに気付けて、感動できちゃうこの友人の優しさにも、何の影響も出ていない東京にいた私は、泣いてしまいそうになりました。

家を出て、羽田空港に向かう途中も北海道のことばかり気になり、携帯から目が離せない。ふと辺りを見渡すと、ゲームをしている人もいれば読書している人もいる。きっと、大切な人が北海道にいないんだろうな、と思い、なぜか少し寂しい気持ちになりました。同じ日本で大変なことが起こっている。けど、そこに自分の人生がなんのかかわりも持っていないと、なかなか実感がわかない。情報すら取ろうとしない。そもそも、「自然災害なんてもう懲り懲りだ」と嘆いている人を見ると、でも、自然をめちゃくちゃにしてきちゃったのは紛れもない私たち人間なんだよなあと思ってしまう。なんだか複雑な思いがしてしまうのです。

札幌の友人たちは、グループラインで私の心配をよそに、明るく振る舞うんです。「今こんなにコンビニ並んでるよ」「今この人と合流したよ!」いつもと変わらないテンションで飛び交う友人たちのラインを見てホッとしたり泣きそうになったり何もできない情緒不安定なだけの私。多分きっと、一人離れたところから心配している私を気遣って、わざとそうしてくれてるんだと思いました。そう思うと、余計にみんなに会いたくなって。どうか無事で。本当に、祈ることしかできない。

「今コンビニに来てるんだけど、長蛇の列を、64歳のおじさんが一人で一生懸命レジを回してくれていて、本当に頭が下がります」と友人夫婦が教えてくれました。自分の家族が心配かもしれないのに、街の人のために一人で一生懸命コンビニのレジを回してくれているそのおじさんのような人が、他にどれだけいるんだろう、と思いました。

「当たり前」に「ありがとう」を

札幌の学生たちのSNSを見ていると、なんだかあまりことの深刻さをわかっていないような気がしちゃう。「暇だ」「電気早く」私が高校生でも、同じことを言っていたと思う。でもだからこそちゃんと伝えなくちゃいけない。電気や水道を一刻も早く通すために、どれだけの人が裏で死に物狂いで動いてくれているか。自分のことや家族のことを後回しにして誰かのために必死で考えて行動してくれている人がどれだけいるのか。このことをもっと子どもたちに伝えなくちゃいけない。水道だって電気だって、家も、食べ物も飲み物も、あったかいお布団も、家族も、友達も。当たり前にあるものなんて何もない。もっと、いろんなことに感謝しなくちゃいけない。これらを毎日享受できているのは、どれだけの人の手が添えられての事なのか。日本でこんなに天災が立て続けに起こっているのに、私たち人間は、自分が深く関わらないとわからない。

停電していた時に、友人が一枚の写真を送ってくれました。どう見ても、一面真っ黒な写真でしかないんだけど、そこには無数の星が写っているんだ、とその友人が言ってました。

街が真っ暗だからこそ、いつもは気づかない綺麗な星がくっきり見えた札幌の空。どんなことにも意味がある。意味がないことなんて起きない。今回の地震の被害が最小限に抑えられ、そして、私たち人間の大きな学びになるように。真っ暗な札幌の街の上に広がっていた星がそう、言ってるような気がしました。

北海道は、もう私の地元のようなもの。謙虚で健気で、人に優しい人たちの集まり。素晴らしい自然と人が共存する場所。必ず、すぐに復旧すると信じて。どうか、誰も一人で寂しい思いをしていませんように。みんなで支えあって1日も早く、いつもの穏やかな北海道の日常が帰ってきますように。

小林さやか(こばやし・さやか) 映画化もされた「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」(坪田信貴著)の主人公のビリギャル本人。大学卒業後はウエディングプランナーとし活躍。その経験を活かし、2014年に自身の結婚を機にフリーに転身。現在は全国の中高生や親御様向けに講演活動なども行っています。

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