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就活・学生生活でイラっとしたときどうする?

ホンネの就活ツッコミ論(85)

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NIKKEI STYLE

今回のテーマは「イラっとしたとき」です。

先日、レンタルビデオ店勤務のアルバイト学生がファンであるグループの悪口を言われたことにイラっとしてしまいました。それだけならよくある日常風景です。が、このアルバイト学生は、それをTwitterに書き込んでしまいました。さらには「個人情報を取り扱う仕事だから、名前から性癖まで暴露することが可能」と脅迫とも取れる内容も投稿しています。

当然ながら許される内容ではありませんし、まして時代はネット社会。あっと言う間に炎上し、各メディアでも報道される事態となってしまいました。

就活でも学生生活でも、イラっとしてしまうことはよくあります。では、そんなとき、どうすればいいでしょうか。

一番まずい、守秘義務違反のSNS投稿

もっともよくないのはSNSへの投稿です。これは友人限定になっているかどうかは関係ありません。どのような仕様であれ、結局のところ、SNSの投稿は他者、もっと言えば全世界に向けて発信していることになってしまいます。

レンタルビデオ店の学生が良くなかったのは、さらに職権を使って復讐しようとした旨、SNSに書き込んだ点です。レンタルビデオ店ではレンタルカードを作成しますが、そこには個人情報を登録します。これを勝手に公開することは法的にも社会的にも許されるものではありません。いくら学生のアルバイトとは言え、社会的な責任があることは社会人となんら変わらないのです。仮にボランティアだったとしても職務上、知り得た話をみだらに公開しない守秘義務が求められます。

いくらイラっとしたからと言っても、職務違反や守秘義務違反のSNS投稿は学生本人が傷ついてしまうことになります。実際、このレンタルビデオ店のアルバイト学生は本人の個人情報等が暴露され、所属大学や内定先企業に抗議の電話が殺到する事態になっています。これは今回だけでなく、過去の類似の騒動も同じです。過去の事例だと、内定学生の場合、内定取り消しに合ったり、あるいは内定辞退に追い込まれる、ということもありました。

守秘義務違反でなくてもSNS投稿は危険

では、守秘義務違反にならないSNS投稿はどうでしょうか。たとえば「××、むかつく」とか「△と言われてイラっとした」とか。

程度にもよりますが、実はこういう書き込みもあまり賢明とは言えません。理由は3点あります。1点目は「むかつく」云々と言われた側が読んで、さらにヒートアップしてしまう点です。2点目は、第三者が読んで介入し泥沼化してしまうリスクです。第三者が書き込んだ学生を慰めるのはまだしもです(SNSとはそういうものなので)。第三者の方が本人以上にヒートアップしてしまい、本人がイラっとした相手とバトルになる、ということも珍しくありません。

3点目は一番大きなところですが、書いた学生本人の品位品格を疑われてしまう、という点です。本人がいくら傷ついたと思っていたとしても、事情を知らない第三者からすれば「その程度で騒ぐの?」と疑問を感じることもあります。これがおしゃべりでの愚痴なら一応、事情を知っている人同士の会話なので、話はそうそうこじれません。何よりも会話でその場限りで済む、という利点もあります。

ところが、SNSだとどうしてもあとあとまで残ります。仮に友達限定にしていても、こういうものは結果的には多くの人に伝わるものなのです。そして、「その程度のことで騒ぐの?」と思った人の中には、書き込んだ学生の品位品格を疑う方も出てきます。あるいは、仕事を振るのをやめる、あるいは、ちょっと距離を置こうとする人も出てくるでしょう。結局、書いた学生が損をしてしまうことになるのです。

イラっとしたときはアンガーコントロールを

では、学生が就活において、あるいは社会に出てからでも、イラっとしたときはどうすればいいでしょうか。近年、ビジネスマンのスキルとして注目されているのがアンガーコントロール(マネジメント)です。一般社団法人日本アンガーマネジメント協会のホームページにはこうあります。

 アンガーマネジメントとは、1970年代にアメリカで生まれたとされている怒りの感情と上手に付き合うための心理教育、心理トレーニングです。現在、日本でもアンガーマネジメントの受講者数は年々右肩上がりに増加しており、2017年度は約22万人、統計を取り始めた2012年より6年間で講座や講演、研修を通して述べ約60万人の方が受講しています。

方法としては、大きく深呼吸をする、数を数えて落ち着く、イライラしたことを書き出す、無理に白黒つけようとしないなど様々です。私がよくやるのは、深呼吸、数を数えて落ち着く、白黒つけようとしないというところ。手法はそれぞれ個人差があるにせよ、こうしたアンガーコントロール(マネジメント)はこれから就活を始める学生、あるいは就活を終えて社会に出ていく学生、両方とも必要なスキルではないでしょうか。

私個人のアンガーコントロールについて加えて言えば「過度に期待しない」というものもあります。期待をしていて裏切られれば、その分だけ失望し、かつ、イラっとします。期待値を途中で下げて、「この人に期待しても無駄だから」と考えればそこまでイラっとすることもありません。むしろ、期待値が低いので、期待以上の反応があれば、それだけ嬉しくなることも。

相手が低俗でも付き合う必要はない

学生からすれば、相手から裏切られた、低俗なことを言われたなどの理由でイラっとした、ということもあるでしょう。大丈夫、学生ならずとも社会人でもよくある話です。そして、本人に反論などを伝えてもまったく効果がない、むしろ事態がひどくなるから、表立っては言えない。だから、SNS投稿で、という学生もいるかもしれません。

気持ちはわかりますが、では、その裏切った(あるいは低俗なことを話した)相手とやり合う、あるいはSNS投稿などで留飲を下げるのはどうでしょうか。それは、結果的には低俗なる相手と同じところまで自分を貶めることを意味します。

相手に非があって、しかも、その伝え方が上手くて周囲から孤立してしまう、そんな学生がいるかもしれません。傷つけられたと思う学生もいることでしょう。が、そこで後ろ向きなことにエネルギーを使ったところで得るものは何もないのです。

就活生であれば、落ちた企業のことをごちゃごちゃ言うよりも目の前の就活を頑張ること。あるいは、社会人であれば、イラっとした相手のことをあれこれ言うよりも目の前の仕事を頑張ること。それが結果的には、その学生を高めることになりますし、ポジティブな評価につながっていきます。

前・アメリカ大統領のファーストレディだったミシェル・オバマさんは、今も高い人気をアメリカ国内で集めています。2020年の次期大統領選挙では有力候補になっているほどです。このミシェル・オバマさんは2016年、民主党大統領候補として正式に党大会で指名されるヒラリー・クリントン前国務長官を応援する演説は、非常に味わい深い内容です。

When they go low, we go high.
相手が低俗に出るのならば、私たちは品位を保っていきましょう。

これは就活生も社会人にも当てはまる話ではないでしょうか。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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