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適性検査対策、結局 どこまでやればいい?

ホンネの就活ツッコミ論(87)

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今回のテーマは「適性検査にかける時間」です。多くの大学では就職課・キャリアセンターが適性検査対策の講座を実施。一部の私大では単位認定のある講義でも適性検査対策を展開しています。ところが、適性検査対策をしている大学の全てが就職実績を上げているか、と言えばそんなことはありません。もちろん、他の様々な要素が絡んでいるから一概に言えない、との見方もできます。が、大学の適性検査対策が就職実績の違いを生んでいるとは言えないのが実情です。

それでは適性検査対策の効果はどうなのか、そして学生がどこまで適性検査対策を進めるべきか、まとめてみました。

大学は「適性検査対策をやれ」と言うが

中堅以下の私大を中心に、就活対策と言えば適性検査対策を中心に展開しています。特に女子大や文系学部中心の大学だと、数学を苦手とする学生が少なくありません。そこで適性検査対策が必要、というわけです。一方、数学が苦手な学生からすれば「なんで、今さら数学なんか勉強しなければならないのか」と不満たらたら。そこで私に「この適性検査対策、本当に就活で役立つのですか?」と質問してくるわけです。

結論から言えば「大学がやっている適性検査対策は半分正解。半分は見栄と空回り」。

まず、正解部分からご説明しましょう。大手・中小を問わず、企業にとって一番困るのは採用した学生がすぐ辞めてしまうことです。採用の費用に加えて育成の費用、社会保険料を負担してすぐ辞められたのであれば企業からすれば大赤字。不幸このうえありません。

企業が採用した社員に長く働いてもらうには「給料を上げる」「福利厚生を含めた待遇を良くする」などもあります。が、仮に高待遇だったとしても、やりがいが感じられない、人間関係が悪い、などがあれば辞めてしまいます。そもそも、企業ごとに社風・個性は少しづつ違います。ある企業に合っている社員が別の企業では全く合わない、というのはよくある話です。

そこで企業は採用の際に、学生が自社に合っているかどうかを考えます。そのマッチングを考える手法の一つが適性検査なのです。適性検査は性格検査と能力検査に分かれます。マッチングを考える手法としては性格検査が該当します。では能力検査は無意味か、と言えばそんなことはありません。企業が求める能力レベルに達しているかどうか、測定することができます。

そこで、適性検査を企業は用いる、という次第。こうした事情があるので、大学が適性検査対策を展開することが大外れ、というわけではありません。

適性検査は値段が問題

では、すべての企業が適性検査を導入しているか、と言えばそんなことはありません。理由は簡単で費用がかかるからです。就活において企業が適性検査を実施する際、学生の受検は無料です。有料であれば問題になりますし、何より学生が選考に参加しません。では、適性検査の受検料を誰が負担するのか、と言えば、当然ながら実施する企業です。

では、その費用はいくらでしょうか。学生が考える以上に高額で、1人あたり3000円から6000円程度はします。仮に1万人が選考参加で適性検査を受検すれば、それだけで3000万円~6000万円もの費用がかかります。大企業ならまだしも採用予算の乏しい準大手・中堅以下の企業であれば、とても払える額ではありません。そこで準大手・中堅以下の企業だと、適性検査は料金の安いものを探すか、料金が高いにしても、中盤以降の選考に使用します。

この話、適性検査対策をがっちりと展開している私大の学生が知ればどうなるでしょうか。「なんだ、適性検査対策をしてもムダか。だったら、無理に勉強するのはやめよう」と学生は勉強しなくなってしまいます。そのため、一部の私大ではこうした情報を出さず、「ともかく適性検査対策をしなければ就活は失敗する!」と断言しているとか。

そういう話をしてしまうあたりが空回りとする理由です。大学によっては採用予算の潤沢な大手企業しか、適性検査(特にSPI3)を導入していない、と分かっていながらそういう話をするそうで。「いや、大手企業への就職者を増やしたいから」との理由からだそうですが、こうなると、学生を無視した単なる見栄としか評価しようがありません。

大手企業の採用は適性検査ありきではない

大手企業が選考の際に適性検査を導入。さらに能力検査のスコアで人数を絞り込んでいることは事実です。ただ、その1点をもって「適性検査対策をすれば就活がうまく行く」と断じるのは言い過ぎです。

実際、適性検査対策をしている大学のすべてが就職実績を上げているわけではありません。理由は簡単で、大手・中小を問わず、適性検査を選考に使っている企業でも、適性検査のスコア以外にも、文章力、創造力なども含めた人間性で評価するからです。

極端な話、能力検査については対策しようと思えば対策できます。実際に多くの大学が適性検査の対策を展開していますし、能力検査では大きな差が出ないのです。そうなると適性検査のうちの性格検査、それと、他の部分で判断することになります。他の部分とは例えば新聞購読です。

普段から新聞を読んでいる学生、そうでない学生とでは差があります。さらに単に新聞を読んでいるだけなのか、新聞を読んだうえでそれがどんな影響があるか、あるいはどんなビジネスにつなげられるか想像できる学生とでは大きな差があります。当然ながら企業が好むのは後者でしょう。

実際、大手企業の内定を得る学生はその多くが新聞をよく読んでいます。逆に適性検査対策をいくら進めていても、TPPが何か、AI化とIOTが何か、入管法改正が選考参加企業に与える影響が何か、何も分からない、という学生を採用したい、と思う企業は多くないでしょう。

それでも数学は必要

適性検査対策について、私が上記のような話をすると「だったら大学の適性検査対策はムダなんですね。だったら勉強するのはやめます。私が狙うのは大手企業ではなく適性検査対策を実施していない中小企業ですし」と話す学生もいました。それはまた、極端から極端に走りすぎです。仮に選考参加の企業が適性検査を実施していないにしても、対策をしないのはそれはそれで問題です。

と言いますのも、大手・中小を問わず、中高レベルの数学や数学的センスは意外とビジネスでも使うことがあります。つまり、大学でやっている適性検査対策の講座、その大半は数学対策なのですが、就活に役立たなくても、やり直す価値はあります。

数学が苦手な学生からすれば、モヤモヤする結論かもしれません。それに適性検査対策以外にも新聞を読んで企業研究をやって、面接やらグループディスカッションやらの対策をやって...。大変なことはお察しします。が、就活とは大変であって楽ということはありません。適性検査対策を含めてどれか1つに長じればいい、ということはないので、割り切ってください。

石渡嶺司(いしわたり・れいじ)
 1975年札幌市生まれ。東洋大学社会学部卒。2003年から大学ジャーナリストとして活動開始。当初は大学・教育関連の書籍・記事だけだったが、出入りしていた週刊誌編集部から「就活もやれ」と言われて、それが10年以上続くのだから人生わからない。著書に『キレイゴトぬきの就活論』(新潮新書)、『女子学生はなぜ就活で騙されるのか』(朝日新書)など多数。

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