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日中間の誤解(3)日中学生会議に参加しよう! 
本音でぶつかり合う場に

authored by 日中学生会議 実行委員会
日中間の誤解(3) 日中学生会議に参加しよう! 本音でぶつかり合う場に

 こんにちは。東京大学前期教養学部文科一類2年の王航洋です。去年第35回日中学生会議(前回の記事はこちら)に参加し、今年2017年の第36回日中学生会議では実行委員長を務めています。

 さて、「日中学生会議」と聞いて、この団体の目的とはなんなのか、どう想像されたでしょうか。「日中友好のための交流」。これが皆さんの思うところかと思います。もちろん、これは日中学生会議の創設以来の大きな目標です。しかし、僕が一番強調したいのは、「理解すること」です。

 中国人ってなんなのか、隣人なのに知っていることってあんまりありません。テレビ越しでしか見ることができません。更に言えば、日本のことだってよく知らない。僕はこの日中学生会議を通じて中国、中国人のことを理解し、日本を知るきっかけになればいいなと思います。いい意味で、自分の中の価値観を変えていってほしいなと思います。

 僕自身も去年、中国人と二週間半も一緒に生活をし、議論をしていく中で驚かされることやエエッというようなこと、逆にここは意外と同じだなと思うことをたくさん経験できました。

王航洋の中の「中国」

 名前から分かる通り、僕の両親は中国人です。しかし、僕自身はずっと日本に生まれ育ち、日本の教育を受けてきた、日本人であるという自覚があります。その中で、高校生の頃から、祖父母や親戚が住んでいる中国ってなんなのかという興味はありました。そして、高校のときに世界史を学んでいくうちに、こんなにも悠久の面白い歴史を持ち、こんなにも不思議な国、そしてそこに住んでいる国民を、身を以て感じてみたいと思うようになりました。

 身の回りの新聞やテレビのニュースに目を移すと日中の対立といった報道が目立ち、周りにも中国に良い印象を持っていない友達が多くいます。実際、僕も良い印象はありませんでした。過去においても、将来においても重要なお隣さん、パートナーであり、そうであるべきなのになぜいがみ合っているのか。どうにかすることはできないのか。そして、将来国の社会を担っていくであろう日中の学生が何を考えているのか、知ってみたいと思い、日中学生会議に参加応募しました。

第35回日中学生会議に参加してみて

 まず、最初が衝撃でした。面接でど緊張して絶対落ちたと思ったら選考で通ってしまって、入ってみたら入ってみたで顔合わせ合宿で上級生がいっぱいいて、自己紹介を見るとみんな海外経験があったり国内でも様々な活動をやっていたりしていて、僕なんかがこんなところにいていいのか、中国の学生とも仲良くなれるのかうわわわわという気持ちで始まりました。昼からビールを飲み、タバコを吸う委員長も、大学入りたてのピュアな王青年にとってはなかなか刺激的なものでした(笑)

 分科会が始まり、最初に自覚させられたのが圧倒的な知識不足でした。僕は歴史分科会に所属したのですが、高校世界史の教科書にはない解釈や事実、論点、背景が日中間にはたくさんあるのだということを感じました。その中で先輩に引っ張ってもらいながら色々吸収していきました。

 そして本会議。思っていた以上に今まで考えたことも聞いたこともなかったような唸らされる意見や考え方、その前提が出てきました。例えば、法の概念について議論していた時に、社会一般が認めているものであれば、国家が制定しているものでなくても法であると言われました。つまり、社会が認めているのであれば、道徳法や(国内における)慣習法といった類のものも法であると、また、法律とは違ったベクトルのルール(例えば裏口入学など)もルールであるということでありました。

 歴史教科書問題では、そもそも教科書の目的自体の認識が違っていたりと、様々な場面で価値観の違いに驚かされました。そして、日本をまた違う視点から見つめ直すこともできました。「私は総長になって以来、世界の多様な人々と話す機会が増えました。その中で世界のとらえ方や、外から見た日本の姿が、私のそれまでの常識とずいぶん違うと思うことが度々ありました。」これは平成28年度東京大学学部入学式にて五神総長がおっしゃっていた言葉です。まさに、この言葉を、討論を通じて実感することができました。

 討論以外の場面でも、片側4車線道路を平気で横切ったりした時などはとても戸惑いました。しかし、違いばかりでもありませんでした。言語の違い、文化の違いがありながらも、カラオケに行って一緒に歌ったり、観光の時も夏のとても暑い中、地元でもないのに楽しめるところを調べて一緒に歩き回ってくれたり、最終日には手紙を書いてくれた仲間もいました。とても楽しかったし、充実していました。

第36回日中学生会議参加者募集!

 第36回日中学生会議は僕にとっては二度目の日中学生会議です。これを単なる日中の交流の場にするつもりは毛頭ありません。学生だからこその本音での対話、ぶつかり合いを楽しめるような、そんな会議にしていきます。日中学生会議は刺激の強いガムです。最初は顔をしかめるようなこともあるかもしれません。しかし、噛めば噛むほど世界が開けていくと思います。「理解する」。このことを通じて日中友好への第一歩となることを願ってやみません。

 今年の日中学生会議は、東京、大阪、長崎の3都市を回り、中国人の学生と、19日間の共同生活を行います。日本開催ではありますが、中国の学生さんに、僕たちが中国を知りたいと思うように、時間の許す限り、日本を知ってもらいたい、そして、参加者の皆様に「素晴らしい日本を見せる」お手伝いをしていただきたいと思っております。応募は4月19日まで、日中学生会議HP(http://jcsc-japan.com/)より受け付けております。皆様にお会いできること、心よりお待ちしております。

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